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第二章
(18)※
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アシュリーの反応を伺うようにヴィルヘルムの視線が見上げてくる。それから彼は上半身を起き上がらせると、嵌めていた手袋を両手とも外し、胸ポケットにそれを突っ込んだ。
そして体をずらすと、秘められた場所だけが隠されたアシュリーの下半身へと手を伸ばした。
ドレスは脱がされてしまったので、普段覆われている足も露わになっている。ヴィルヘルムの素手に内腿を撫でられ、びくりと素肌が震えた。
力が抜けてしまって言うことの聞かない足を持ち上げられ、くちびるを落とされるという淫靡な光景にアシュリーは直視ができずに視線を逸らす。
だが、アシュリーが視線を逸らしてもヴィルヘルムの動きは止まらない。
「ゃ、あ……っ!」
ヴィルヘルムの指先が下着越しに割れ目に触れる。そこがすでに濡れていることはアシュリー自身も気付いていたから、ひどく居た堪れなかった。
自分からこの状況を強請ったというのに、体は逃げの体勢で、どうしようもなく羞恥心が湧き上がる。
けれど、逃げられないこともまた事実で。
「……脱がせてもいいだろうか」
「は、い……」
欲情を孕んだ瞳に見下ろされている。問いかけられて、アシュリーは頷いた。
羞恥心はあったものの躊躇はしなかった。
下着を脱がされて、身に付けるものは何もなく、生まれたままの姿になる。
じっと見つめられて思わず上と下を隠すけれど、すぐに剥ぎ取られ、ひとつに纏められてシーツに縫い付けられた。
「あなたのすべてを、目に焼き付けておきたい。だから、隠すな」
やや余裕のない、乱れた口調で言われて、どくんと胸が高鳴る。
くちびるを合わせるだけの口付けを、ひとつ。
そして蜜に濡れた秘所をヴィルヘルムの指が撫でた。
「ぁ、んんっ……」
指先で撫でられて、水音が鼓膜に届く。口付けのときより遥かに淫らな音にアシュリーは耳を塞ぎたくなる。
だが手はヴィルヘルムによってシーツに縫い付けられてしまっていて動かすことはできない。
代わりに耳をベッドに押し付けるけれど、それも片耳ずつしか塞げなくて、もう片方の耳からは否応なしに音が聞こえてくる。恥ずかしくてたまらなかった。
ヴィルヘルムの指先が割れ目に沿ってゆっくりと動く。まるで焦らされているかのように優しい触れ方で、それでも確実にアシュリーを追い詰める。
下腹部を指先でなぞりながら真っ赤に尖った胸の突起を舌で愛撫され、熱は上がるばかりだ。
「ひっ……! そこ、や、待って……っ」
割れ目の上にある花芽を擦られて、アシュリーは堪らず身を捩った。
腰が震えて、爪先に力が入る。
慌てたように、ヴィルヘルムが顔を覗き込んできた。
「っすまない、強く、触り過ぎたか」
「ち、が……そこ変になっちゃうから……触ん、ないでほし……」
「……なら、痛みがあるわけでは、ないんだな」
こくこくと頷くと、ヴィルヘルムは、そうか、と呟いた。納得してくれたことにアシュリーは安堵したが、攻めの手が緩められたわけではなく、彼の指先は再び花芽を撫でてきた。強さを加減して擦られる。
「っぁ、や……だ、めぇ……っ」
身を捩り、頭を左右に振って押し寄せてくる熱を逃がそうとするけれど、上も下も責め立てられ、次から次へと湧き上がる熱は落ち着いてはくれない。
「……っん、ふ……ぁあ……!」
ヴィルヘルムの指が花芽を押し潰す。
その瞬間、アシュリーの視界が白く弾けた。体が大きく震え、背中が反る。
ベッドシーツを足の爪先が蹴って皺を作った。
涙が目尻を伝ってシーツに落ち、肩で呼吸をしていると拘束されていた手が解かれて下腹部を撫でていた指が離れていく。
喪失感に残念さを覚えていると、衣摺れの音が耳に届いた
そして体をずらすと、秘められた場所だけが隠されたアシュリーの下半身へと手を伸ばした。
ドレスは脱がされてしまったので、普段覆われている足も露わになっている。ヴィルヘルムの素手に内腿を撫でられ、びくりと素肌が震えた。
力が抜けてしまって言うことの聞かない足を持ち上げられ、くちびるを落とされるという淫靡な光景にアシュリーは直視ができずに視線を逸らす。
だが、アシュリーが視線を逸らしてもヴィルヘルムの動きは止まらない。
「ゃ、あ……っ!」
ヴィルヘルムの指先が下着越しに割れ目に触れる。そこがすでに濡れていることはアシュリー自身も気付いていたから、ひどく居た堪れなかった。
自分からこの状況を強請ったというのに、体は逃げの体勢で、どうしようもなく羞恥心が湧き上がる。
けれど、逃げられないこともまた事実で。
「……脱がせてもいいだろうか」
「は、い……」
欲情を孕んだ瞳に見下ろされている。問いかけられて、アシュリーは頷いた。
羞恥心はあったものの躊躇はしなかった。
下着を脱がされて、身に付けるものは何もなく、生まれたままの姿になる。
じっと見つめられて思わず上と下を隠すけれど、すぐに剥ぎ取られ、ひとつに纏められてシーツに縫い付けられた。
「あなたのすべてを、目に焼き付けておきたい。だから、隠すな」
やや余裕のない、乱れた口調で言われて、どくんと胸が高鳴る。
くちびるを合わせるだけの口付けを、ひとつ。
そして蜜に濡れた秘所をヴィルヘルムの指が撫でた。
「ぁ、んんっ……」
指先で撫でられて、水音が鼓膜に届く。口付けのときより遥かに淫らな音にアシュリーは耳を塞ぎたくなる。
だが手はヴィルヘルムによってシーツに縫い付けられてしまっていて動かすことはできない。
代わりに耳をベッドに押し付けるけれど、それも片耳ずつしか塞げなくて、もう片方の耳からは否応なしに音が聞こえてくる。恥ずかしくてたまらなかった。
ヴィルヘルムの指先が割れ目に沿ってゆっくりと動く。まるで焦らされているかのように優しい触れ方で、それでも確実にアシュリーを追い詰める。
下腹部を指先でなぞりながら真っ赤に尖った胸の突起を舌で愛撫され、熱は上がるばかりだ。
「ひっ……! そこ、や、待って……っ」
割れ目の上にある花芽を擦られて、アシュリーは堪らず身を捩った。
腰が震えて、爪先に力が入る。
慌てたように、ヴィルヘルムが顔を覗き込んできた。
「っすまない、強く、触り過ぎたか」
「ち、が……そこ変になっちゃうから……触ん、ないでほし……」
「……なら、痛みがあるわけでは、ないんだな」
こくこくと頷くと、ヴィルヘルムは、そうか、と呟いた。納得してくれたことにアシュリーは安堵したが、攻めの手が緩められたわけではなく、彼の指先は再び花芽を撫でてきた。強さを加減して擦られる。
「っぁ、や……だ、めぇ……っ」
身を捩り、頭を左右に振って押し寄せてくる熱を逃がそうとするけれど、上も下も責め立てられ、次から次へと湧き上がる熱は落ち着いてはくれない。
「……っん、ふ……ぁあ……!」
ヴィルヘルムの指が花芽を押し潰す。
その瞬間、アシュリーの視界が白く弾けた。体が大きく震え、背中が反る。
ベッドシーツを足の爪先が蹴って皺を作った。
涙が目尻を伝ってシーツに落ち、肩で呼吸をしていると拘束されていた手が解かれて下腹部を撫でていた指が離れていく。
喪失感に残念さを覚えていると、衣摺れの音が耳に届いた
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