5 / 20
腹ペコ魔法使い 父に会う
しおりを挟む
姉さんたちはつたない俺の話を全部うんうんと聞いてくれてたびたび「すごいじゃない。」「よく頑張ったわね。」と褒めてくれた。俺はその姉さん達からの褒め言葉だけでも今回の狩りに行ってよかったと思えたが調子に乗った俺はある願望を抱き始めていた。
(姉さんたちがこんなに褒めてくれた。ちゃんとブルフロッグだって自力で狩れた。もしかしたら母さんが俺を褒めてくれるかもしれない。)
母さんは父さんが俺を見捨てた時からほとんど俺を無視した。それはそのうち幼くして死んでしまう息子に余計な情を抱きたくなかった母さんの罪悪感からくる行動だったかもしれない。でも生き残ってしまった俺にとって母さんに無視されるのはただ悲しいだけだった。
他の兄弟に対して母さんが優しく、愛情あふれる扱いをするのを俺は知ってしまっていたからだ。母さんも父さんも忙しかったけど姉さんや兄さんたちには優しかった。それはちょっとしたことだったけど俺にとってそれは喉から手が出るほど羨ましいことだった。
例えば兄さんたちだったら畑仕事や父さんの仕事を手伝ったときに頭を撫でてもらえる。姉さん達だったら針仕事の時に楽しくおしゃべりしながら将来結婚するときの嫁入り道具の支度をしたりして母さんと仲良くできる。
俺には何もなかった。兄さんたちや姉さんたちに与えられる些細な愛情ですら俺はもらえなかった。どうしてもお腹が減って動けなくなり、うずくまっているとこが多い俺にとって空腹の辛さより、俺だけが母さんたちの中に居ないという、あの腹の底から這い上がってくるどうしようもない悲しみと悔しさが辛かった。
でもこれで俺が自分で食料を手に入れて、他の兄弟たちと同じように動けるようになればもしかしたら母さんも、父さんも俺を見てくれるかもしれない。姉さんたちの手伝いをして兄さんたちと一緒に剣の訓練をしてくれるかもしれない。
生まれたばかりの妹のために果実を取ってきてあげたりすれば母さんはもしかして俺を抱きしめてくれるかもしれない。
俺はそんなことを夢見て夕暮れの道を優しい姉さんたちに挟まれながら帰った。
屋敷に着いたが出迎えは料理長兼家令頭のエイギットだけだった。他の家族たちは忙しいのだろう。こちらに気づいたエイギットがフェルナ姉さんの背負う背負い籠を見て驚いた風にこちらを見た。
「これは…おかえりなさいませエレナ様、フェルナ様、ウォルダー様。それでそちらのブルフロッグは…。」
「ただいまもどりました。エイギット。」
「ただいま。」
「ただいまエイギット。そうよ、ウォルが狩ったのよ!たった一人で!しかも森リンゴのお土産付きでね。」
「それはそれは素晴らしい成果でございますな。」
背負い籠の中を覗き込んだエイギットはニコニコしながら俺を褒めた。エイギットを含む多くの使用人は両親に見捨てられた俺を憐れんでいて姉さんたちの食料集めにもたびたび協力していた俺を生かしてくれた大切な人たちだった。
今日森に狩りに行くと言った時もひどく心配していたがこれができるようにならないと俺は死んでしまうのでどうしようもなく、せめてと領民に声をかけてナイフや荒縄を用意してくれた。
「エイギット。今日は私も料理を作るわ。お母さまたちとは別でウォルの分を。」
「かしこまりました。」
エレナ姉さんに恭しく頭を下げるエイギットは家令頭なんだけどうちの料理長でもある。うちは人材が足りなさ過ぎて屋敷の使用人も様々な仕事を兼務しているものが多い。その中でも家令頭と料理長を兼任している使用人なんて帝国中探したってエイギットだけなんじゃないだろうか。
「エイギット、お母様やお父様は今どこに?」
「ご当主様は書斎にてバルド様と共に書類を処理しております。奥様はミレーネ様の元で刺繍をなさっておいでかと。」
「そう。じゃあエレナ姉さんはこのままキッチンに行くから代わりに私と一緒にお父様達に報告しましょう。」
両親の居場所をエイギットに確認したフェルナ姉さんは俺の頭を撫でてそう言った。父さんたちに報告する。それもそうだ。すっかり忘れていたし、好きにしていいとは言われたけど森は父のものだ。そこから採れたものに対して父さんに報告しないなんてことは出来ない。
父さんに報告しに行くことになってそわそわしている俺の横でエイギットが「それではフェルナ様。そちらの籠のものはお預かりいたしましょう。」と言ってフェルナ姉さんから背負い籠を受けとった。
「ウォル。今日の夕飯は楽しみにしていてね。姉さんが美味しい料理を作るから。」
「私も微力ながらお手伝いさせていただきます。」
笑顔のエレナ姉さんに丁寧なお辞儀をするエイギット。そうだ、森リンゴはエイギット達にも分けなくちゃ。いつもお世話になっている使用人たちにも肉を食べさせてあげたいし俺の取り分は減るけどエイギット達にもブルフロッグの肉も分けよう。
「エレナ姉さん、あの。森リンゴは姉さんたちへのお土産なんだけどエイギット達にも分けてあげて欲しいんだ。後ブルフロッグの肉も。」
「エイギット達に?」
「そんな…この籠の中にあるものはウォルダー様のものです。全てウォルダー様がお食べになってよろしいのですよ。」
驚いて首を振るエイギットに近づいて服の裾を掴む。少し引っ張ればエイギットは俺が話しやすいように膝を折ってかがんでくれた。
「エイギット達はいつもこっそり多めにご飯をくれるでしょう?俺それがすごくうれしかったんだ。だからそのお礼。これからも頑張って狩りをして自分の食べる分は自分で狩ってくるけどエイギット達にはそのたびにお世話になるから。」
まだ何もできない俺にはこれくらいしか返せないから受け取ってほしい。その思いを込めてエイギットの目を見つめるとエイギットは涙ぐんで頷いてくれた。
「分かりました。ウォルダー様のお気遣いは使用人たち全てに伝えましょう。私たちの分はありがたく頂戴しますのでウォルダー様はご夕食に出たお食事は全て召し上がっていただいて構いませんよ。」
「うん。そうする。じゃあまたね、エイギット。」
「はい。それでは失礼いたします。」
深く深くお辞儀をしたエイギットとニコニコ笑顔のエレナ姉さんに見送られ俺とフェルナ姉さんは父さんたちがいる書斎へと向かった。
フェルナ姉さんと手を繋ぎながら書斎までの道を歩く。父さんの書斎に入るのは生まれて初めてかもしれない。仕事をする邪魔だから子供たちは基本的に父さんの書斎には入らないし、俺は父さんに好きにしろと言われてからほとんど会うことが無くなっていた。
もしかしたら父さんと会話らしい会話をするのもこれが初めてかもしれない。
ドキドキしながら父さんの書斎前に立つ。隣ではフェルナ姉さんが優しく微笑んでいた。
「大丈夫よウォル。あなたは頑張ったことを言えばいいの。お父様だってウォルが頑張ったことを責めたりしないわ。」
姉さんはぎゅっと手を握ってそう言ってくれる。でも俺は不安のほうが大きかった。だって俺は父さんたちに一度いらないと判断されてしまった子供だ。そんなのが頑張っても父さんたちは認めてくれないんじゃないだろうか。
そんな俺を気にしつつも姉さんはあっさり扉をノックする。
「お父様、フェルナとウォルダーです。入室してもよろしいですか?」
姉さんのノックと名乗りのちょっとした後、父さんの低い「入りなさい。」という声が扉の向こうから聞こえた。
(姉さんたちがこんなに褒めてくれた。ちゃんとブルフロッグだって自力で狩れた。もしかしたら母さんが俺を褒めてくれるかもしれない。)
母さんは父さんが俺を見捨てた時からほとんど俺を無視した。それはそのうち幼くして死んでしまう息子に余計な情を抱きたくなかった母さんの罪悪感からくる行動だったかもしれない。でも生き残ってしまった俺にとって母さんに無視されるのはただ悲しいだけだった。
他の兄弟に対して母さんが優しく、愛情あふれる扱いをするのを俺は知ってしまっていたからだ。母さんも父さんも忙しかったけど姉さんや兄さんたちには優しかった。それはちょっとしたことだったけど俺にとってそれは喉から手が出るほど羨ましいことだった。
例えば兄さんたちだったら畑仕事や父さんの仕事を手伝ったときに頭を撫でてもらえる。姉さん達だったら針仕事の時に楽しくおしゃべりしながら将来結婚するときの嫁入り道具の支度をしたりして母さんと仲良くできる。
俺には何もなかった。兄さんたちや姉さんたちに与えられる些細な愛情ですら俺はもらえなかった。どうしてもお腹が減って動けなくなり、うずくまっているとこが多い俺にとって空腹の辛さより、俺だけが母さんたちの中に居ないという、あの腹の底から這い上がってくるどうしようもない悲しみと悔しさが辛かった。
でもこれで俺が自分で食料を手に入れて、他の兄弟たちと同じように動けるようになればもしかしたら母さんも、父さんも俺を見てくれるかもしれない。姉さんたちの手伝いをして兄さんたちと一緒に剣の訓練をしてくれるかもしれない。
生まれたばかりの妹のために果実を取ってきてあげたりすれば母さんはもしかして俺を抱きしめてくれるかもしれない。
俺はそんなことを夢見て夕暮れの道を優しい姉さんたちに挟まれながら帰った。
屋敷に着いたが出迎えは料理長兼家令頭のエイギットだけだった。他の家族たちは忙しいのだろう。こちらに気づいたエイギットがフェルナ姉さんの背負う背負い籠を見て驚いた風にこちらを見た。
「これは…おかえりなさいませエレナ様、フェルナ様、ウォルダー様。それでそちらのブルフロッグは…。」
「ただいまもどりました。エイギット。」
「ただいま。」
「ただいまエイギット。そうよ、ウォルが狩ったのよ!たった一人で!しかも森リンゴのお土産付きでね。」
「それはそれは素晴らしい成果でございますな。」
背負い籠の中を覗き込んだエイギットはニコニコしながら俺を褒めた。エイギットを含む多くの使用人は両親に見捨てられた俺を憐れんでいて姉さんたちの食料集めにもたびたび協力していた俺を生かしてくれた大切な人たちだった。
今日森に狩りに行くと言った時もひどく心配していたがこれができるようにならないと俺は死んでしまうのでどうしようもなく、せめてと領民に声をかけてナイフや荒縄を用意してくれた。
「エイギット。今日は私も料理を作るわ。お母さまたちとは別でウォルの分を。」
「かしこまりました。」
エレナ姉さんに恭しく頭を下げるエイギットは家令頭なんだけどうちの料理長でもある。うちは人材が足りなさ過ぎて屋敷の使用人も様々な仕事を兼務しているものが多い。その中でも家令頭と料理長を兼任している使用人なんて帝国中探したってエイギットだけなんじゃないだろうか。
「エイギット、お母様やお父様は今どこに?」
「ご当主様は書斎にてバルド様と共に書類を処理しております。奥様はミレーネ様の元で刺繍をなさっておいでかと。」
「そう。じゃあエレナ姉さんはこのままキッチンに行くから代わりに私と一緒にお父様達に報告しましょう。」
両親の居場所をエイギットに確認したフェルナ姉さんは俺の頭を撫でてそう言った。父さんたちに報告する。それもそうだ。すっかり忘れていたし、好きにしていいとは言われたけど森は父のものだ。そこから採れたものに対して父さんに報告しないなんてことは出来ない。
父さんに報告しに行くことになってそわそわしている俺の横でエイギットが「それではフェルナ様。そちらの籠のものはお預かりいたしましょう。」と言ってフェルナ姉さんから背負い籠を受けとった。
「ウォル。今日の夕飯は楽しみにしていてね。姉さんが美味しい料理を作るから。」
「私も微力ながらお手伝いさせていただきます。」
笑顔のエレナ姉さんに丁寧なお辞儀をするエイギット。そうだ、森リンゴはエイギット達にも分けなくちゃ。いつもお世話になっている使用人たちにも肉を食べさせてあげたいし俺の取り分は減るけどエイギット達にもブルフロッグの肉も分けよう。
「エレナ姉さん、あの。森リンゴは姉さんたちへのお土産なんだけどエイギット達にも分けてあげて欲しいんだ。後ブルフロッグの肉も。」
「エイギット達に?」
「そんな…この籠の中にあるものはウォルダー様のものです。全てウォルダー様がお食べになってよろしいのですよ。」
驚いて首を振るエイギットに近づいて服の裾を掴む。少し引っ張ればエイギットは俺が話しやすいように膝を折ってかがんでくれた。
「エイギット達はいつもこっそり多めにご飯をくれるでしょう?俺それがすごくうれしかったんだ。だからそのお礼。これからも頑張って狩りをして自分の食べる分は自分で狩ってくるけどエイギット達にはそのたびにお世話になるから。」
まだ何もできない俺にはこれくらいしか返せないから受け取ってほしい。その思いを込めてエイギットの目を見つめるとエイギットは涙ぐんで頷いてくれた。
「分かりました。ウォルダー様のお気遣いは使用人たち全てに伝えましょう。私たちの分はありがたく頂戴しますのでウォルダー様はご夕食に出たお食事は全て召し上がっていただいて構いませんよ。」
「うん。そうする。じゃあまたね、エイギット。」
「はい。それでは失礼いたします。」
深く深くお辞儀をしたエイギットとニコニコ笑顔のエレナ姉さんに見送られ俺とフェルナ姉さんは父さんたちがいる書斎へと向かった。
フェルナ姉さんと手を繋ぎながら書斎までの道を歩く。父さんの書斎に入るのは生まれて初めてかもしれない。仕事をする邪魔だから子供たちは基本的に父さんの書斎には入らないし、俺は父さんに好きにしろと言われてからほとんど会うことが無くなっていた。
もしかしたら父さんと会話らしい会話をするのもこれが初めてかもしれない。
ドキドキしながら父さんの書斎前に立つ。隣ではフェルナ姉さんが優しく微笑んでいた。
「大丈夫よウォル。あなたは頑張ったことを言えばいいの。お父様だってウォルが頑張ったことを責めたりしないわ。」
姉さんはぎゅっと手を握ってそう言ってくれる。でも俺は不安のほうが大きかった。だって俺は父さんたちに一度いらないと判断されてしまった子供だ。そんなのが頑張っても父さんたちは認めてくれないんじゃないだろうか。
そんな俺を気にしつつも姉さんはあっさり扉をノックする。
「お父様、フェルナとウォルダーです。入室してもよろしいですか?」
姉さんのノックと名乗りのちょっとした後、父さんの低い「入りなさい。」という声が扉の向こうから聞こえた。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
愛想を尽かした女と尽かされた男
火野村志紀
恋愛
※全16話となります。
「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる