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第六章 大人で子供な私のことを
第149話 これは『ちょっと』じゃありません!
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「着いたよ」
「ここが、魔女さんの住む家……ほああああ!」
地面に降り立った私たち。私の家を見て感嘆の声をあげる彼。相変わらず、その目はキラキラと輝いている。
そんなにすごいかな?
「ちょっと散らかってるけど、どうぞ入って」
そう言いながら、私は玄関扉を開ける。ギギギと鈍い音が響き、薄暗い室内があらわになる。
「いえいえ。ちょっと散らかってるくらい…………え?」
私に続いて家の中に足を踏み入れた彼。そんな彼の体が、ピタリとその動きを止めた。
「ん? どうしたの?」
「えっと……『ちょっと』散らかってるんですよね?」
「そうだけど」
私は、ぐるりと室内を見渡す。特にいつもと変わっているところはない。しいて違いを挙げるとするなら、失敗したシチューの残骸があるくらい。でも、別に気になるほどでは……。
「魔女さん」
「な、何?」
「これは『ちょっと』じゃありません!」
「ふええ!」
突然、室内に響き渡る彼の大きな声。それに驚いた私の口から、間抜けな声が飛び出した。
そんな私に構わず、彼は言葉を発し続ける。
「まず床。ほこりがそこら中に溜まってるじゃないですか。しかも、本まで散らかして。ちゃんと綺麗にしてあげないと、本に失礼です。次に、そこの袋。多分ゴミを入れてるんだと思いますけど、いろんなものがごちゃまぜに見えます。ゴミの処理とかどうしてるんですか? 極めつけは台所。食器が洗われてません。それに、野菜くずが散乱してます。これじゃ、料理どころじゃありませんよ」
ここにいる彼は、本当にさっきまでと同じ人物なのだろうか。まさか、家に入れた途端に怒られるなんて、思いもしなかった。というか、軍にいた頃はもっとひどい環境で生活していたのだし、これくらい私にとってはどうってことないのだが。
……あれ? そういえば。
その後も、彼は私に何かを言っていたが、ほとんど頭に入らなかった。別に、怒られたことに腹を立て、彼の言葉を聞かないようにしていたからではない。少し、考え事をしてしまっていたからだ。
私、生活のことでちゃんと注意されたのっていつぶりだっけ?
「ここが、魔女さんの住む家……ほああああ!」
地面に降り立った私たち。私の家を見て感嘆の声をあげる彼。相変わらず、その目はキラキラと輝いている。
そんなにすごいかな?
「ちょっと散らかってるけど、どうぞ入って」
そう言いながら、私は玄関扉を開ける。ギギギと鈍い音が響き、薄暗い室内があらわになる。
「いえいえ。ちょっと散らかってるくらい…………え?」
私に続いて家の中に足を踏み入れた彼。そんな彼の体が、ピタリとその動きを止めた。
「ん? どうしたの?」
「えっと……『ちょっと』散らかってるんですよね?」
「そうだけど」
私は、ぐるりと室内を見渡す。特にいつもと変わっているところはない。しいて違いを挙げるとするなら、失敗したシチューの残骸があるくらい。でも、別に気になるほどでは……。
「魔女さん」
「な、何?」
「これは『ちょっと』じゃありません!」
「ふええ!」
突然、室内に響き渡る彼の大きな声。それに驚いた私の口から、間抜けな声が飛び出した。
そんな私に構わず、彼は言葉を発し続ける。
「まず床。ほこりがそこら中に溜まってるじゃないですか。しかも、本まで散らかして。ちゃんと綺麗にしてあげないと、本に失礼です。次に、そこの袋。多分ゴミを入れてるんだと思いますけど、いろんなものがごちゃまぜに見えます。ゴミの処理とかどうしてるんですか? 極めつけは台所。食器が洗われてません。それに、野菜くずが散乱してます。これじゃ、料理どころじゃありませんよ」
ここにいる彼は、本当にさっきまでと同じ人物なのだろうか。まさか、家に入れた途端に怒られるなんて、思いもしなかった。というか、軍にいた頃はもっとひどい環境で生活していたのだし、これくらい私にとってはどうってことないのだが。
……あれ? そういえば。
その後も、彼は私に何かを言っていたが、ほとんど頭に入らなかった。別に、怒られたことに腹を立て、彼の言葉を聞かないようにしていたからではない。少し、考え事をしてしまっていたからだ。
私、生活のことでちゃんと注意されたのっていつぶりだっけ?
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