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この手を離さないように…
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しおりを挟むこの笑顔が
その結果だ。
俺はそんな彼女に惚れたんだ。
最初に出会った時は
下を向いて存在を消そうとしているとさえ感じた。
そんな彼女が
今は顔を上げて笑っている。
自分の中で何か見つけたのかもしれない。
だから歩き出したのに。
「俺は何やってんだッ」
手の指に力が入り
持っていた写真の隅をクシャと皺を作ってしまった。
自分の情けなさに嫌気がさす。
逃げてどうするんだ。
会社も由凪さんも守れなくてどうする。
好きな人の傍にいたい。
ただその気持ちだけ
純粋にまっすぐ素直にならなくて
俺は馬鹿か!
「まだ間に合うかッ」
事務所の壁に掛かっている時計は
11時をまわっている。
昼過ぎの便だと言っていたけど
今から車で飛ばせば1時間なら間に合うはずか?
実際、何分の新幹線に乗るのか聞いていないし
今から調べても遅くなるだけ。
だったら、ダメ元で向かうだけだ!
新多から渡された写真と
デスクの上に置いていた財布と車の鍵だけ掴むと
俺は事務所を飛び出した。
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