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第4話 はじまりの街『ミスティ』そして孤児院

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ミスティに向かって歩き続けること40分が経過しようとした頃
「はぁはぁ、ちょ、ちょっと、カスミさん。少し休憩しましょうよ。ボク疲れましたよ・・・」
「だらしないね!アンタ男だろ!男がこの程度でへばってどうする!」
ワタルは息を切らせながら、その場でへたり込んでしまう
「はぁはぁ、無茶言わないでくださいよ。ボクは前世でインドアだったのが転生後でもインドアでして体力には自信がないんですよ・・・はははっ」
「やれやれ、ならここでと休みするかい。さてと、私の固有スキルは・・・」
カスミは「スーパー召喚」と言うと目の前に「スーパーマーケット」が召喚された
スーパーの中は現世にある様な品物が一式売られていてレジにはパート?女性が語っていた
カスミは手際よくお茶とおにぎりを選び購入した
ここでカスミの固有スキル「スーパー召喚」を解説
【スーパー召喚 スーパーマーケットが召喚され買い物ができる】
「へぇ、カスミさんのそのスキルってネットスーパー見たいで面白いですね。」
「ねっとスーパーってのは知らないけど、神に見せられたスキルの中でコレが1番気に入ったからね。よくわからない辺境の地で生活に必要なものがないと困るだろう?」
(そう言う理由で、そのスキル選んだんかい!)
 
休憩から10分ほどしてカスミがフェンリルの方を見てしゃべりだした
「そう言えばこの子の名前考えなきゃいけないね」
「忘れてましたね。このフェンリルさんにはどんな名前がいいんでしょうね」
ワタルもフェンリルの方を見るとフェンリルもそれに気づく
「ああっ。俺の名前だろ?俺は・・・」
「ポチだな」
「へっ?」(ワタルとフェンリル)
ワタルとフェンリルの頭の中でFAXの着信音が鳴り響く
「あのカスミさん?今なんて言いました?」
「ポチだよポチ。その子の名前だよ。犬って言ったらシロとかポチだろ?」
「ちょっと待て!何勝手に決めてるんだ!俺にはハルクって・・・」
反論するフェンリルこと「ハルク」だが、カスミには聞こえておらず、カスミはそのまま歩き出しながら手に持っていったヘアゴムを自分の長い髪を結んでポニーテールにした
(カスミさんのポニーテール姿ってなんだか凛としてるな)
「それじゃあ、気を取り直してミスティに向かうとするよ!ワタル!ポチ!」
「だから、俺の名前は・・・!」
「(小声)諦めた方がいいよ。カスミさんって我が強いと言うか頑固と言うか、あの人には逆らえない気がするんだよ)」
「はぁ。もうポチでいいよ。」
ワタルの言葉を聞いて諦めがついたのか、ため息をつきながらトボトボ歩き始めるポチであった 
 
それから再び歩き始めて30分が経った頃、遂にミスティにたどり着いた
「ここがミスティかあ。流石に異世界の街は日本と違うね」
「そこら辺は『異世界』ですからね。ファンタジーな世界で欧米な作りが多いんですよ」
「アンタの言ってる事は、よくわからないけどそうみたいだね。とりあえずこれからどうする?今日、泊まる民宿かホテルはどこにあるんだろうね?」
街中を見渡していたワタルがある現場を目撃した
「やだ!はなしてよ!」
「おら!おとなしくしろガキ!ぶん殴るぞ!」
「あっ!大変だ!カスミさん!あそこで男達が女の子を攫おうとしてますよ!早く助けましょう!」
ワタルの指を差す方向には2人組の男達が10歳位の女の子をズタ袋に入れようとしていた
カスミはそれを見るいなや男達のいる所に全力疾走で向かって行き片方の男に強烈なドロップキックを喰らわした
男はその場から3メートルほど吹っ飛んだ先の大木にぶつかり失神した
そしてカスミはもう1人の男に鋭い目つきで睨みつけ
 
「失せろ!」ギロッ!
 
鋭い眼光に恐れをなしたのか気絶した男を抱えながら立ち去った
(カスミさんはまたシャンクスみたいなこと。って言うか思いっきりシャンクスじゃん!)
「ワタル!早く女の子を!」
「そうだった!ツッコミ入れてる場合じゃなかった!」
ワタルはズタ袋に入れられた女の子を助け出し、カスミも女の子にかけよった
「わーん!こわかったよぉ!わーん!」
「もう大丈夫だよ。悪い奴は追い払ったから」
しかし、あまりにも恐怖だったのかワタルが慰めても女の子は泣きじゃくるばかりであった
「何やってんだい!そんなんじゃダメだ!こういう時はね子供と同じ目線に立たなきゃいけないんだよ」
女の子にかけよったカスミは腰を下ろして女の子をそっと抱き寄せ優しく頭を撫でた
「大丈夫。もう怖くないから安心しな」
すると泣いていた女の子もカスミの言葉に安心したのか泣き止み、たちまち笑顔になった
「助けてくれて、ありがとう。お姉ちゃん。」
「怪我はなかったかい?お嬢ちゃんのお父さんとお母さんは?」
「大丈夫だよ。お母さんは2年前に病気で死んじゃった。お父さんは行方不明なの」
それを聞いたカスミは申し訳なさそうな顔して女の子に謝った
「ごめんよ。悪いこと聞いちゃったね」
「全然平気だよ!もう慣れっこ!だから気にしないでね!」
女の子は笑顔でカスミの手を握って上下にぶんぶんと回す
「ところでお嬢ちゃんの名前は?お家はどこだい?」
カスミの問いに女の子は笑顔で答えた
「ノルンだよ!おうちはここをまっすぐ行って右に曲がった所にあるよ!お姉ちゃん!」
「それじゃあ、お姉ちゃんがノルンのお家まで送ってあげるよ」
「本当!ありがとう♪お姉ちゃん!」
カスミとノルンは手をつなぎノルンの家に向かうのであった
カスミ達のいた場所から少し離れた行政区に指名手配書とは別に注意勧告の張り紙がしてあった
 
『注意勧告 ミスティ全区において子供を狙った誘拐グループが出没しています。子供を持つ親御さんは、子供から目を離さないようお願いいたします』
 
「ここがノルンの家だよ!今、院長のおじさん呼んでくるね!」
ノルンの前には、大きいがやや古ぼけた家が建っていて、家の目の前には『孤児院 ファミリア』と書かれた看板があった
「孤児院?もしかしてノルンちゃんってみなしごだったの?」
「ワタル、アンタ気づかなかったのかい?ノルンが最初に両親がいないって言ってただろ?」
「それはそうですけど・・・アレ?カスミさんどうかしました?」
「ああっ。ちょっとね。前世の小さい頃のことを思い出してね・・・」
2人が家の前で話をしていると1人の初老の男性が現れた
 
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