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第二章
(19)※
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音の方向に涙で濡れた瞳を向ける。目に映ったのは、ヴィルヘルムが着用している制服の上着を脱ぐところだった。
脱いだ上着を床に落とすと、その下に着ていたシャツも脱ぎ捨ててしまう。
別段アシュリーは男性の体付きに強いこだわりがあるわけではない。だが、思わず見惚れてしまうぐらい、鍛え上げられたその体は美しかった。
凝視していると、その視線に気付いたヴィルヘルムが覆い被さってきて、少し荒々しくくちびるを重ねてくる。
「は……ぁ……」
くちびるが離れ、アシュリーが僅かに目を開けると、何か言いたげなヴィルヘルムの瞳と目が合う。
けれど彼は何も言わず口を閉ざし、名前を呼ぼうとした彼女のくちびるを食んだ。
くちびるを重ね、そして柔らかな素肌に手を這わせてくる。
喉から胸元へ、そして腰を撫で、腹を伝うと、びくりと震える脚をなぞり、付け根の奥の秘められた場所を擦られた。
与えられる刺激に体は素直に反応してしまい、蜜壷からは愛液が溢れ出してくる。
「ああ、また溢れてきた……」
ただ状況を伝えるような淡々とした声でヴィルヘルムが呟く。その言葉を耳にして、アシュリーの羞恥心は増していった。
「ふ……ぁ、あ」
指先が辿った素肌を、くちびるがなぞるように降りていく。口付けを落とされ、ちくりと痛みが走ったところに跡を残された。
静かに快楽を高められるように触れられて、体は快感を拾う。
お腹にキスをされ、吸い上げられると、そこにはすでに何個目なのかわからない紅い花びらが散った。
足を大きく開かれて、アシュリーのすべてがヴィルヘルムの前に晒される。
じっと見つめられるというあまりの淫靡さに、思わずアシュリーは目を閉じたのだけれど。
「ぁっ、や、ぁあ!」
下腹部から突然訪れた電流のような痺れに、閉じてしまった瞳を開く。恐る恐る顔を下に向けると、ヴィルヘルムの頭が足の間に埋まっていた。
彼の手は閉ざすまいと、アシュリーの両足の太ももを掴んでいる。
では一体何が、触れているのか。
年相応には、性的知識は持っている。考えずとも何が触れているのかという答えに辿り着くことはそう難しくなかった。
「ヴィル、へ、ルムさま、ぃや……っ! 舐めないで、くださ……い……あ、ぁ……」
「……きちんと慣らしておかないと辛い思いをするのはあなただ。俺にはそれは、堪え難い」
「で、も……ふぁあっ!」
ヴィルヘルムが割れ目に舌を這わせるたびに唾液と合わさって、くちゅり、と淫らな音が響く。
掴まれた太ももが震える。体は過ぎたる快楽から逃げの体勢を取ろうとして身動ぎをするが、太ももを押さえられていて逃げ出せない。
ぞわぞわと肌が粟立つ。
そして花芽を舌で舐められ、吸い上げられて、アシュリーは再び達した。
彼の性格を表したような丹念過ぎる愛撫。なのに、肝心のお腹の奥には触れられてはいなかった。
ヴィルヘルムは達したアシュリーから離れると、ちろりと舌を出して、くちびるを舐める。その姿が厭に艶っぽくて、彼女は生唾を飲み込んだ。
触れられてはいないのに、自分でも蜜を溢れさせる場所がひくついているのがわかった。
「んっ……は、ぁ……あ……」
ヴィルヘルムの指先が蜜口の入り口を撫で、そしてゆっくりと中へと侵入していった。
アシュリーの表情が僅かに歪む。夫どころか婚約者もおらず、恋人のような存在もいなかったアシュリーのこの体は、今日初めてヴィルヘルムの手によって暴かれている。
当然、蜜口に指を差し入れられるのも初めてで、中に感じる異物感にアシュリーは声を上げた。
宥めるように伸びてきた指に胸の先端をつまみ上げられ、体が快楽を拾う。その合間にヴィルヘルムの男らしい骨張った指が少しずつ侵入して、隘路を進んでいく。
蜜口から溢れた愛液が潤滑剤になったお陰か、苦痛はあまり感じなかった。
脱いだ上着を床に落とすと、その下に着ていたシャツも脱ぎ捨ててしまう。
別段アシュリーは男性の体付きに強いこだわりがあるわけではない。だが、思わず見惚れてしまうぐらい、鍛え上げられたその体は美しかった。
凝視していると、その視線に気付いたヴィルヘルムが覆い被さってきて、少し荒々しくくちびるを重ねてくる。
「は……ぁ……」
くちびるが離れ、アシュリーが僅かに目を開けると、何か言いたげなヴィルヘルムの瞳と目が合う。
けれど彼は何も言わず口を閉ざし、名前を呼ぼうとした彼女のくちびるを食んだ。
くちびるを重ね、そして柔らかな素肌に手を這わせてくる。
喉から胸元へ、そして腰を撫で、腹を伝うと、びくりと震える脚をなぞり、付け根の奥の秘められた場所を擦られた。
与えられる刺激に体は素直に反応してしまい、蜜壷からは愛液が溢れ出してくる。
「ああ、また溢れてきた……」
ただ状況を伝えるような淡々とした声でヴィルヘルムが呟く。その言葉を耳にして、アシュリーの羞恥心は増していった。
「ふ……ぁ、あ」
指先が辿った素肌を、くちびるがなぞるように降りていく。口付けを落とされ、ちくりと痛みが走ったところに跡を残された。
静かに快楽を高められるように触れられて、体は快感を拾う。
お腹にキスをされ、吸い上げられると、そこにはすでに何個目なのかわからない紅い花びらが散った。
足を大きく開かれて、アシュリーのすべてがヴィルヘルムの前に晒される。
じっと見つめられるというあまりの淫靡さに、思わずアシュリーは目を閉じたのだけれど。
「ぁっ、や、ぁあ!」
下腹部から突然訪れた電流のような痺れに、閉じてしまった瞳を開く。恐る恐る顔を下に向けると、ヴィルヘルムの頭が足の間に埋まっていた。
彼の手は閉ざすまいと、アシュリーの両足の太ももを掴んでいる。
では一体何が、触れているのか。
年相応には、性的知識は持っている。考えずとも何が触れているのかという答えに辿り着くことはそう難しくなかった。
「ヴィル、へ、ルムさま、ぃや……っ! 舐めないで、くださ……い……あ、ぁ……」
「……きちんと慣らしておかないと辛い思いをするのはあなただ。俺にはそれは、堪え難い」
「で、も……ふぁあっ!」
ヴィルヘルムが割れ目に舌を這わせるたびに唾液と合わさって、くちゅり、と淫らな音が響く。
掴まれた太ももが震える。体は過ぎたる快楽から逃げの体勢を取ろうとして身動ぎをするが、太ももを押さえられていて逃げ出せない。
ぞわぞわと肌が粟立つ。
そして花芽を舌で舐められ、吸い上げられて、アシュリーは再び達した。
彼の性格を表したような丹念過ぎる愛撫。なのに、肝心のお腹の奥には触れられてはいなかった。
ヴィルヘルムは達したアシュリーから離れると、ちろりと舌を出して、くちびるを舐める。その姿が厭に艶っぽくて、彼女は生唾を飲み込んだ。
触れられてはいないのに、自分でも蜜を溢れさせる場所がひくついているのがわかった。
「んっ……は、ぁ……あ……」
ヴィルヘルムの指先が蜜口の入り口を撫で、そしてゆっくりと中へと侵入していった。
アシュリーの表情が僅かに歪む。夫どころか婚約者もおらず、恋人のような存在もいなかったアシュリーのこの体は、今日初めてヴィルヘルムの手によって暴かれている。
当然、蜜口に指を差し入れられるのも初めてで、中に感じる異物感にアシュリーは声を上げた。
宥めるように伸びてきた指に胸の先端をつまみ上げられ、体が快楽を拾う。その合間にヴィルヘルムの男らしい骨張った指が少しずつ侵入して、隘路を進んでいく。
蜜口から溢れた愛液が潤滑剤になったお陰か、苦痛はあまり感じなかった。
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