溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜

氷萌

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この手を離さないように…

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確かに少しタイミングが悪かったかなとは私も思う。
然さんだってまだいろいろと後始末が残っているのに、こんな時に社員の退職だもん。
美南さんや桐生さんまで巻き込んでしまった…。

「それで?
 辞めて引っ越すのはいつとか決まっているの?」

すぐに状況を呑んで
冷静な反応をしてくれる桐生さん。

「退職の旨はもう伝えてあるから
 あとは”届”を書いて書面として提出するだけ。
 今週末には引っ越す予定で
 もう荷物の配送とかの手続きは済んでるよ」

「そっか…
 そんなに早いんだね」

「うん…」

マンションの部屋は然さんの名義で借りてるから
あまり長居するわけにはいかないのと
なんとなく…顔が合わせづらいのもあるし…。

「送別会をする時間もないんだね」

「平気平気。
 気持ちだけで充分。
 ありがとうね」

送別会なんて
とてもとてもそんなのは気まずい。
最後まで、さらっとした関係で淡泊に終わりたい。


1週間なんて
本当にあっという間。

まるで瞬きした一瞬で
世界が大きく変わるようにーーーーー



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