思い出ブリッジ

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アルバ戦争 編

第一話 はじまりの夜 

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  俺の名前は橘 和也(タチバナ カズヤ)。俺には昔からよく遊んでいた幼馴染がいる。幼馴染の名前は藤宮 百合香(フジミヤ ユリカ)。俺達は仲こそ良いものの、お互い異性としては見ていない...はず。
   別にそいつのことが好きというワケじゃないし、彼氏でもない。
  ただ、そいつは"可愛い" ...だから、一緒に花火大会へ行くのも楽しみだった。
  そう、今日は夏の大イベント"花火大会の日"であり、俺と百合香が"あの場所へ行く日"である。


「かずくーん!はやくはやくっ!」

  百合香の声がした。百合香は僕に手を差し出し、そして俺の手を引く。俺は強引に引っ張られ...たように見せて、彼女の手をぎゅっと握りしめた。少し汗ばんだ手で握ったのですぐに解けそうになる、そうしたらもう一度ぎゅっと握りしめた。このような事を何度もしながら、俺と百合香は花火大会の会場に向かった。

  「はぁはぁ...もうちょっとだよ、かずくん...。」

  息を切らしながら百合香は言った。会場は周りよりも明るく、賑わっているのですぐに分かった。あと少しか...そんなことを思っていると

  「あ!和也と百合香!手ぇ繋いでるぞー!」

  「ほんとだ!デートかよ...!」

  「「ひゅーひゅー!」」

  やかましいわ!そこにいたのは同級生の健太と裕也、いつも俺達をいじってくる二人。コイツらには怒りはするものの、内心ちょっと嬉しい自分がいる...

  「もぉー、私達はただの幼馴染だってー!
手だってかずくんがなかなか来ないから繋いだのー!!」

  えぇー...、百合香にそう言われるとちょっと悲しい。まぁ、俺もいつも嫌がってるし...百合香は天然だから俺の気持ちなんか......って、別に好きじゃない好きじゃない。

  「いこっ、かずくん!」

  怒り口調で百合香はまた俺の手を引く。怒った顔も可愛い...っくない!!なんでそんなこと考えるんだ...!もしかして…俺は...百合香のことが......うわぁぁぁ!
  百合香は一人で葛藤している俺を不思議そうに見ていた。そして黙って俺を連れてゆく。
  会場に近づくたびに周りの明るさ、賑やかさは増していく。むしろうるさいくらいに。
 会場へと続く一本道の両隣には色々な屋台が出ていた。たこ焼き、やきそば、りんご飴、チョコバナナやクレープまで。それらの匂いが入り混じって、不思議な匂いが辺りを包んでいた。すると、

ぎゅるるるる~

  まるで楽器のような腹の音が聞こえた。勿論、俺の腹ではない。俺はなるべくお金を使わないようにと、母の知恵でもう夕飯を済ませてある。飲み物だって現地で買わないように家から持ってきたペットボトル(500mℓ)で何とかしてる...。となると、腹の音の正体は...

  「ご、ごめんかずくん...ちょっと、寄っていいかな...。」

  水でも浴びたような汗をかき、恥ずかしそうな顔をしている百合香かがそこには居た。そんな彼女の姿を見て俺は首振り人形のように頷いた。
  それを見た百合香は満面の笑みで笑い、クレープの屋台に一目散に走っていった。あぁ、クレープなんてなんて高い高い...なるべくお金を使いたくない俺はそんなことを思っていた。すると、百合香が不満そうな顔でこちらに戻ってきた。

  「こらこら。かずくんも来るんだし、買うの!」

  えぇ...、そんなの買ったら夕飯を済ませた意味がなくなるじゃないか...。とは言うものの、彼女のお願いを断ることなんて俺にはできなかった。
  百合香はその屋台のオススメメニューに書いてあったクレープを頼み、俺も同様に同じものを頼んだ。すると屋台のおじさんが頬を緩ませ

  「ほう、お前ら付き合ってんのか…!しゃーない、負けてやるよ!」

  「べ、別にそんなんじゃ...。」

  百合香が顔を真っ赤にして否定していたが、おじさんはしっかり俺と百合香の二人分、値引きしてくれていた。百合香はクレープを受け取ると、静かにその場を去っていった。あれ、あいつお金払ってたっけ...。

  「おっ、彼氏さんの奢りか!いい男だ!」

  そう言うとおじさんは僕の方に手を差し出し、急かせるように手を揺らした。後ろには他の客もいたので、仕方なく俺は二人分のクレープの値段を支払った。
  屋台から離れ、百合香を探す。が、見つからない。どこに行ったんだあいつ...。辺りを見渡すが、人ごみの中なので見つけるのは至難である。百合香の身長が高ければ目立って見つけることも安易だが、あいにく160cmとやや小さい。
  その後もしばらく百合香を探していたら、背後から誰かに呼び止められた。もしかして百合香...、そう思い、小さな期待と共に振り返る

  「あ、やっぱり和也!なぁ、健太見てない?」

  裕也だ。百合香ではなかった。どうやら、裕也も健太とはぐれたらしい。もちろん健太のことは知らないので、俺は首を横に振った。裕也も俺と百合香が一緒にいないことにすぐ気づき、お互い様だな、と笑っていた。こちらは笑い事ではないのだ...。
  それから裕也と一緒に百合香と健太の2人を探すことになった。探している途中、俺の頭は不安と焦りで満ちていた。彼女が変なやつに絡まれてたらどうしよう、寂しそうにしてたらどうしよう、そんなことだけが頭の中で走り回っていた。まぁ、元はと言えばあいつが先にどっかに行ったのが悪いんだけど、そこは止めるのが俺の仕事だったから。
  一方、裕也はと言うと

  「健太いねぇな...、あ!和也!くじ引き屋行こうぜ!あそこ絶対当たりねぇからな!全部買いしめてやんよ!」

  このように呑気だ。発想も小学生並である。まぁ、俺だって友達とはぐれたぐらいで動揺なんてしない。ましては男友達なんてもっとだ。でも今は違う。百合香は俺の大切な...大切な..."幼馴染"なんだ!!
  裕也は顔を真っ青にしている俺を見て、大丈夫か、と声をかけた。俺は大丈夫ではないが、裕也の気遣いを無駄にさせまいと首を縦に振る。気まづい雰囲気のまま、人ごみの中を切り分けて俺達は行く。
  進んでいくうちに屋台の数は減っていく。これは花火大会の会場へと近づいている印、もしかして百合香はもう会場にいるのかも...いや、いてくれ。そんな願いを胸に、俺は足を進めた。
  
「あ、健太だ。」

  そう言って指を指した裕也の指先にはたこ焼きを頬張っていた健太の姿がみえた。裕也は手のひらを合わせて謝罪の姿勢をとり、健太の方に走っていった。裕也は健太のところへ着くと軽くどついて、残り1個となったたこ焼きを食べていた。まさに"なかよし"である。
  何はともあれ、これでまた一人になった。でも俺的には1人の方が都合がいい。変に気を使わなくていいし、なにより百合香を見つけた時に裕也がいると気まづさが増す...。
  再び百合香を探そうと会場へ目指そうとした時、健太と裕也が猛ダッシュでこちらに走ってきた。

  「か、和也!健太が百合香見たって!」

  「見た見た!百合香ちゃん、会場に向かってたよ!和也が一緒じゃなかったからおかしいなとは思ってたけど、そういう事だったのか。」

  ほんとに?俺は何度も聞いて確かめた。自然と顔がニヤける、二人にはバレたくないのですぐ戻す、けどまたニヤける...。

  「和也...早く行けよ...。」

  呆れた声で裕也が言った。俺は一目散に会場へと走っていった。もう2人にはバレバレだったんだろうなぁ。いや別に何も隠してないけど。
  そしてようやく会場についた。花火はこの会場の奥にある大きな川の向かい側の河川敷から打ち上げられる。特に今年の花火はなんかの記念らしくて、特別らしい。それと同時に今年の花火は"俺と百合香にとっても特別"なのである。
  会場の光は刺すように眩しい。人の数も今まで来た道と非にならない。太鼓の音や人々の声で隣にいるカップルの会話すらよく聞こえない。こんな中で百合香を見つけることなんて出来るのだろうか。そんな不安が頭をよぎった時、

  《ご来場の皆様、本日は"羽橋市・大花火大会"にご参加頂き、誠にありがとうございます。花火の打ち上げ開始まであと五分となりました。今しばらくお待ちください》

  花火大会のアナウンスだ。あと五分...、もう少しで始まってしまう。今年は"絶対に"あいつと見なければならないのに。心の中をかきむしられるような激しい焦燥に襲われた。
  辺りを見渡す、が、いない。ベンチ、いない。屋台、いない。どこにも、いない。いない、いない、いない、いない!!!周りの雑音がよりいっそう増して、頭がぼうっとした。景色も微かに歪んできた。
  ハッとして思った。もしや河川敷に...、俺は宙を飛ぶように駆けた。途中、人とぶつかる事が何度かあったが気づかなかった。それほど急いでいた。
  河川敷に着いて、会場と同様に辺りを見渡す。しかし、やはりいない。百合香の姿はどこにも見えなかった。現在時刻は19:29...、ここでまたアナウンスが入った。

  《大変長らくお待たせしました。まもなく打ち上げ開始です。それでは、毎年恒例のカウントダウンを始めます...。》

  あぁ、始まる。"今年も"あいつと見れなかった。今どこにいるんだろう、怒ってるかな。後でどうやって謝ろう...

  《10!9!8!7!6!5!4!...》

  もうすぐで打ち上がる花火、俺には百合香と見なければいけない理由があった。絶対に守らなければならない理由が...。

  《3!》

  俺は二年前、今通っている"羽橋高校"に入学した。もちろん幼馴染の百合香も一緒。当時、引っ込み思案だった俺は百合香とばかり話していた。俺は百合香と話せるだけでいいと思い、他の生徒とはほとんど喋らなかった。
  でも、百合香にはどんどん友達ができた。その可愛さゆえに女友達はもちろん男友達もできた。これが一年生の後半、それから俺は百合香と話すことが少なくなり、俺も俺なりに友達ができて引っ込み思案も治った。ある意味、彼女のおかげである。

  《2!》

  二年生になって、百合香には彼氏ができた。ちょっとチャラかったけど優しくて良い奴だった。俺も仲が良かった。百合香は幸せそうだった。そんな彼女を見て、俺は嫉妬に似た感情を抱いた。それまではただの幼馴染という見方でしかなかった彼女に好意を抱いてしまった。だから、彼女の幸せが俺に不快感を与えていた。自分勝手だった。
  まさに幸せの絶頂、皆そう思っていた。が、二年生の十月にある事件が起きた。かなり大きな事件だ。それがきっかけで百合香は彼氏と"別れた。"彼氏も学校を退学させられるまでになった。
  百合香はひどく悲しんだ、彼氏の事ではない。自分自身に泣いたんだ。そんな彼女の姿を見て、俺は"守りたい"と思った。

《1!》

  二年生の冬、クリスマスの日に俺は百合香に告白した。幼馴染だから、という理由で一緒に出かけることには苦労しなかった。百合香は目をまん丸にして驚いた。そして、恥ずかしそうに言った。

  「ごめん、付き合うことは"今は"出来ない!私も色々と整理したいことあるし...でもね、かずくん...私を守ってくれる?」

  その瞬間、涙が溢れた。これがフられたことによる悲しさなのか、守って欲しいと言われた嬉しさなのかはよく分からなかった。とにかく俺は壊れた人形のように首を振った。その時にお願いされたんだ。

ー今年の花火大会は一緒に見ようねー

  と。でも、もう叶わない。大げさかもしれないけど、今年の花火はあいつと見たかった...。

《0~~~!!!》



「かずくん?、、、」


  え...。
  

ひゅーーー...ドォォォオン!!!

  振り返ると、鮮やかな花火と共に、百合香の姿があった。お互いにポカーンとした表情のまま見つめ合ったまま、二発目の花火が上がった。

  「なんだぁ、かずくんいるじゃんか。」

  はじめに口を開いたのは百合香だった。百合香はそう言うと、俺の手を引いて取っておいた場所へと連れていった。まるで何事も無かったかのように。あまりの急展開に、恥ずかしがる余裕もなく、握った手に汗はかいていなかった。なんだ、この軽々しさ...。俺はなんであんなに必死になっていたんだ。俺は何故か悔しかった。
  百合香が取っておいた場所に着き、そこに座って花火を見ることにした。そこには百合香の手作りの弁当やら水筒やらがあり、ピクニックに来ているようだった。
  ここに来てふと思い出したことがある。クレープの代金の話だ。百合香を見つけたら真っ先に言おうと思っていたのだが、すっかり忘れていた。というか、こんな事になったのは絶対にこいつのせいなんだ...!一つ咳払いをし、彼女の方を見た。でも、言うのはやっぱりやめた。あまりに綺麗な目で、嬉しそうに花火を見ていたから。俺も仕方なく彼女とともに花火を見た。
  よく晴れた夜空を覆い尽くすように、巨大な菊型の花火が炸裂した。手を伸ばせば届きそうなほどの近さだった。光の玉が一瞬のうちに視野いっぱいにまで広がってゆく。きらきらとした火の粉が今にも顔面へ降りかかってきそうだった。横に目をやると、百合香が瞳を大きく開けて空を見つめていた。花火が赤や緑へと色彩を変えるたびに、菊や滝が空一面に広がるたびに、彼女の頬は様々な色に変化していった。

  「約束、守ってくれたね。」

  百合香はにっこりとしてこっちを見た。そのあまりの可愛さに俺は胸をうたれた。俺はすぐに顔を逸らした。百合香はそれを見てクスっと笑った、そしてもう一度花火を見る、

  「...かずくんが彼氏でもいいかな...。」

  聞こえるか聞こえないかの小さな声で言われた言葉は、俺には聞こえなかった。百合香にもう一度言って欲しいと頼んだが、答えてはくれなかった。俺がこの事を知るのはもう少しあとの話。


  その後、約二時間に渡る花火大会を見て俺と百合香は帰ることにした。お互い、家は近いので歩きで帰る。帰る途中、百合香が海に行きたいというので海に寄ることにした。

  「もうちょっとだと思うんだけどな...。」

  百合香が不安そうに言った。たしかに、ちょっと長いな。海は花火大会の会場からそんなに遠くない筈なんだけど...。そーいえば、明らかに街灯が少ないな。会場が明るすぎたのもあると思うが、明らかに周りが暗すぎる。海につづく橋も見つからないし...もしかして道を間違ってるんじゃ...。

  「あっ、あった!かずくん!あったよ、橋!」

  百合香が叫んだ。百合香が見ていた方向にはたしかに橋があった。良かった...だけど、何かがおかしかった。百合香は何の疑いもなく橋へと走っていった。何だろう、この違和感は...。
  百合香が橋を渡ろうとした時、俺は違和感の正体に気づいた。そこ...崖だ。俺はすぐに百合香を呼び止めた。

  「え、うわっ!ほんとだ!この橋浮いてるよ!」

  百合香には怖がるどころか、むしろ嬉しがっていたような感じがした。俺は百合香のところへ行き、橋を見た。白く透き通っているガラスような素材で出来ていた。その橋はこの崖から続き、ずっと奥まで続いていた。どこまで続いているんだ...。そもそも、こんなところに何故橋があるのかが不思議でたまらなかった。ここは海へと続く道の反対側にある崖だ。どうやら、やっぱり道を間違えていたらしい。この崖、昔は有名な自殺スポットとして広まっていたと聞いたことがある。もしかして、なにかの心霊現象か...。色んなことが頭に浮かぶ中、一つだけ確かなことはここは"危険"であるということ。一刻も早く逃げた方がいい。
  そう言って百合香を説得したが、彼女はまるで聞く耳をもたない。明らかにおかしな橋、おかしいのだけれども、彼女と二人なら渡ってもいい気がしてきてしまった。
  我慢出来なくなった百合香は、思い切ってその橋へと足を踏み出した。...橋には何の変化も見られない。少なくとも橋自体は丈夫らしい。彼女のあとにつづき、俺も橋を渡る。先程も言ったように橋はガラスのような素材で出来ており、下を見れば崖が見えるようになっていた。崖の下は樹海になっていて、そこには自殺者の死体が転がっているとか、いないとか...。樹海の手前だったらまだ回収される可能性があるが、奥へ行くほどその可能性が高くなる。
  俺と百合香は先の見えないその道を、ただただ歩いていった。まるでなにかに導かれて行くように。

  もうどれくらい歩いただろうか。ひょっとしたらこの橋に終わりなんてないんじゃないだろうか、それとも今までのこと全て夢なのだろうか。歩いても歩いてもたどり着かないので徐々に橋の存在すら疑う。その時、

  「かずくん!見て!あそこで橋が終わってる!」

  百合香が叫んだ。正確に言えば、終わっている、ではなくて、この橋が"大陸に繋がっていた"のだ。
  俺と百合香は橋からその大陸へと進んだ。ちょっと後ろを振り返り、俺は驚いた。もうそこに橋はなかったのだ...。崩れ落ちたのか、いや音は一切聞こえなかった。まるで元々そこには何もなかったかのような、そんな風景がそこには広がっていた。

  「かずくん、なにしてんの?早く行こ!」

  なんで百合香はこんなに陽気なんだ。とにかく、橋のことは彼女には言わないことにした。
  百合香を先頭にして、俺達はその大陸の奥へと進んでいった。どうやら、ここはどこかの森林らしい。見渡す限り森である。ただ、この森林は自然のものには見えなかった。なぜなら、地面が鉄で出来ていたからである。その上に土を被せて、自然のように見せかけている。明らかに人工のものである。
  しばらく進んでいくと、少し開けた場所についた。

  「かずくん、ちょっと休もうか…。」

  ここまでずっと歩き続けてきたのだ。疲れるのも無理はない。俺だって休みたいと思っていたところだ。
  俺達はその場に腰を下ろして、休憩することにした。百合香が花火大会に持ってきていた弁当やら水筒やらの残りがあったのでそれを食べてたりした。

  「ここ、どこなんだろうね...。」

  百合香が聞いてきた。もちろん俺は知らないので、どこなんだろうね、と相づちを返すだけだった。百合香はそんな俺を見て、少しムスッとしていた。知らないものは知らないのだからしょうがないだろう...。
  休憩も終わり、再び森の奥へと進もうとした時、

  ガサガサ...

  明らかに茂みが動いた。俺はすぐに危機を察して、下がってて!と百合香を後ろにやった。
  すると、すぐにその茂みから人影が飛び出してきて、俺達の前に現れた。
  その瞬間、俺と百合香は内部から突き上げられるような恐怖に襲われた。
  そこに立っていたのは、左腕が無惨に引きちぎられていた血まみれ少年だった。
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