怨霊詩集～暗闇～

怨霊詩集 弐

第四節 血

ポタリポタリと血が滴り、大理石の床が赤く彩られる。
一枚の絵画のように白と赤が混ざり合い死の美を奏でる。
ポタ、ポタ、ポタポタポタポタ……
無数の血が滴り落ち、大理石は真っ赤に染る。
やがてカーテンにも血が染む。
空も血の色に染る。
部屋は深紅の薔薇を連想させる、赤に染った。
ようこそ、死の宴へ。
赤い絨毯、赤い空、赤いカーテン。
犠牲者の来場を狂気の死者は心待ちにする。
叫びの歌が鳴り響く中、犠牲者たちがやってくる。
拍手で迎えられた者達は、死者の欲求の犠牲となり、惨劇が繰り広げられる。
食事会が始まると、満足げに笑んだ死者たちは、先程まで生者であった、屍を食らう。
血はワインとして飲まれ、屍は綺麗に姿を消した。
惨劇の後の薔薇の間は明日の宴に備え、静かに眠りについた。