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第25話 あたしはロメロの兄よ 前編

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「今回はスーパーで買い物するよ。今晩は豚カツときんぴらごぼうだよ」
「やったー!異世界に転生されてからの豚カツよ!頼みだわ♪」
「アスナちゃん君ねぇ、前にも言ったけど何で当然のようにウチでご飯を食べに来てるの?」

アスナは嫌そうな顔をしながら愚痴を言い出だす

「教会の料理って味付けが基本的に薄めなのよ。ボリュームも少ないし沢山食べさせて貰えないしね。結構厳しいの『《b》セリア教《/b》』は」

そして、買い出しの為に商店街に寄って買い物をした後、お米を買うために「スーパーマーケット召喚」を使おうとしたらカスミのスマホに着信音を鳴った

「???。私のスマホから音が鳴ってるけど?ワタル見てくれるかい?」
「はいはい。メールですね。えーと。『本日より、あなたの固有スキル『スーパーマーケット召喚』がアップデートされ『デパート召喚』【詳細:某大手デパートが召喚できる】になりました」
「『デパート召喚』?それって買い物の幅が増えるってことじゃない?すごいじゃないの!ねぇカスミ!?」

《b》デパート召喚は、主に食料品、日用雑貨、洋服、魔導具、医療品などと言った異世界クロノスに存在する物が売られている《/b》

カスミの固有スキルのスーパーマーケット召喚からデパート召喚に変わり、早速カスミはスキルを使うことにした
すると、目の前に『某大手デパート』が召喚された
以前のスーパーマーケットよりも、はるかに大きく各売り場フロア内ではアンドロイドの従業員が複数体働いている
カスミ達がデパートに入ろうとしたら、入り口の前でスーツ姿のアンドロイドか待っていた

「オ待チシテオリマシタ。カスミサマ。フロアニ入ル前ニ、コノデパートノオーナー登録シテ下サイ。登録スルト、コノデパートノオーナートナリ今後ノ売リ上ゲノ約20~30%ノ報酬ガ与エラレマス」
「デパートのオーナー?そのオーナーになるだけで報酬がもらえるってことかい?」
「ハイ。アナタノ名前ヲ登録スルダケデ、ソノ他ノ経理ヤ仕入レドワ我々ガヤリマス。登録シマスカ?」

カスミはやや無言になり考えている

「何迷ってるのよ!登録しなさいよ!登録すれば冒険者の仕事をしなくてもいいのよ!自動的にお金が舞い込んでくるんだから!ファミリアの子供たちに贅沢がさせれるのよ!」

ベジッ!

説得するアスナにカスミがアスナの額に軽い水平チョップを叩き込む

「あいたっ!何すんのよ!」
「アスナ、アンタはそうやって楽な方に行こうとする考えはやめな。人間、生きていくためには、苦労しないといけないよ。私はただ、このデパートをどこに置くか考えてるんだよ」
「既にオーナーになることに決めてるんですね。確かにこのでかい建物をこの街に置くには狭いですもんね」
「って言うか、そのスキルは常に召喚したままに出来るんだ」

「なら、王都に行ってみたらどうかしら?」

突然、カスミ達の後ろから話しかけける人物が近づいて来た
カスミ達が声が聞こえる方に振り向くとワタルとアスナが、その人物を見るや否や吹き出す

《b》《big》(マツコ・デラックスだ!マツコにそっくりだ!)《/big》《/b》

カスミ達の前に現れた人物は、髪の毛を結っていてふくよかな体型で化粧をしいる、いかにもオネェ系に見える男だった

「誰だいアンタは?見ない顔だけど」
「あら失礼。噂通りの人だったから思わず声掛けちゃった♪あたしの名前は『フユキ・スペーシャル』ロメロの兄よ。あなたがカスミさんよね。話はロメロから聞いていたわ」
「ロメロさんのお兄さんなの?全然似てないわね」
「ちょっとアスナちゃん!初対面の人に失礼だよ!」
「ふふふ。気にしてないわよ。よく言われるから、それよりもあなた達、時間あるかしら?ロメロの墓参りに行くのだけど」

フユキの誘いでカスミ達はロメロの墓参りをすることになり、その足で墓地へ向かうのであった
フユキはロメロの墓前に花を添えて手を合わせる

「まさか、ロメロが死ぬなんて思いもしなかったわ。あたしはこの通り好き勝手にやってたのに病気の一つもした事ないのに・・・其れにひきかえロメロは真面目で家族想いでね。ファミリアを何よりも大切していたわ。奥さんのパロウと一緒に頑張って切り盛りしてたけど、4年ほど前にパロウが病で亡くなってね。落ち込んでいたものの、それでもファミリアの為に一生懸命頑張ってたのよ。あれだけ献身的だったロメロが死ぬなんて・・・」

フユキはロメロの墓前で大粒の涙を流した
その姿を見てカスミも墓前の前に立ち、手を合わせる

「私達やファミリアの子供達でロメロの最後を看取ったよ。ロメロは最後まで穏やかで亡くなった時も何処となく笑顔だったよ」
「そうよね。ロメロはファミリアや子供達が大好きだったから、あなた達に看取られて満足だったでしょうね。さて、久しぶりにファミリアの子供たちに会いたいわ。行きましょうか」

フユキは涙を拭き笑顔にして立ち上がって、ファミリアの方向に歩き始めた

「あんなでかい図体のオカマが泣き出したと思ったら、もう笑顔になってる。まさに泣いたカラスがもう笑った状態ね」

そして、カスミ達がファミリアに着くと外で遊んでいたロジー達がフユキを発見すると勢いよく駆け寄って来て賑わい出す

「フユキおじさんだ!」
「本当だ!フユキのオジサンだ!」
「おっちゃん!」
「おじちゃん!」

「みんな、相変わらず元気ねぇ。お土産のお菓子を買って来たからみんなで食べましょう」

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