56 / 73
3章 ― 急追するモノ
第55話-貿易都市シンドリ
しおりを挟む
ヴェリール大陸の北部、海岸沿いに作られたこの「シンドリ」は巨大な港を有する貿易都市である。
暖かい季節であれば、それなりに観光客の姿も見えて賑わっているのだが、あいにく季節は冬。それも一年で一番寒く、雪が降る季節になっているために、船でやってきた他国の商人や、外国の品を買い付けに来る商隊の姿のほうが多く見受けられる。
一年で一番寒い季節にも関わらずこの街が賑わっている理由。
それはこの街がエトーナ火山の麓に位置しているというのが一番大きいだろう。
空は深い雲に覆われ、雪が舞っているが地面には殆ど積もっていない。
エトーナ火山のマグマの影響でこの地域は他に比べて地表が温かいのだ。夏は逆に暑すぎて海水浴でもやらなければやってられないぐらいの気温になる。
「はー……この街もおっきいなー……船もいっぱい」
街全体は王都と同じようにルネッサンス風の石造の大きな建物が所々に建っているのが見える。街の半分が山の斜面にあり大きな階段や坂が町の外からも見える。
街の中心部には一等豪華な大聖堂の様な建物が建っている。
「あんな綺麗な建物を縦真っ二つにした奴が居るらしいよ」
『今度は横真っ二つにしやすか』
「理由もないのにそんなことしたら完全にテロリストだよ私」
港から放射状に伸びた大きな通りのうち、山側に向かう道は途中から登り坂や階段になっている。南に向かう通りはそのまま王都へ向かう街道に繋がっている。北に伸びる大通りは貴族街に向かっている様だった。
ヨルはいつも通り街の入り口で衛兵に身分証を出す。
「今度は絡まれないといいけど」
ヨルの心配を他所に、元漁師だという衛兵のおっちゃんが気さくに話しかけてきてくれる。お勧めの市場や観光スポット、近づくと危ない地域なども教えてくれた。
「まぁ傭兵ってぇことは、それなりに腕っ節は立つんだろ? でも嬢ちゃん一人ではあまり近寄らないほうがいいぜ」
「あと、宿なら海猫亭っていうところがお勧めだ。なんと言っても風呂がでかい! 冷えた身体を温めるにはもってこいだ」
ヨルは、親し気に情報を教えてくれる衛兵へ丁寧に礼を言う。
「いいって事よ! それにこの街は猫が守り神様だからよ、つい気になってな!」
「猫?」
シンドリは昔は漁業で栄えた街で、水揚げされた魚を目当てに猫が多かったらしい。そのためネズミなどが少なく、感染病なども蔓延したことが無いそうで、いつの頃からか猫を崇める様になったとのことだ。
(猫ね……)
「物盗とかは大丈夫だとは思うが、ちっこいんだから人攫いには気をつけな!」
ヨルは街に入って、教えてもらった宿屋を探しながらキョロキョロあたりを見回す。たしかに路地裏や軒下、屋根の上にも可愛い猫の姿が見える。
(たしかに猫が多い……身綺麗だけど飼い猫なのかな)
道端には露店が多く立ち並び、海産物や農作物以外にも工芸品などが多く売られている。
ヨルに気づいた露店の人たちが気前よく「味見していきな!」と次々と試食を差し出してくる。
『アネさん何か気になることでも?』
「んー大したことじゃないわよ。猫が多いってなんでだろうなーって思って」
ヨルは頂いた干し肉や魚の干物を頬張りながらさっきから気になっていることを口にする。
『衛兵が言ってた理由以外にですかい?』
「そ。殆どはあのおっちゃんが言ってたのが理由なんだろうけどね。でも昔、誰かさんが住んでた森の近くにあった街には蛇が大量に住み着いてたって聞いたことがあったから」
『そりゃ、テュポーンの嫁の蛇女ですかい?』
「そうそう」
『へぇ、そんな事があるんですかい……てぇことはこの街にも何かが居る可能性があるってぇ事ですね』
「知り合いだと、バステト……は、もっと砂地だし、妖精猫かなぁ、住んでたのはこの辺りじゃ無かった気がするんだけど可能性としてはそれかなー」
『そいつは信用できるやつで?』
「うーん、妖精猫なら昔助けてあげたことがあるから大丈夫だと思うんだけど、他の奴らならわかんないかなー」
そんなことを話しながら石畳の通りを歩いていく。山側の街並みを見上げると、大聖堂がよく見えた。
十分ほど歩き、先に市場が見えた頃、右手の建物の看板に目的の文字を見つけた。
「あった、ここだ」
――――――――――――――――――――
「いらっしゃい、海猫亭にようこそ。泊まりかね?」
「はい、とりあえず二泊お願いします」
「おう……って、あんた、もしかして猫のセリアンスロープかっ!?」
「そう……ですけど?」
「おおっっ! こいつは有難い! 最高の部屋を用意するから是非くつろいで行ってくれ!」
「何かあったんですか?」
「あんただよ! この街は猫が神様なんだ、それであんたは初めて見たが、猫のセリアンスロープだろ? これはもうおもてなしするしかないってことよ!」
つまりはそう言うことらしい。
猫を祀る人が多いこの街で、猫のセリアンスロープのヨルは守神の使いの様に思えるらしい。
猫のセリアンスロープはこの街どころか、他の街でも見かけることがないため、余計にそう思われているのだった。
(そうか、やたらと露店の人が食べ物勧めてくるのもそれが理由だったのかな)
――――――――――――――――――――
「この部屋を使ってくれ。延長するときは声をかけてくれれば問題ないから」
三階建の三階角部屋という部屋に案内されたヨルは、折角だし寛がせてもらおうとリュックを置きブーツを脱いで足を拭く。
床には絨毯が敷かれていたので、そのまま裸足で部屋を横断して、窓のカーテンを開いた。
窓からは港が一望でき、帆船や漁船が多く停泊しているのが見える。
下にある大通りから港まで道を目で追っていくと、途中にいくつもの市場が見え、多くの人が買い物をしているのが見えた。
「いい眺めだねー」
明るくなった部屋を見回すと、二人は寝れそうな大きなベッドにサイドチェスト。
小さな暖炉もあり、隣には薪が積まれている。
暖炉前には二人がけのソファーとテーブル。
ソファーの隣にある棚には何冊かの本も入っていた。
「このまましばらくゴロゴロしたくなる部屋だ」
流石に部屋にお風呂は無かったが、一階にある共同風呂を使えるとことで、ヨルは着替えを巾着から取り出して麻袋に入れて混む前に行こうと、風呂に向かった。
――――――――――――――――――――
山が近く水が豊富なのか、風呂は数十人が一度に入れるぐらいの大きさだった。
「ふぁー……なんて贅沢」
ヨルの記憶では、宿にあるお風呂で、こんなに大きなサイズは初めて見た。
大衆浴場と同じような広さである。
湯船は檜の様な木材で作られており良い香りが満ちている。
お湯も並々の張られており、ほかに入浴中の人の姿はない。
ヨルは頭と体をよく洗ってから、脱衣所の扉をそっと開け、顔を出して誰もいないことを確認する。
ザバーンといい音を立てて湯船からお湯が溢れ出す。
「はぁぁ~……行儀悪いと思ってもついつい飛び込みたくなるじゃないこんな立派なお風呂」
ヨルは湯船で仰向けにぷかぷかと浮かび目を閉じる。
(明日は教会へ行って、色々話を聞いてからどうするか決めよう)
ヨルは貸切状態の風呂をのぼせる寸前まで満喫をした後、脱いだ服を女将さんに渡して洗濯をお願いしてから、部屋に戻るなりベッドにダイブする。
そのまま心地よい柔らかさのベッドでゴロゴロと転がり、一通りふかふかを満喫してから丸くなった。
陽が傾いてきた頃、自分のお腹の音で目を覚ましたヨルは、風呂上りということもあり、宿屋の食堂で夕食を頂くことにした。
「おう、うちの自慢の風呂はどうだった!?」
「とても気持ち良かったです、のぼせそうになりました」
食堂に入るなり声をかけてきた亭主におすすめのメニューを尋ねると、『海猫亭名物 魚の煮付け定食』とのことだったので、少し少ない目で注文した。
ヨルは少食では無いのだが、寝る前にお腹いっぱい食べると寝つきが悪くなることが多いので夕ご飯は少なくしている。
「おまたせ!」
どかっと出された大皿に金目鯛の様な魚が横たわっている。
出汁と魚醤、それに生姜の様な香りがヨルの鼻腔をくすぐった。
付け合わせにはパンとスープ。不思議な組み合わせだっがヨルはもう諦めている。
「いただきます」
ヨルは手を合わせから煮魚にフォークを伸ばす。
(お箸のほうが食べやすそうだな)
フォークで身をほぐし、口に運ぶ。
(美味しい……)
ヨルは肉料理が好みだが、王都で海魚を食べてから魚料理も好きになっていた。
少し濃い目の味付けがヨルの好みにバッチリだった。
――――――――――――――――――――
すっかりお腹いっぱいになるまで夕食を満喫してしまったヨルは、部屋に戻るなりベッドに潜り込んだのだった。
暖かい季節であれば、それなりに観光客の姿も見えて賑わっているのだが、あいにく季節は冬。それも一年で一番寒く、雪が降る季節になっているために、船でやってきた他国の商人や、外国の品を買い付けに来る商隊の姿のほうが多く見受けられる。
一年で一番寒い季節にも関わらずこの街が賑わっている理由。
それはこの街がエトーナ火山の麓に位置しているというのが一番大きいだろう。
空は深い雲に覆われ、雪が舞っているが地面には殆ど積もっていない。
エトーナ火山のマグマの影響でこの地域は他に比べて地表が温かいのだ。夏は逆に暑すぎて海水浴でもやらなければやってられないぐらいの気温になる。
「はー……この街もおっきいなー……船もいっぱい」
街全体は王都と同じようにルネッサンス風の石造の大きな建物が所々に建っているのが見える。街の半分が山の斜面にあり大きな階段や坂が町の外からも見える。
街の中心部には一等豪華な大聖堂の様な建物が建っている。
「あんな綺麗な建物を縦真っ二つにした奴が居るらしいよ」
『今度は横真っ二つにしやすか』
「理由もないのにそんなことしたら完全にテロリストだよ私」
港から放射状に伸びた大きな通りのうち、山側に向かう道は途中から登り坂や階段になっている。南に向かう通りはそのまま王都へ向かう街道に繋がっている。北に伸びる大通りは貴族街に向かっている様だった。
ヨルはいつも通り街の入り口で衛兵に身分証を出す。
「今度は絡まれないといいけど」
ヨルの心配を他所に、元漁師だという衛兵のおっちゃんが気さくに話しかけてきてくれる。お勧めの市場や観光スポット、近づくと危ない地域なども教えてくれた。
「まぁ傭兵ってぇことは、それなりに腕っ節は立つんだろ? でも嬢ちゃん一人ではあまり近寄らないほうがいいぜ」
「あと、宿なら海猫亭っていうところがお勧めだ。なんと言っても風呂がでかい! 冷えた身体を温めるにはもってこいだ」
ヨルは、親し気に情報を教えてくれる衛兵へ丁寧に礼を言う。
「いいって事よ! それにこの街は猫が守り神様だからよ、つい気になってな!」
「猫?」
シンドリは昔は漁業で栄えた街で、水揚げされた魚を目当てに猫が多かったらしい。そのためネズミなどが少なく、感染病なども蔓延したことが無いそうで、いつの頃からか猫を崇める様になったとのことだ。
(猫ね……)
「物盗とかは大丈夫だとは思うが、ちっこいんだから人攫いには気をつけな!」
ヨルは街に入って、教えてもらった宿屋を探しながらキョロキョロあたりを見回す。たしかに路地裏や軒下、屋根の上にも可愛い猫の姿が見える。
(たしかに猫が多い……身綺麗だけど飼い猫なのかな)
道端には露店が多く立ち並び、海産物や農作物以外にも工芸品などが多く売られている。
ヨルに気づいた露店の人たちが気前よく「味見していきな!」と次々と試食を差し出してくる。
『アネさん何か気になることでも?』
「んー大したことじゃないわよ。猫が多いってなんでだろうなーって思って」
ヨルは頂いた干し肉や魚の干物を頬張りながらさっきから気になっていることを口にする。
『衛兵が言ってた理由以外にですかい?』
「そ。殆どはあのおっちゃんが言ってたのが理由なんだろうけどね。でも昔、誰かさんが住んでた森の近くにあった街には蛇が大量に住み着いてたって聞いたことがあったから」
『そりゃ、テュポーンの嫁の蛇女ですかい?』
「そうそう」
『へぇ、そんな事があるんですかい……てぇことはこの街にも何かが居る可能性があるってぇ事ですね』
「知り合いだと、バステト……は、もっと砂地だし、妖精猫かなぁ、住んでたのはこの辺りじゃ無かった気がするんだけど可能性としてはそれかなー」
『そいつは信用できるやつで?』
「うーん、妖精猫なら昔助けてあげたことがあるから大丈夫だと思うんだけど、他の奴らならわかんないかなー」
そんなことを話しながら石畳の通りを歩いていく。山側の街並みを見上げると、大聖堂がよく見えた。
十分ほど歩き、先に市場が見えた頃、右手の建物の看板に目的の文字を見つけた。
「あった、ここだ」
――――――――――――――――――――
「いらっしゃい、海猫亭にようこそ。泊まりかね?」
「はい、とりあえず二泊お願いします」
「おう……って、あんた、もしかして猫のセリアンスロープかっ!?」
「そう……ですけど?」
「おおっっ! こいつは有難い! 最高の部屋を用意するから是非くつろいで行ってくれ!」
「何かあったんですか?」
「あんただよ! この街は猫が神様なんだ、それであんたは初めて見たが、猫のセリアンスロープだろ? これはもうおもてなしするしかないってことよ!」
つまりはそう言うことらしい。
猫を祀る人が多いこの街で、猫のセリアンスロープのヨルは守神の使いの様に思えるらしい。
猫のセリアンスロープはこの街どころか、他の街でも見かけることがないため、余計にそう思われているのだった。
(そうか、やたらと露店の人が食べ物勧めてくるのもそれが理由だったのかな)
――――――――――――――――――――
「この部屋を使ってくれ。延長するときは声をかけてくれれば問題ないから」
三階建の三階角部屋という部屋に案内されたヨルは、折角だし寛がせてもらおうとリュックを置きブーツを脱いで足を拭く。
床には絨毯が敷かれていたので、そのまま裸足で部屋を横断して、窓のカーテンを開いた。
窓からは港が一望でき、帆船や漁船が多く停泊しているのが見える。
下にある大通りから港まで道を目で追っていくと、途中にいくつもの市場が見え、多くの人が買い物をしているのが見えた。
「いい眺めだねー」
明るくなった部屋を見回すと、二人は寝れそうな大きなベッドにサイドチェスト。
小さな暖炉もあり、隣には薪が積まれている。
暖炉前には二人がけのソファーとテーブル。
ソファーの隣にある棚には何冊かの本も入っていた。
「このまましばらくゴロゴロしたくなる部屋だ」
流石に部屋にお風呂は無かったが、一階にある共同風呂を使えるとことで、ヨルは着替えを巾着から取り出して麻袋に入れて混む前に行こうと、風呂に向かった。
――――――――――――――――――――
山が近く水が豊富なのか、風呂は数十人が一度に入れるぐらいの大きさだった。
「ふぁー……なんて贅沢」
ヨルの記憶では、宿にあるお風呂で、こんなに大きなサイズは初めて見た。
大衆浴場と同じような広さである。
湯船は檜の様な木材で作られており良い香りが満ちている。
お湯も並々の張られており、ほかに入浴中の人の姿はない。
ヨルは頭と体をよく洗ってから、脱衣所の扉をそっと開け、顔を出して誰もいないことを確認する。
ザバーンといい音を立てて湯船からお湯が溢れ出す。
「はぁぁ~……行儀悪いと思ってもついつい飛び込みたくなるじゃないこんな立派なお風呂」
ヨルは湯船で仰向けにぷかぷかと浮かび目を閉じる。
(明日は教会へ行って、色々話を聞いてからどうするか決めよう)
ヨルは貸切状態の風呂をのぼせる寸前まで満喫をした後、脱いだ服を女将さんに渡して洗濯をお願いしてから、部屋に戻るなりベッドにダイブする。
そのまま心地よい柔らかさのベッドでゴロゴロと転がり、一通りふかふかを満喫してから丸くなった。
陽が傾いてきた頃、自分のお腹の音で目を覚ましたヨルは、風呂上りということもあり、宿屋の食堂で夕食を頂くことにした。
「おう、うちの自慢の風呂はどうだった!?」
「とても気持ち良かったです、のぼせそうになりました」
食堂に入るなり声をかけてきた亭主におすすめのメニューを尋ねると、『海猫亭名物 魚の煮付け定食』とのことだったので、少し少ない目で注文した。
ヨルは少食では無いのだが、寝る前にお腹いっぱい食べると寝つきが悪くなることが多いので夕ご飯は少なくしている。
「おまたせ!」
どかっと出された大皿に金目鯛の様な魚が横たわっている。
出汁と魚醤、それに生姜の様な香りがヨルの鼻腔をくすぐった。
付け合わせにはパンとスープ。不思議な組み合わせだっがヨルはもう諦めている。
「いただきます」
ヨルは手を合わせから煮魚にフォークを伸ばす。
(お箸のほうが食べやすそうだな)
フォークで身をほぐし、口に運ぶ。
(美味しい……)
ヨルは肉料理が好みだが、王都で海魚を食べてから魚料理も好きになっていた。
少し濃い目の味付けがヨルの好みにバッチリだった。
――――――――――――――――――――
すっかりお腹いっぱいになるまで夕食を満喫してしまったヨルは、部屋に戻るなりベッドに潜り込んだのだった。
0
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~
イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」
どごおおおぉっ!!
5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略)
ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。
…だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。
それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。
泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ…
旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは?
更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!?
ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか?
困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語!
※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください…
※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください…
※小説家になろう様でも掲載しております
※イラストは湶リク様に描いていただきました
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
【書籍発売後はレンタルに移行します。詳しくは近況ボードにて】
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる