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火炎に映る涙。

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然さんの言葉に影響されているのは間違いないと思う。

彼の言葉は
切り捨てるように、どこか冷たかったから…。

今、美南さんは何を感じているんだろうーー



「こんな所で何してるの?」

彼女の事を考えていたせいか
背後から聞こえてきた本人の声にドキっとし
ゴクリと息を飲んだ。

そうだった。
今1番、この人とは顔を合わせづらいのに。
だから出来るだけ避けたかったのに
廊下で無駄に長居するなんて。

「こ、こんにちは…」

こ、困った。
振り返って挨拶をしたものの
言い訳なんて考えてない。

無視して走って逃げるわけにもいかないし
なんとかこの場を丸く収めて難を乗り切る事だけに一心。

「ここに何の用?
 まさか…レッスンを受けるつもりなの?」

ピリピリした空気に
バチバチと火花が散るような鋭い目つきは
少しの刺激で今にも発火しそう。

機嫌の悪さは絶好調みたい。

「い、いえ…
 たまたま通り掛かっただけ、です…」

言えるわけない。
『勉強したくて受けに来ました』なんて
怖くて白状出来るわけがない。
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