溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜

氷萌

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この手を離さないように…

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「好きだけでどうにかなる話じゃないのはわかってる。
 今さら俺が言った言葉が帳消しになるわけでもない。
 正直まだ、両立が出来るかの答えだって見えない。
 だけど…自分の気持ちに素直に
 貴女を想う心に真っ直ぐになりたいと思ったんだ」

中途半端な曖昧さや誤魔化しなんて微塵もなく
この前まであった淀んだ空気みたいなものも一切なくて
然さんの瞳の奥には混じり気ない光と
ハッキリとした声質に、強い意思が伝わってくる。

初めて
彼の”心”を聞けた気がする。

「俺はこれからも会社は守っていかないといけない。
 だけど、由凪さんも守っていく。
 どちらかじゃなくて、どちらも絶対、必ずだ。
 その中で、もしまた俺が間違った答えを出したとして
 血迷って見失いそうになったら
 殴ってでも連れ戻してほしい」

私の知る今までの彼は
どちらが年下なのかわからないくらい
いつも落ち着いていて大人びていて。
それなのに『好き』って言葉は素直に言ってくれて…

こんなに必死にたくさん喋ったところは
初めて見たな。





 

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