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1章:初めましてが最悪だった。
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しおりを挟むその後、せっかくの休みを私は二日酔いでグッタリと台無しにし、何も出来ないままあっという間に仕事が始まってしまった。
***
「今日は新しいここの支配人を皆に紹介する」
出勤早々、ウチの会社の社長(65歳♂)から直々に社員全員が打ち合わせルームに呼び集められ、仕事を始める前にと説明があった。先月に退職された支配人の後任の件は私も聞いていたけれど、実際に会うのが実は今日が初めて。
名前は確か桐葉 李月さんという男性で、35歳という若さにも関わらず支配人に上り詰めたバリバリのやり手と聞いている。
そんな凄腕のプロがここに異動というのは、もちろん頼もしい。
「じゃぁ本人からも挨拶を頂く。こっちへ」
社長が入口の方へと顔を向け声を掛けると、静かに室内に足を踏み入れたスーツを着た男性。その姿を見た瞬間、文字通り私は”絶句”した。
ふてぶてしくきつめの目つきが印象的なその顔は、忘れたくても忘れられない。忘れるはずがない。昨日、散々な醜態を見せて迷惑を掛けまくったあの男がそこにいたから。そしてたぶん彼も同じ事を思ったのだろう。私の顔を見るなり、足を止め目を見開いて硬直している。
お互い、とんでもなく最悪な再会をしてしまったんだ。もう二度と会わないと思っていた相手と、これから一緒に仕事をしないといけないだなんて―――
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