君が寝ている間に

欲情

今、俺の目の前には
あの日失った初恋がいる

なんとも憂いのある表情は
あの頃の心残りを思い出させる

手に入れられなかったもの
あの頃、どうしても欲しかったものが
目の前に…

手に入りそうな
そんな予感がした

俺はさくらの頬を撫でるように
彼女の涙を拭く
酔っているからか？
彼女は
うっとりと色っぽい表情で
俺の手を受け入れる

きっと俺は
それに見とれてしまい
だらしのない顔をしていたんだろう

彼女はスイッチが入ったように俺のハートを攻め始める

柔らかい彼女の肌を
離れられないでいる俺の手に猫のようにスリスリとすり寄せてくる

俺は引力のようにグイグイひきつけられ
指で彼女の唇に触れる
彼女は俺の指にキスをしてほほ笑む
俺はその唇にもっと触れてみたくなった

彼女は
俺がそう思っていることを見透かす様に
俺の指を銜え舐める
生温かく柔らかい口の中で彼女の舌が
俺を誘う

”ちゅっちゅ”

と音を立てて
飽きもせずに舐めてくれるから
俺もその気になってきて
さくらの方へグッと近づいた

さくらはニヤリと笑って
俺の腰に手をまわした

「ずっと会いたかった」

甘ったるい口調で
さくらがそう言い終わる前に
俺は彼女の唇にキスをする
喰い付くように
激しく音をたてながら・・・

さくらは俺の膝の上に乗り
上から見る

俺の手はさくらの服の中を弄る
彼女はキスを繰り返しながら
呼吸が荒くなっていった

俺は懲りもせずに
俺の上で欲情している彼女に夢中になる

彼女のカットソーを胸の上までまくり上げ
下着を下にずり下げ
胸の先っぽを口に含んだ時

勢いよく
寝室の戸が開いた

”バシン！！”

と家中が揺れるような音が響いた

俺とさくらは
その音の方へ目を向ける

李奈

そこには
今まで見たことがないくらいに
怒りに震える李奈が立っていた

衣服は乱れ
ほとんど裸のような状況
膝の上に
彼女の同僚を乗せている俺は
言い訳のつかない状況
間抜けすぎるよ…

さくらは
俺の膝からゆっくりおり
李奈に背を向けて
服の乱れをなおす

俺はフリーズし李奈から目が離せない

そうだった
ココは李奈と俺の家
彼女が寝室に眠っていることを忘れていた

忘れてしまうくらいに
俺はさくらにのめり込んでいた