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番外編1
時計台で
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ボーンボーン、と時計台の鐘の音が鳴り響くのを聞いて、そろそろメインイベントが開催される頃だろうと、アンリ王子は思いながら手に持っていた本から視線を上げて、壁にかけてある時計を見やる。
(もう少ししたら出かけるか)
アンリ王子は夜に城内を散歩するのが好きだった。日中だと人の出入りが激しいためだった。二夜連続で行われている、ルイ王子の誕生日を祝う舞踏会。今頃誰もがルイ王子とダンスを踊りたいが故に、大広間に集まっている。男性は男性で舞踏会は社交の場、これを機に政界の話で盛り上がっていることだろう。そのためメインの時間となる23時以降ならばちょうど都合よく外の散歩に出れるというわけだ。
暗がりの道でもよく知る敷地内であれば、アンリ王子に明かりは必要ない。そんな中、いつものように散歩に繰り出そうとした時、リュセットと出会ったのだ。そして今夜は——。
(あれはさっき、リュセットが言っていた姉の……?)
足をピタリと止め、そのままアンリ王子はマーガレットが時計台の階段を降りてくるのを見守った。その手元には月光のわずかな光でも優雅に輝くガラスの靴を抱えている。
アンリ王子にはそのガラスの靴には見覚えがあった。リュセットがお辞儀をする際に一度足元が少し見えたのだ。その時にあの輝くガラスの靴が目に入った。ガラスの靴など今まで見たことも聞いたこともない。だからこそその少し見えた程度のそれですら記憶していた。
(確かマーガレットとか呼んでいたか? どうして彼女はあの靴を……?)
アンリ王子は首を捻りつつも、マーガレットが降りてきたあの時計台を見上げた。そこには星の瞬きのようにキラリと光る何かが目に飛び込んできた。
(あれは、なんだ?)
マーガレットはすでにどこかへ行ってしまったようだ。遅ればせながら大広間へ向かったのかもしれない。そんな風に思いながらも、マーガレットが降りてきたあの時計台の階段へと足を伸ばした。階段を一段一段上りながら、視線はあの輝く光の元へ。アンリ王子はなぜだか輝くそれから目を離せないでいた。
階段をほとんど上がったところで、アンリ王子はその瞬きの原因がなんなのかを知った。
「ガラスの靴……?」
それを拾ってまじまじと見つめたあと、再び階段の下を見やる。そこにはもうマーガレットの姿は見えないというのに。まるでさっきここから去っていくマーガレットの残像を思い出すかのように。
(けれどなぜ、片側だけなんだろう?)
疑問に思いながらも、アンリ王子はそれを部屋まで持ち帰った。
*
「昨夜もあのご令嬢とダンスを踊られたそうですね」
「……そんな無駄話をしにわざわざ昼間のトレーニングを抜けてきたのか?」
ちょうどアンリ王子が部屋を出てすぐの頃、そんな話をしている騎士団長のカインとルイ王子を見かけた。
「いえ、もちろん仕事です。舞踏会の後はいつも仕事が山積みなのですよ」
そう言ってカインはルイ王子に書類の束をひらひらと見せている。城の警備について、修理、工事、etc……そんな案件だろうと容易に想像がつく。ルイ王子はそれを受け取る様子もなく、身を翻した。
「書類なら俺の机に置いておけ。ここで渡されたところでサインなどできるか」
カインは頭を下げた。そして再び顔を上げたと同時にこんな言葉をこぼした。
「……ところで、マーガレット様とは何かあったのでしょうか? 昨夜はルイ王子のことを一切聞いてくることもなく、挙句ウィリアム公爵とダンスを踊っていらっしゃったようですが……?」
「カイン、無駄口を叩いているほど暇があるようだ。どうやら仕事が足りないようだな。俺が明日までに終わらせるように言っておいた案件、今日中に仕上げてみせろ」
「……!」
すでにお昼も過ぎてもうすぐ夕刻だというのに、明日の仕事を今日中に終わらせるのはかなり無理がある。流石のカインも固まって、ルイ王子の言ったことを噛み砕いているようだ。
「それは、さすがに……」
「今こうして無駄口を叩けているのだ。無理なわけがないだろう」
ルイ王子はそれ以上何も言わず、カインをその場に置いて足早に去っていく。ルイ王子があれだけ入れ込んでいたマーガレット。しかし昨夜もダンスは踊っていなかった。
カインはルイ王子の警護をしていたが、それはメインダンスの時間になった時のみ。それまでは城の警護と騎士や兵士の様子を確認するので手一杯だった。ルイ王子が入れ込んでいるご令嬢との行く末を案じていたカインは、昨日と同じように二人のことを聞いたまでだ。だがそれが、ルイ王子の怒りに触れ、そしてそれに気付いた時には手遅れだった。
「カイン、その書類は僕が兄上の部屋まで運ぼう」
その声にハッとし、カインは背後に立つ人物に視線を向けた。
「アンリ王子」
カインはすかさず頭を下げた。そんな様子には気にもとめることなく、アンリはカインの手から書類を奪う。
「それは、私がルイ王子の部屋まで運びます」
「大丈夫、気にしすることはないよ。カインは忙しいみたいだからね」
カインが書類を取り返そうとしたが、それをひらりと身を翻して避けた。
「代わりに少しさっきの話が聞きたいんだけど……さっき言ってたマーガレットって、兄上と何かあるのかな?」
しっかりとその名前を聞いていたアンリ王子。リュセットの姉の名もマーガレットだった。昨夜リュセットがマーガレットを見つけ駆け出した後、マーガレットに泣いていたのかと問いかけていたのを聞いていた。
マーガレットという名は珍しいわけではないが、別々の人物だとしても確認しておいてもいい案件だとアンリ王子は思っていた。ルイ王子が令嬢の話など一切しない堅物なのは誰もがよく知ること。そんなルイ王子が明らかにマーガレットの名前を聞いて機嫌を損ねたのだ。色恋沙汰には無縁とも言えるルイ王子にしては珍しい反応だった。
「ああ、いえ、それは……」
カインはなんとなく言葉を濁す。付き合いが長いカインだからこそ知っている一面というものもある。だからこそカインは安易にルイ王子の恋路の話をしたくはなかった。
けれどそんな感情から一瞬気まずそうに眉根を寄せたカインの表情を、アンリ王子は見逃さなかった。アンリ王子はカインから奪った書類をパラパラと見やりながら、再び口を開いた。
「なるほど。城の外壁の修繕工事か。確かに一部損傷が出ていたようだね」
「は、はぁ」
なぜ突然書類を確認などするのか。普段公務には一切口を出さないアンリ王子なのに。そんな風に思い、カインは生返事を戻した。
「大臣のサインはもうもらっているんだ。じゃあ後は王か、公務を任されているルイ王子のサインが入れば済むな」
「ええ」
「でも王は政務に就かれている。ルイ王子に頼むのがベストだな」
「……そうなんです」
アンリ王子はなぜこんなことを聞くのか。カインは疑問に思いながらも、アンリ王子の様子に嫌な予感を感じていた。それはルイ王子が悪ふざけでカインに無理難題をふっかける時の様子によく似ているからだ。
アンリ王子は端正な口元をゆっくりと弓なりにしならせた後、その口がこんな言葉を吐き出した。
「……この書類、僕が破いてしまえばまた一から書類作成しなければならなくなるな」
カインは瞳をこれでもかと開き、再び固まった。
「アンリ王子、ご冗談はおやめください」
「知ってるかい? 僕はいつも城で引きこもってるから、時々暇で暇で……無性に誰かに嫌がらせなんてしたくなるんだ」
カインは一度開いた口を、再びキュッと真一文字に閉じた。カインは焦っていた。ルイ王子の機嫌を損ね、それでなくとも仕事が多い時にさらに仕事の納期を早めるようにと言われてしまい。その上アンリ王子の嫌がらせを受けているのだから……。
「でっ、マーガレットっていう令嬢は兄上のなんなのかな?」
アンリ王子は書類をパンと空いた方の手に叩きつけながら、天使のような微笑みでそう聞いた。カインからすればその笑みは悪魔の笑みのようだと思いながらも、渋々と口を開いた——。
(もう少ししたら出かけるか)
アンリ王子は夜に城内を散歩するのが好きだった。日中だと人の出入りが激しいためだった。二夜連続で行われている、ルイ王子の誕生日を祝う舞踏会。今頃誰もがルイ王子とダンスを踊りたいが故に、大広間に集まっている。男性は男性で舞踏会は社交の場、これを機に政界の話で盛り上がっていることだろう。そのためメインの時間となる23時以降ならばちょうど都合よく外の散歩に出れるというわけだ。
暗がりの道でもよく知る敷地内であれば、アンリ王子に明かりは必要ない。そんな中、いつものように散歩に繰り出そうとした時、リュセットと出会ったのだ。そして今夜は——。
(あれはさっき、リュセットが言っていた姉の……?)
足をピタリと止め、そのままアンリ王子はマーガレットが時計台の階段を降りてくるのを見守った。その手元には月光のわずかな光でも優雅に輝くガラスの靴を抱えている。
アンリ王子にはそのガラスの靴には見覚えがあった。リュセットがお辞儀をする際に一度足元が少し見えたのだ。その時にあの輝くガラスの靴が目に入った。ガラスの靴など今まで見たことも聞いたこともない。だからこそその少し見えた程度のそれですら記憶していた。
(確かマーガレットとか呼んでいたか? どうして彼女はあの靴を……?)
アンリ王子は首を捻りつつも、マーガレットが降りてきたあの時計台を見上げた。そこには星の瞬きのようにキラリと光る何かが目に飛び込んできた。
(あれは、なんだ?)
マーガレットはすでにどこかへ行ってしまったようだ。遅ればせながら大広間へ向かったのかもしれない。そんな風に思いながらも、マーガレットが降りてきたあの時計台の階段へと足を伸ばした。階段を一段一段上りながら、視線はあの輝く光の元へ。アンリ王子はなぜだか輝くそれから目を離せないでいた。
階段をほとんど上がったところで、アンリ王子はその瞬きの原因がなんなのかを知った。
「ガラスの靴……?」
それを拾ってまじまじと見つめたあと、再び階段の下を見やる。そこにはもうマーガレットの姿は見えないというのに。まるでさっきここから去っていくマーガレットの残像を思い出すかのように。
(けれどなぜ、片側だけなんだろう?)
疑問に思いながらも、アンリ王子はそれを部屋まで持ち帰った。
*
「昨夜もあのご令嬢とダンスを踊られたそうですね」
「……そんな無駄話をしにわざわざ昼間のトレーニングを抜けてきたのか?」
ちょうどアンリ王子が部屋を出てすぐの頃、そんな話をしている騎士団長のカインとルイ王子を見かけた。
「いえ、もちろん仕事です。舞踏会の後はいつも仕事が山積みなのですよ」
そう言ってカインはルイ王子に書類の束をひらひらと見せている。城の警備について、修理、工事、etc……そんな案件だろうと容易に想像がつく。ルイ王子はそれを受け取る様子もなく、身を翻した。
「書類なら俺の机に置いておけ。ここで渡されたところでサインなどできるか」
カインは頭を下げた。そして再び顔を上げたと同時にこんな言葉をこぼした。
「……ところで、マーガレット様とは何かあったのでしょうか? 昨夜はルイ王子のことを一切聞いてくることもなく、挙句ウィリアム公爵とダンスを踊っていらっしゃったようですが……?」
「カイン、無駄口を叩いているほど暇があるようだ。どうやら仕事が足りないようだな。俺が明日までに終わらせるように言っておいた案件、今日中に仕上げてみせろ」
「……!」
すでにお昼も過ぎてもうすぐ夕刻だというのに、明日の仕事を今日中に終わらせるのはかなり無理がある。流石のカインも固まって、ルイ王子の言ったことを噛み砕いているようだ。
「それは、さすがに……」
「今こうして無駄口を叩けているのだ。無理なわけがないだろう」
ルイ王子はそれ以上何も言わず、カインをその場に置いて足早に去っていく。ルイ王子があれだけ入れ込んでいたマーガレット。しかし昨夜もダンスは踊っていなかった。
カインはルイ王子の警護をしていたが、それはメインダンスの時間になった時のみ。それまでは城の警護と騎士や兵士の様子を確認するので手一杯だった。ルイ王子が入れ込んでいるご令嬢との行く末を案じていたカインは、昨日と同じように二人のことを聞いたまでだ。だがそれが、ルイ王子の怒りに触れ、そしてそれに気付いた時には手遅れだった。
「カイン、その書類は僕が兄上の部屋まで運ぼう」
その声にハッとし、カインは背後に立つ人物に視線を向けた。
「アンリ王子」
カインはすかさず頭を下げた。そんな様子には気にもとめることなく、アンリはカインの手から書類を奪う。
「それは、私がルイ王子の部屋まで運びます」
「大丈夫、気にしすることはないよ。カインは忙しいみたいだからね」
カインが書類を取り返そうとしたが、それをひらりと身を翻して避けた。
「代わりに少しさっきの話が聞きたいんだけど……さっき言ってたマーガレットって、兄上と何かあるのかな?」
しっかりとその名前を聞いていたアンリ王子。リュセットの姉の名もマーガレットだった。昨夜リュセットがマーガレットを見つけ駆け出した後、マーガレットに泣いていたのかと問いかけていたのを聞いていた。
マーガレットという名は珍しいわけではないが、別々の人物だとしても確認しておいてもいい案件だとアンリ王子は思っていた。ルイ王子が令嬢の話など一切しない堅物なのは誰もがよく知ること。そんなルイ王子が明らかにマーガレットの名前を聞いて機嫌を損ねたのだ。色恋沙汰には無縁とも言えるルイ王子にしては珍しい反応だった。
「ああ、いえ、それは……」
カインはなんとなく言葉を濁す。付き合いが長いカインだからこそ知っている一面というものもある。だからこそカインは安易にルイ王子の恋路の話をしたくはなかった。
けれどそんな感情から一瞬気まずそうに眉根を寄せたカインの表情を、アンリ王子は見逃さなかった。アンリ王子はカインから奪った書類をパラパラと見やりながら、再び口を開いた。
「なるほど。城の外壁の修繕工事か。確かに一部損傷が出ていたようだね」
「は、はぁ」
なぜ突然書類を確認などするのか。普段公務には一切口を出さないアンリ王子なのに。そんな風に思い、カインは生返事を戻した。
「大臣のサインはもうもらっているんだ。じゃあ後は王か、公務を任されているルイ王子のサインが入れば済むな」
「ええ」
「でも王は政務に就かれている。ルイ王子に頼むのがベストだな」
「……そうなんです」
アンリ王子はなぜこんなことを聞くのか。カインは疑問に思いながらも、アンリ王子の様子に嫌な予感を感じていた。それはルイ王子が悪ふざけでカインに無理難題をふっかける時の様子によく似ているからだ。
アンリ王子は端正な口元をゆっくりと弓なりにしならせた後、その口がこんな言葉を吐き出した。
「……この書類、僕が破いてしまえばまた一から書類作成しなければならなくなるな」
カインは瞳をこれでもかと開き、再び固まった。
「アンリ王子、ご冗談はおやめください」
「知ってるかい? 僕はいつも城で引きこもってるから、時々暇で暇で……無性に誰かに嫌がらせなんてしたくなるんだ」
カインは一度開いた口を、再びキュッと真一文字に閉じた。カインは焦っていた。ルイ王子の機嫌を損ね、それでなくとも仕事が多い時にさらに仕事の納期を早めるようにと言われてしまい。その上アンリ王子の嫌がらせを受けているのだから……。
「でっ、マーガレットっていう令嬢は兄上のなんなのかな?」
アンリ王子は書類をパンと空いた方の手に叩きつけながら、天使のような微笑みでそう聞いた。カインからすればその笑みは悪魔の笑みのようだと思いながらも、渋々と口を開いた——。
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