ある日突然異世界へ(本編完結.番外編展開中)

ミント

文字の大きさ
上 下
20 / 38

トーナメント戦開始

しおりを挟む
開始の合図と共に緑の子が赤の子に向かって走りながら剣を振り上げる。それを赤い子は自分の剣で受け流す。
金属と金属がぶつかる高い音が響く。
そしてすぐにまた今度は赤い子が仕掛ける。
それを緑の子がしっかり受け止める。

手に汗握るってこういう事ね。
剣道だと竹刀だけど、ここは真剣での戦いだから、一歩間違えたら命に関わるわね。
何度目かの金属のぶつかる音の後、赤い子がヒラリと身を翻し、緑の子の首に剣を突き付けたところで勝負がついた。

「参りました。」

緑の子が一言。
周りからは歓声が上がる。

私は怪我が無くてホッとしてしまいました。
「次はアルフレッド様の試合ですね!」
マリーが言う。
「そうね。緊張してきちゃったわ。」


しばらくして、アルが出てくる。
対戦相手は…かなりガタイの良い人だわ。

それにしても…アルはいつもと雰囲気がちがう?

騎士の礼がすみ、剣が上に上げられたところで第2試合開始!
「はじめ!」

2人とも構えの姿勢から一気に剣を交える。
緑の人は体格が良いから剣もまともに受けるとかなりの威力があると思われる。
しかしアルは上手に力を無効化する。
先ほどの試合と比べてアルは動きが流れる様なイメージだわ。まるで剣舞を見ている様。
アルの剣先が相手の服を斬るが致命傷とはならない。
相手も、なかなかの剣豪の様だ。
アルも紙一重のところでヒラリと交わす。
しかし勝負は一瞬だった。
アルが剣を払う仕草の後に相手の剣が宙を舞う。

一気に周りからは歓声が上がる。

「アルフレッド様素敵でしたね!」
サリーが呟く。
私はひたすら見惚れてしまっていた。
「舞を踊るような、あんな剣さばきがあるのね。」
初めてみたアルの試合はとても美しかった。

そして第3試合。
エドワード様の試合はしばらく相手の方としばらく距離を置いての睨み合いが続きました。

見ている観客もピリピリとエドワード様の殺気を感じるようでした。
きっと相手の方は相当なプレッシャーだったと思われます。
普段軽口をたたくエドワード様と同一人物とは思えません!

相手の方が突っ込んで来ました!
エドワード様は、軌道を読んでいたようで華麗に避けて相手の方に剣を突き付け試合終了。
大歓声が沸き起こりました。

すでにAブロックは第1部隊が3勝した為勝ち上がる事になったそうです。

もしかして、第1部隊って物凄く強い?

とりあえず怪我が無くて一安心。

「ユーリ様、とてもすごい試合でしたね!」
しばらくして、マリーが感嘆の声をあげる。
ずっと感激していた様だ。

そうしてテントからアルとエドワード様がこちらに向かって来るのが見えた。

観客席からは歓声が聞こえる。
アルは脇目も振らずに一直線に私のところに、エドワード様はニコニコしながら観客に手を振りながらいらっしゃった。
目立つ2人だわ。

「ユーリ、観てた?」
「はい!とても素敵な剣さばきでした!見惚れてしまいました。」
率直な感想を述べる。
「そう。良かった。ユーリの前で負けられないからね。…それはさておき、ユーリ、ちょっと一緒に来てくれ。」
アルとエドワード様が頷く。
これはきっと重大な話ね。
「はい。」
そう言って一緒に付いていく。
マリー達も一緒だ。

しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 だが夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

悪役令嬢カテリーナでございます。

くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ…… 気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。 どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。 40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。 ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。 40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

新米公爵令嬢の日常

国湖奈津
恋愛
ぴえんと泣かない女、エレノア・クープマン公爵令嬢。 それが私だ。 手広く商売をする庶民の家に生まれたけれど、母の実家である公爵家の養女になった。 公爵令嬢になった今も頼まれれば実家の手伝いをしている。 今回は探偵業を手伝うことになった。 依頼内容は婚約者の素顔が見たいというもの。 暴言に耐えて依頼を遂行する私だけれど…。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。

松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。 そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。 しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

愛し子は自由のために、愛され妹の嘘を放置する

紅子
恋愛
あなたは私の連理の枝。今世こそは比翼の鳥となりましょう。 私は、女神様のお願いで、愛し子として転生した。でも、そのことを誰にも告げる気はない。可愛らしくも美しい双子の妹の影で、いない子と扱われても特別な何かにはならない。私を愛してくれる人とこの世界でささやかな幸せを築ければそれで満足だ。 その希望を打ち砕くことが起こるとき、私は全力でそれに抗うだろう。 完結済み。毎日00:00に更新予定です。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

五歳の時から、側にいた

田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。 それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。 グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。 前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

お父様、ざまあの時間です

佐崎咲
恋愛
義母と義姉に虐げられてきた私、ユミリア=ミストーク。 父は義母と義姉の所業を知っていながら放置。 ねえ。どう考えても不貞を働いたお父様が一番悪くない? 義母と義姉は置いといて、とにかくお父様、おまえだ! 私が幼い頃からあたためてきた『ざまあ』、今こそ発動してやんよ! ※無断転載・複写はお断りいたします。

処理中です...