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森の覇者「ベア」
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自分の森や自然を愛している「ベア」がいた。
ベアは優しく広く物事を見ることができるため、みんなから慕われていた。
鳥や猪、鹿などたくさんの野生動物が困り、行き着く場所はベアの元だったのだ。
ベアは気づいていた。このままの生活を続けていれば安泰であり、皆んなも賛同してくれると言うことを。
その森に住む生き物はみんな言葉を交わさずとも大切なことを通じ合っていた。
ベアが言う。
(何か他に困ったことはないかい?)
みんなは今の生活に大変満足していた。その様子にベアは嬉しく思った。
この森には草食動物しかおらず、仲間同士の喧嘩も少ない。なので天敵の脅威はほとんどないのだ。
それもベアがいてくれるおかげ。長年の努力が身を結んでいる。
昔からいた生物は我が一番という考えであり、他の生き物や将来のことを考えていなかった。
その世代の終わり頃に生まれたベアは疑問でいっぱいだった。お腹は空くし、温もりも少ないようだった。
今の森では一人一人にやりたいことを言ってもらい、その意見を必ず実現させるという施策をとっている。
他の動物の意見を聞き合えるからこそ、森の秩序を保ってきたのである。
家も食料もみんな平等の森はみんな大好きだった。
ただある日、その森に愚かな人間が入ってきた。
その人間はベアに対し、
(この森から食料を月に一定の量納めてくれるのなら、この森をさらに拡大してさらに面白くしてやろう。)
森の生き物達は悪い人に見えなかった。たくさんのものを見てきたベアの目にも悪い人間とは映らなかった。
ベアは了承し、森の2割の食料を納めた。
その日から信用を得るためなのか、ちょくちょく人間がいい施策を提案してきた。
現時点の食料には困っちゃいないが、将来のための貯蓄と言って更に2割、計4割を納めるように言ってきた。
ベア達は少し疑問に持ちながらも、自分たちの為将来のためと思い承諾した。一応何がしたいかを知るために鳥に偵察しててもらうことになった。
ある日から人間は来なくなり、ベアの森より自然と動物が多い森に行っていた。
しかも優雅にベア達が渡した食料をつまみながら。
まあ、違う可能性もあるしそこは見逃そう。
ただ、鳥は見てしまった。その美しい森にベア達の食料を渡していることを。
しかも管理人にカネまでもらっているじゃないか。
その話を聞いてベアはひどく怒った。
ベアは食料を騙し取られたことに対して怒っているのではなく、生き物達の純粋な心を汚してくれたことに対して怒っているのだ。
さて、ここからはこちらもうまく負かすために努力しなければいけないな。
あの人間はどんな表情でここの森に来るんだろうな。あっちは偵察されていることに気づいていないため必ずまたここの森に来るとベアは踏んでいた。
予想通り、月一の食料をもらうためにノコノコきやがった。
その人間はベア達の未来に対してのサムい演説を貼り付けたような顔で始めた。
どうせ、自分のためだし、うちらの援助がなくなったら他の森に食料を送らなくなるからもらうときだけいい事言ってるだけだろう。
ベアは分かっていた。
人間の周りがバカしてボロが出まくっていることも、人間はなぜ、一般の立場で自分のやっていることを見れないのだろうか。
もはや何にでも食料をよこせと言ってきている。流石にベアは嫌だと言った。もう渡す気もサラサラなかったし。
奴の施策には誰も賛同しなくなり、奴は他のところでも手を繋いでもらえなくなるだろう。
ベアは優しく広く物事を見ることができるため、みんなから慕われていた。
鳥や猪、鹿などたくさんの野生動物が困り、行き着く場所はベアの元だったのだ。
ベアは気づいていた。このままの生活を続けていれば安泰であり、皆んなも賛同してくれると言うことを。
その森に住む生き物はみんな言葉を交わさずとも大切なことを通じ合っていた。
ベアが言う。
(何か他に困ったことはないかい?)
みんなは今の生活に大変満足していた。その様子にベアは嬉しく思った。
この森には草食動物しかおらず、仲間同士の喧嘩も少ない。なので天敵の脅威はほとんどないのだ。
それもベアがいてくれるおかげ。長年の努力が身を結んでいる。
昔からいた生物は我が一番という考えであり、他の生き物や将来のことを考えていなかった。
その世代の終わり頃に生まれたベアは疑問でいっぱいだった。お腹は空くし、温もりも少ないようだった。
今の森では一人一人にやりたいことを言ってもらい、その意見を必ず実現させるという施策をとっている。
他の動物の意見を聞き合えるからこそ、森の秩序を保ってきたのである。
家も食料もみんな平等の森はみんな大好きだった。
ただある日、その森に愚かな人間が入ってきた。
その人間はベアに対し、
(この森から食料を月に一定の量納めてくれるのなら、この森をさらに拡大してさらに面白くしてやろう。)
森の生き物達は悪い人に見えなかった。たくさんのものを見てきたベアの目にも悪い人間とは映らなかった。
ベアは了承し、森の2割の食料を納めた。
その日から信用を得るためなのか、ちょくちょく人間がいい施策を提案してきた。
現時点の食料には困っちゃいないが、将来のための貯蓄と言って更に2割、計4割を納めるように言ってきた。
ベア達は少し疑問に持ちながらも、自分たちの為将来のためと思い承諾した。一応何がしたいかを知るために鳥に偵察しててもらうことになった。
ある日から人間は来なくなり、ベアの森より自然と動物が多い森に行っていた。
しかも優雅にベア達が渡した食料をつまみながら。
まあ、違う可能性もあるしそこは見逃そう。
ただ、鳥は見てしまった。その美しい森にベア達の食料を渡していることを。
しかも管理人にカネまでもらっているじゃないか。
その話を聞いてベアはひどく怒った。
ベアは食料を騙し取られたことに対して怒っているのではなく、生き物達の純粋な心を汚してくれたことに対して怒っているのだ。
さて、ここからはこちらもうまく負かすために努力しなければいけないな。
あの人間はどんな表情でここの森に来るんだろうな。あっちは偵察されていることに気づいていないため必ずまたここの森に来るとベアは踏んでいた。
予想通り、月一の食料をもらうためにノコノコきやがった。
その人間はベア達の未来に対してのサムい演説を貼り付けたような顔で始めた。
どうせ、自分のためだし、うちらの援助がなくなったら他の森に食料を送らなくなるからもらうときだけいい事言ってるだけだろう。
ベアは分かっていた。
人間の周りがバカしてボロが出まくっていることも、人間はなぜ、一般の立場で自分のやっていることを見れないのだろうか。
もはや何にでも食料をよこせと言ってきている。流石にベアは嫌だと言った。もう渡す気もサラサラなかったし。
奴の施策には誰も賛同しなくなり、奴は他のところでも手を繋いでもらえなくなるだろう。
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