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3章:真実を知ったとき
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しおりを挟む「必要がないなんて、どうしてそんな……」
声が震える。精一杯搾り出すように訊ねるも、喉の奥に何か詰まっているみたいに言葉が出て来ない。覚悟を持って聞いたのは私自身のくせに、今になって逃げ出したい気持ちすら湧いてしまう。
「マネージャーになった瑠歌は仕事が大変そうだった。毎日朝早くから夜遅くまで働いて、休みの日まで仕事をしていただろ?」
「それはっ」
「俺から離れていくのを薄々感じていた。そこに俺の居場所も必要性も感じないし、瑠歌にとって今は仕事が大事なんだってわかってたから邪魔も出来ない。だから別れを選んだんだ」
凪の一言一言が、強く投げられたボールを全身に受けているように衝撃が大きく、避けたくてもまるで金縛りにあったみたいに体が動かない。
茉莉愛ちゃんの意見とかじゃなく、紛れもない凪が出した答え。
それは全く予期していなかった返事。
「ごめん……。でも、俺の事を本当に好きか不安もあって、これ以上俺自身も瑠歌を好きでいられる自信がなくなってしまったんだ」
「そんな……」
言い掛けたのに、駄目押しが響いてまた言葉を失い口を閉じた。
頭の中が真っ白になっていて、何を言っても無駄なんだって痛感させられる。
だけどまだ、逃げ出す事は許されなかった。
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