1人は想像を超えられなかった

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第一章

想像から始まる

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俺にはゲーム好きの友達「せいや」がいた。
そいつはとても変わり者で、1人でニタニタしてるような奴だ。
でも面白いし、特別嫌なことするとかないからどちらかというと好きだ。

よく喋るけど、大体会話の内容はこの世界がつまらなすぎると言うものだった。

まあその考えは俺にも通ずるものがある。
(俺:日本にはそれが正解じゃないのにみんながしているからするって言う風潮あるよな)

(せいや:自分のやりたいことも人の目を気にしてできないから人生つまらねぇ)

そう、なんと言うか日本人は人の目を気にしすぎるな気がする。自分も含めて。

ある日せいやは学校に来なかった。
別に欠席くらいで気にしないが、それが1週間も続いたので家に行ってみようと思った。

せいやの家に着くと具合が悪そうでもなく変わったところはない。
だが、目の色が変わった気がする。

(俺:1週間ゲームしてたの?)

(せいや:そんなことはしない。もうリアルなゲームに踊らなくて済むぜ。)

なんの話かさっぱりわからなかった。
ただ、会話の中に希望が見える。

ふとテレビをつけたらニュースが流れていた。
今日も殺人やら強盗やらなんやらで溢れかえっている。

(俺:なんかさ、日本も日常からズレて漫画みたいに物騒じゃない?)

(せいや:コイツらも刺激が足りなすぎて、自分の想像の世界を描きたかったんだろう。)

(俺:でも人を巻き込むのは違くない?つまらんと感じてる奴らが集まっとけばいいと思うが。)

関係のない人を巻き込むのは一番胸糞が悪い。
今は気づかなかったが…
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