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召喚
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俺は
呼吸を忘れているように静かに
鏡くんの顔を見る
彼はニヤリとして
話し始める
「祐貴・・・文から告白されて
付き合う事になったんだよね
中二のバレンタインデイ
あの日、初めて祐貴は文の事に気が付いた
文はさ
ずっと見ていたんだよ
中一の入学式の日
君を見つけてから
クラスマッチ
体育祭
文化祭
いろんなイベントで楽しそうに仲間とじゃれ合う君を
目で追うごとに好きになって
文の小さな胸は張り裂けそうなほどに
君で一杯になっていった
っで
勇気を出して
告白したんだ」鏡くん
知っている
そんな事は
文からも聞いていたし・・・
「女の子の思いってすごくてさ
思えば思うほど
自分の都合のいい王子様を作っちゃったりするんだよね
文・・・君の事
作りすぎちゃったんだろうね
実際に付き合いだして
物足りなさが日々ふえていって
今さ
祐貴・・・君の事
飽きっちゃってるよ」鏡くん
鏡くんは口元に手で隠すように
笑う
”くくくくっ”
コラえようとしているのか?
変な笑い方は俺の心臓に響く
何だよそれ!!
物足りないって
飽きてるって
俺の事をどんなふうに思っていたんだよ!!
何だろう?
俺、こんなに苦しい
「あれっ?
祐貴、今さ
不公平感持っちゃってる?」鏡くん
鏡くんは俺の顔を覗き込む
「・・・どういう意味?」祐貴
俺は鏡くんを睨みつける
「おおっ祐貴
その顔、格好いいよ!!
何だろう?
哀愁?って言うのかな
背負ってる感が良いよ~」鏡くん
ふざけてる・・・コイツ
「怒るな怒るな!
ふざけてなんかないよ
僕はいつだって
真剣そのものなんだから!!」鏡くん
「っで、どういう意味だよ!!」祐貴
「祐貴にしてみたら
勝手に好きになられて
ま、いっか~
くらいの気持ちで付き合い始めたんだよね
っで、こっちの気持ちが追っついた時に
ポイってされちゃったら
ねぇ」鏡くん
そうだ
あの時、俺
一回、断ったんだ
だって
俺は文の事を知らなかったし
同級生っていっても感覚的には初対面の人だし
そんな感じで
好きだって言われても
実感なかったし
それでも
”好きでいても良いですか?”
なんて
可愛いこと言うから
俺は・・・そんなに言ってくれるなら
試してみる?
みたいな・・・そんな感じで・・・
あんなに思ってくれていたのは
文の妄想の俺であって
本当の俺の事ではなかったってことなのか?
「そうだよ
祐貴、そうなんだよ
文の口からもちゃんと聞いてみる?」鏡くん
そう言うと鏡くんは立ち上がる
ブツブツと呪文のような事を口にする
そして
一歩、右に体を避けて
エスコートするように
左手をくるりと前にやった
すると
その場には
文があらわれた
俺は目を丸くする
鏡くんはにこりと笑って
したり顔をする
呼吸を忘れているように静かに
鏡くんの顔を見る
彼はニヤリとして
話し始める
「祐貴・・・文から告白されて
付き合う事になったんだよね
中二のバレンタインデイ
あの日、初めて祐貴は文の事に気が付いた
文はさ
ずっと見ていたんだよ
中一の入学式の日
君を見つけてから
クラスマッチ
体育祭
文化祭
いろんなイベントで楽しそうに仲間とじゃれ合う君を
目で追うごとに好きになって
文の小さな胸は張り裂けそうなほどに
君で一杯になっていった
っで
勇気を出して
告白したんだ」鏡くん
知っている
そんな事は
文からも聞いていたし・・・
「女の子の思いってすごくてさ
思えば思うほど
自分の都合のいい王子様を作っちゃったりするんだよね
文・・・君の事
作りすぎちゃったんだろうね
実際に付き合いだして
物足りなさが日々ふえていって
今さ
祐貴・・・君の事
飽きっちゃってるよ」鏡くん
鏡くんは口元に手で隠すように
笑う
”くくくくっ”
コラえようとしているのか?
変な笑い方は俺の心臓に響く
何だよそれ!!
物足りないって
飽きてるって
俺の事をどんなふうに思っていたんだよ!!
何だろう?
俺、こんなに苦しい
「あれっ?
祐貴、今さ
不公平感持っちゃってる?」鏡くん
鏡くんは俺の顔を覗き込む
「・・・どういう意味?」祐貴
俺は鏡くんを睨みつける
「おおっ祐貴
その顔、格好いいよ!!
何だろう?
哀愁?って言うのかな
背負ってる感が良いよ~」鏡くん
ふざけてる・・・コイツ
「怒るな怒るな!
ふざけてなんかないよ
僕はいつだって
真剣そのものなんだから!!」鏡くん
「っで、どういう意味だよ!!」祐貴
「祐貴にしてみたら
勝手に好きになられて
ま、いっか~
くらいの気持ちで付き合い始めたんだよね
っで、こっちの気持ちが追っついた時に
ポイってされちゃったら
ねぇ」鏡くん
そうだ
あの時、俺
一回、断ったんだ
だって
俺は文の事を知らなかったし
同級生っていっても感覚的には初対面の人だし
そんな感じで
好きだって言われても
実感なかったし
それでも
”好きでいても良いですか?”
なんて
可愛いこと言うから
俺は・・・そんなに言ってくれるなら
試してみる?
みたいな・・・そんな感じで・・・
あんなに思ってくれていたのは
文の妄想の俺であって
本当の俺の事ではなかったってことなのか?
「そうだよ
祐貴、そうなんだよ
文の口からもちゃんと聞いてみる?」鏡くん
そう言うと鏡くんは立ち上がる
ブツブツと呪文のような事を口にする
そして
一歩、右に体を避けて
エスコートするように
左手をくるりと前にやった
すると
その場には
文があらわれた
俺は目を丸くする
鏡くんはにこりと笑って
したり顔をする
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