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Ⅱ 魔王国の改革
9節 宰相のお仕事 其の二 ⑦
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地下の方が重大であるが、取り敢えず近い二階で情報収集をしようと一時停止。昨日の二件は、どちらも幹部がその場にいない状況で起こっていた。しかし、幹部の誰かは自分より先に対応にあたっていたから、今回も誰かが既に動いているかもしれない。
ところで、この騒ぎは幹部が裏で手を引いていた、つまりマッチポンプである可能性も少し考えたが、すぐに棄却した。フォラスは研究室の設備を非常に大事にしているし、メディアも本が好きと聞く。メディアはエイジへの好感度が怪しいが、嫌悪しているというよりは興味ない感じで、証言によると事件の三十分前から城内散歩をしていたらしく、事件発生と聞くとなかなか慌てた様子で、魔導書の対応も焦りからか危なっかしいところもあったという。なにより、彼女にとってそれほど苦労する程のメリットがないのである。
と、エイジの方へ早足で向かってくる人影を見つける。輝かしい金髪、胡散臭い儀礼服。そんな奴、一人しかいない。
「おい、ノクト、何があった?」
「おお、エイジクンか。こんな時間に珍しいね、どうしたの?」
「どうしたの、はこっちのセリフだ。この騒ぎはなんだ」
「うん、それがね……保守用、及び労働用のアンデッドとゴーレム達が、僕らの制御下を離れて暴走を始めたんだ。原因は不明。僕はこれからそれらを止めに行くとこ」
「何かオレに手伝えることはあるか」
「う~ん、だったら僕の代わりに止めてきてくれないか? そのうちに原因を調査して、制御し直せるか試してみる」
「場所は」
「地下の倉庫と城の外回りが主だね。人手は二分したけど、まだ混乱してる。レイヴンとエリゴスがまだ来てないんだ」
「では、地下をやろう。んで、そいつら倒したり破壊してもいいか?」
「してもいいけど、出来るだけ抑えて? 誰かや物に被害が出そうだったり、やむを得ない限りは。貴重な資源だからね」
「了解。対応開始する」
質問を終えると踵を返し、エイジは颯爽と階段を降りて行った。
「ふふっ、頼もしくなったなぁ。……おっといけない、僕もやるべきことをやらないとね?」
「……こいつぁ、かなりカオスだな」
廊下の至る所で戦闘が繰り広げられている。とはいえ地下は広いので、廊下も上階の広間くらいの幅はあり、戦闘するだけの余裕はあるのだが。敵と味方が混在し、周囲や敵の被害を抑えねばならず、強力な攻撃ができない。上級・中級はまだしも、下級魔族は対応に手を焼いているようだ。
鎮圧対象は一体一体の戦闘力は低そうだが、なにしろ数が多く、ゾンビも人型の弱いものから魔族素体らしき強力なものまで様々。ただし共通しているのは、下級のものであるということ。上級アンデッドは知能を備えており、術者に操られなくとも活動できる。エリゴスがいい例だ。
さて、エイジはざっと見回し戦況を確認。そして、ここには本来ノクトが来るはずだったことを思い出して__
「宰相エイジ、幹部ノクトに代わり只今参った! ここからは私が指揮を執る‼︎」
声を張り上げ自身に注意を向けさせ、幹部の代わりを伝えて説得とする。
「正面を開けろ! ここは私が一人でやる‼︎ 諸君らは他での戦闘に加勢しろ! その際は仕切り直させ、一対多にさせないのを忘れるな‼︎」
指示を出すと、矢と魔術を数発撃って退却の援護をする。魔族たちが退いていくのとすれ違うようにゆっくりと歩を進め、敵地の中央に立つ。そして__
「一対多になるなと言った手前アレだが……まあこれで、心置きなく戦える!」
人差し指を前に向ける。指の腹からはレーザーサイトの如く赤い光線が出ており、それで狙いを定めると__
「くらえ、バーン!」
ビームが撃たれ、アンデッドの頭部を貫いた。しかし威力が余り、後ろの壁が少し焦げついてしまった。
「少し威力高かったが……ま、こんなものか」
素早く狙いをつけ、二秒に一発のペースでやや遠めにいるアンデッド達から貫いていく。
「悪いなノクト、ここは要所だ、殲滅させてもらうぞ」
短剣を呼び出し、指に挟んで聖属性の魔力を充填する。そしてそれを投擲、せずに一度仕舞ってから、再召喚して飛ばす。短剣投げは、まだ練習中なのだ。短剣は狙いやすい腹部に放ったが、直撃すると同時にアンデッドの全身を光が包み、ジュッという焼けるような音がすると消滅、若しくは只の死体と化した。
「へえ、素体無くってもゾンビって作れるんだ」
聖属性の効力を確認したところで、アロンダイトを召喚。暫くは魔力を流し、刀身が仄かに光を放しだしたところで漸く動き出す。軽やかに舞うように辺りのアンデッドを斬りつけていくが、刀身に高密度に凝縮された聖属性は、掠っただけでアンデッドを灰に変えていく。そして、エイジ到着からものの四分で__
「ふぅ……よし、アンデッド掃除完了」
あれだけ魔族たちが苦戦していたものを、容易く総て片付けてしまった。武器を仕舞い、外套を軽く叩いて埃を落とす。
「さて、次はゴーレムか」
ゴーレムは石、粘土、鉱物と様々な素材でできていた。粘土製はのっぺり、石製金属製は岩が組み合わさったような見た目である。パーツはわりかし人型に近い。顔には穴が空いていて、その奥が様々な色に光っている。それ以外の目立った特徴は、無し。
「さてと、どう倒すか」
ゴーレムはアンデッドと違い、属性のような明確な弱点は無い。切り落とすことは容易だが、エイジの得意技である投擲は刺突になるため効きが悪く、魔術も無機物であるため単純な破壊力でゴリ押すしかない……と考えたところで__
「あれ……敵が無機物?」
そんな状況は滅多にないため、これまで考えてこなかったが、ある能力が使えるのではないかと思いつく。
「……試してみますか」
目の前のゴーレムの脇を潜って裏に高速で回り込み、背面に張り付く。そして__
「物体変形能力発動!」
能力を使う。すると、触れているものの構造が頭に入ってくる。
これもまた効果の一つ。変形させるだけでなく、物の構造が分かり、その組成もなんとなく分かる。範囲は触れている物単体(一体のゴーレム、一本の剣)、もしくは触れているところから一定の範囲(壁や巨大な構造物など)。有機物(特にタンパク質)は組成が複雑で変形もしにくいため能力は効かないが。
「なるほど、心臓の辺りにコアか」
構造を把握したことで狙うべき場所が分かった。序でに別のことも試してみる。
「なるほど、魔力で動いてるだけあって普通より抵抗力があるか」
やや苦戦しつつも関節あたりを弄って、動けなくさせてみた。
「うん、これが機械だったらもっと通じただろうなあ。回路や歯車めちゃくちゃにしてやったり。まあいいか、とりあえずコアを破壊していこう」
分析を終えると飛び降り、先ほどと同じ要領でビームを撃ち、ゴーレム達のコアを射抜いていく。時折貫手も交えながら。色々と実験的なことをしていたせいで時間は掛かったが、実際の戦闘時間は十分もなかっただろう。
「さて、殲滅完了。他の援護に向かうか」
広い廊下での殲滅が終わったエイジは、再度周りを確認し本当に片付いたか確認すると走り出した。
隣のエリアでの戦闘を確認すると、右手にアロンダイトを持ってアンデッドを斬りつけ、左手人差し指から光線を撃ってゴーレムを沈黙させる。余裕があったら破壊でなく拘束にとどめておき、魔族達への指示も忘れず与える。
一帯が終わると次のエリアへ、壁を蹴って魔族の頭上を飛び越えながら進む。苦戦しているところを確認すると割って入り瞬殺、危ない時は抱えて大きく後退、怪我している者がいたら回復魔術をかける。廊下、広間、そして保管室内を縦横無尽に駆け巡り、斬って撃って助けていく。幾つかのエリアで活動すると、再び元の場所に戻って敵が来ていないか確認し、負傷した者や疲労した者の誘導を行う。
そして、それを数度繰り返していると__
「悪いな、待たせた!」
「レイヴン……増援か。まったく、ずいぶん遅かったじゃないか」
レイヴンによって統率された、正規の戦闘員魔族達による増援が到着した。
その後は、レイヴン指揮下の魔族達によってアンデッドおよびゴーレムの制圧と先行隊の救援がなされ、それに遅れること二十分、それら全てが途端に活動を停止した。
「止まった……ふう、終わったか」
「ああ、そのようだ。ご苦労だったな」
「はいはい、ホントご苦労ですよーだ……」
敵性体の完全沈黙が確認されると、エイジはつい座り込んで悪態を吐き始めた。
「どうだい? 止まったかな?」
そこにノクトがひょっこり現れる。
「ああ、止まったようだ。んで、こうなった原因は分かったか?」
「指揮系統に改竄がされていたんだ。というより、破壊といった方が合ってるかな。で、それをプログラムし直していたから時間かかっちゃって。でも、一つ言えることは、明らかに人の手が加えられていたということ。つまりこれは、人為的に引き起こされた事件だよ」
「……そうか。ところで外は?」
「エリゴスとエレンが向かったよ。城内ほどの混乱はないし、二人とも強くて統率力あるから問題ないはず」
「分かった……昼になったら、オレが原因究明に乗り出そう。その時に報告が欲しいから、夜のうちに被害の調査を行なっておいて欲しい。取り敢えず今は、少し休ませてくれ」
「うん、おつかれさま~」
「後処理は俺達でやっておく。おやすみ、エイジ」
二人の労い、そして魔族達の感謝の声を背に、彼は寝室へと戻っていった。
ところで、この騒ぎは幹部が裏で手を引いていた、つまりマッチポンプである可能性も少し考えたが、すぐに棄却した。フォラスは研究室の設備を非常に大事にしているし、メディアも本が好きと聞く。メディアはエイジへの好感度が怪しいが、嫌悪しているというよりは興味ない感じで、証言によると事件の三十分前から城内散歩をしていたらしく、事件発生と聞くとなかなか慌てた様子で、魔導書の対応も焦りからか危なっかしいところもあったという。なにより、彼女にとってそれほど苦労する程のメリットがないのである。
と、エイジの方へ早足で向かってくる人影を見つける。輝かしい金髪、胡散臭い儀礼服。そんな奴、一人しかいない。
「おい、ノクト、何があった?」
「おお、エイジクンか。こんな時間に珍しいね、どうしたの?」
「どうしたの、はこっちのセリフだ。この騒ぎはなんだ」
「うん、それがね……保守用、及び労働用のアンデッドとゴーレム達が、僕らの制御下を離れて暴走を始めたんだ。原因は不明。僕はこれからそれらを止めに行くとこ」
「何かオレに手伝えることはあるか」
「う~ん、だったら僕の代わりに止めてきてくれないか? そのうちに原因を調査して、制御し直せるか試してみる」
「場所は」
「地下の倉庫と城の外回りが主だね。人手は二分したけど、まだ混乱してる。レイヴンとエリゴスがまだ来てないんだ」
「では、地下をやろう。んで、そいつら倒したり破壊してもいいか?」
「してもいいけど、出来るだけ抑えて? 誰かや物に被害が出そうだったり、やむを得ない限りは。貴重な資源だからね」
「了解。対応開始する」
質問を終えると踵を返し、エイジは颯爽と階段を降りて行った。
「ふふっ、頼もしくなったなぁ。……おっといけない、僕もやるべきことをやらないとね?」
「……こいつぁ、かなりカオスだな」
廊下の至る所で戦闘が繰り広げられている。とはいえ地下は広いので、廊下も上階の広間くらいの幅はあり、戦闘するだけの余裕はあるのだが。敵と味方が混在し、周囲や敵の被害を抑えねばならず、強力な攻撃ができない。上級・中級はまだしも、下級魔族は対応に手を焼いているようだ。
鎮圧対象は一体一体の戦闘力は低そうだが、なにしろ数が多く、ゾンビも人型の弱いものから魔族素体らしき強力なものまで様々。ただし共通しているのは、下級のものであるということ。上級アンデッドは知能を備えており、術者に操られなくとも活動できる。エリゴスがいい例だ。
さて、エイジはざっと見回し戦況を確認。そして、ここには本来ノクトが来るはずだったことを思い出して__
「宰相エイジ、幹部ノクトに代わり只今参った! ここからは私が指揮を執る‼︎」
声を張り上げ自身に注意を向けさせ、幹部の代わりを伝えて説得とする。
「正面を開けろ! ここは私が一人でやる‼︎ 諸君らは他での戦闘に加勢しろ! その際は仕切り直させ、一対多にさせないのを忘れるな‼︎」
指示を出すと、矢と魔術を数発撃って退却の援護をする。魔族たちが退いていくのとすれ違うようにゆっくりと歩を進め、敵地の中央に立つ。そして__
「一対多になるなと言った手前アレだが……まあこれで、心置きなく戦える!」
人差し指を前に向ける。指の腹からはレーザーサイトの如く赤い光線が出ており、それで狙いを定めると__
「くらえ、バーン!」
ビームが撃たれ、アンデッドの頭部を貫いた。しかし威力が余り、後ろの壁が少し焦げついてしまった。
「少し威力高かったが……ま、こんなものか」
素早く狙いをつけ、二秒に一発のペースでやや遠めにいるアンデッド達から貫いていく。
「悪いなノクト、ここは要所だ、殲滅させてもらうぞ」
短剣を呼び出し、指に挟んで聖属性の魔力を充填する。そしてそれを投擲、せずに一度仕舞ってから、再召喚して飛ばす。短剣投げは、まだ練習中なのだ。短剣は狙いやすい腹部に放ったが、直撃すると同時にアンデッドの全身を光が包み、ジュッという焼けるような音がすると消滅、若しくは只の死体と化した。
「へえ、素体無くってもゾンビって作れるんだ」
聖属性の効力を確認したところで、アロンダイトを召喚。暫くは魔力を流し、刀身が仄かに光を放しだしたところで漸く動き出す。軽やかに舞うように辺りのアンデッドを斬りつけていくが、刀身に高密度に凝縮された聖属性は、掠っただけでアンデッドを灰に変えていく。そして、エイジ到着からものの四分で__
「ふぅ……よし、アンデッド掃除完了」
あれだけ魔族たちが苦戦していたものを、容易く総て片付けてしまった。武器を仕舞い、外套を軽く叩いて埃を落とす。
「さて、次はゴーレムか」
ゴーレムは石、粘土、鉱物と様々な素材でできていた。粘土製はのっぺり、石製金属製は岩が組み合わさったような見た目である。パーツはわりかし人型に近い。顔には穴が空いていて、その奥が様々な色に光っている。それ以外の目立った特徴は、無し。
「さてと、どう倒すか」
ゴーレムはアンデッドと違い、属性のような明確な弱点は無い。切り落とすことは容易だが、エイジの得意技である投擲は刺突になるため効きが悪く、魔術も無機物であるため単純な破壊力でゴリ押すしかない……と考えたところで__
「あれ……敵が無機物?」
そんな状況は滅多にないため、これまで考えてこなかったが、ある能力が使えるのではないかと思いつく。
「……試してみますか」
目の前のゴーレムの脇を潜って裏に高速で回り込み、背面に張り付く。そして__
「物体変形能力発動!」
能力を使う。すると、触れているものの構造が頭に入ってくる。
これもまた効果の一つ。変形させるだけでなく、物の構造が分かり、その組成もなんとなく分かる。範囲は触れている物単体(一体のゴーレム、一本の剣)、もしくは触れているところから一定の範囲(壁や巨大な構造物など)。有機物(特にタンパク質)は組成が複雑で変形もしにくいため能力は効かないが。
「なるほど、心臓の辺りにコアか」
構造を把握したことで狙うべき場所が分かった。序でに別のことも試してみる。
「なるほど、魔力で動いてるだけあって普通より抵抗力があるか」
やや苦戦しつつも関節あたりを弄って、動けなくさせてみた。
「うん、これが機械だったらもっと通じただろうなあ。回路や歯車めちゃくちゃにしてやったり。まあいいか、とりあえずコアを破壊していこう」
分析を終えると飛び降り、先ほどと同じ要領でビームを撃ち、ゴーレム達のコアを射抜いていく。時折貫手も交えながら。色々と実験的なことをしていたせいで時間は掛かったが、実際の戦闘時間は十分もなかっただろう。
「さて、殲滅完了。他の援護に向かうか」
広い廊下での殲滅が終わったエイジは、再度周りを確認し本当に片付いたか確認すると走り出した。
隣のエリアでの戦闘を確認すると、右手にアロンダイトを持ってアンデッドを斬りつけ、左手人差し指から光線を撃ってゴーレムを沈黙させる。余裕があったら破壊でなく拘束にとどめておき、魔族達への指示も忘れず与える。
一帯が終わると次のエリアへ、壁を蹴って魔族の頭上を飛び越えながら進む。苦戦しているところを確認すると割って入り瞬殺、危ない時は抱えて大きく後退、怪我している者がいたら回復魔術をかける。廊下、広間、そして保管室内を縦横無尽に駆け巡り、斬って撃って助けていく。幾つかのエリアで活動すると、再び元の場所に戻って敵が来ていないか確認し、負傷した者や疲労した者の誘導を行う。
そして、それを数度繰り返していると__
「悪いな、待たせた!」
「レイヴン……増援か。まったく、ずいぶん遅かったじゃないか」
レイヴンによって統率された、正規の戦闘員魔族達による増援が到着した。
その後は、レイヴン指揮下の魔族達によってアンデッドおよびゴーレムの制圧と先行隊の救援がなされ、それに遅れること二十分、それら全てが途端に活動を停止した。
「止まった……ふう、終わったか」
「ああ、そのようだ。ご苦労だったな」
「はいはい、ホントご苦労ですよーだ……」
敵性体の完全沈黙が確認されると、エイジはつい座り込んで悪態を吐き始めた。
「どうだい? 止まったかな?」
そこにノクトがひょっこり現れる。
「ああ、止まったようだ。んで、こうなった原因は分かったか?」
「指揮系統に改竄がされていたんだ。というより、破壊といった方が合ってるかな。で、それをプログラムし直していたから時間かかっちゃって。でも、一つ言えることは、明らかに人の手が加えられていたということ。つまりこれは、人為的に引き起こされた事件だよ」
「……そうか。ところで外は?」
「エリゴスとエレンが向かったよ。城内ほどの混乱はないし、二人とも強くて統率力あるから問題ないはず」
「分かった……昼になったら、オレが原因究明に乗り出そう。その時に報告が欲しいから、夜のうちに被害の調査を行なっておいて欲しい。取り敢えず今は、少し休ませてくれ」
「うん、おつかれさま~」
「後処理は俺達でやっておく。おやすみ、エイジ」
二人の労い、そして魔族達の感謝の声を背に、彼は寝室へと戻っていった。
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