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行く末は前途多難。
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しおりを挟むその間、然さんはと言うと―――
「部屋、綺麗に使ってくれているんだね」
リビングに入るなり
辺りを見回しながら感想まで言ってくる。
「借りてる部屋なので
汚くするワケにはいかないので…
でもあまり見ないでください。
生活している方としては恥ずかしい」
「モデルの勉強もしているんだね?」
「ん?」
キッチンで手を洗っていた私は水音で彼の声が聞こえず、聞き返すように顔を上げてみると
然さんは私がテーブルに置きっぱなしにしていた『初心者の為のモデル講座』を手に取って見ているではないか。
「そ、それはッ」
片付け忘れていた事を思い出し
焦って彼の元へ…
「偉いね、由凪さん。
モデル業を頑張って覚えようとしているんだ」
「それはそうよ。
右も左もわからない完全な初心者なんですから…」
答えながら
さりげなく彼から本を奪ってみた。
「でもあんまり根詰めると
体力もメンタルも保たなくなるからね?」
「…はい」
実際そうもいかないんだよ。
美南さんの言葉に思い知らされたし。
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