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103:サプライズ
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「とても珍しいお酒を二人で準備したので、どうぞ皆さんで召し上がって下さい。きっと、デザートにも合うと思います。けれど王妃殿下とお近づきの印のものなので、まずは国王陛下と王妃殿下に飲んで戴いてもよろしいでしょうか?」
第二王子夫人は、笑顔で国王や前国王の方を見ながら言う。
「構わん。皆が仲良くしてくれることは、年老いた病人の私には嬉しいことだ」
前国王のその言葉で、酒の準備が進められる。
毒味の済んだ酒の入ったグラスが2つ、盆に乗せられて運ばれて来た。
第二王子夫人は、ソフィアへ1つのグラスを手渡すと言った。
「あなたから王妃殿下へお渡しして」
「あ、はい……」
「次は国王陛下に」
ソフィアは言われるがままにグラスを手渡した。
(国王陛下が先ではないのね……)
ソフィアはふと思ったが、深く気にはしなかった。
……気にする余裕はなかった。
「乾杯」
そして国王夫妻は2人で軽くグラスを合わせると、同時に酒を口に含む。
「不思議な味のする酒だな。これは何の味だ? しかし、うまいな」
そう言って国王は、残りを一気に飲み干してしまう。
国王の酒好きは有名だ。
(私は全く関与していないけれど、喜んでいただけたようで良かったわ)
ソフィアは国王夫妻を見ていた。
王妃は一気飲みした国王をチラッと見たが、表情を変えない。
「本当に美味しいわ。わざわざありがとう」
「喜んでいただけて、私もソフィア様も嬉しいです」
王妃は礼を言った時に一瞬だけ表情を和らげたが、またすぐに無表情に戻った。
満面の笑みの第二王子夫人を横目に、ソフィアは愛想笑いを浮かべておく。
(王妃殿下と第二王子夫人は、やはりあまり仲が良さそうではないわね……)
ソフィアが客観的にその場を見ていた、その時……
「うっ……」
「陛下?」
様子のおかしい国王に、王妃が声を掛ける。
次の瞬間、国王はテーブルに上体を突っ伏した。
テーブルの上にあった皿やフォークなどが、床に落ちて大きな音を立てる。
”ガシャーーーンッッッ!!!”
「くっ……頭が痛い……」
「陛下!? 医者をすぐに呼んでちょうだい!」
顔を真っ赤にして苦痛に顔を歪める国王に、ソフィアは思わず手を伸ばそうとする。
「陛下、大丈夫ですか!?」
その瞬間……
”バシッ”
王妃にソフィアのその手は振り払われた。
第二王子夫人は、笑顔で国王や前国王の方を見ながら言う。
「構わん。皆が仲良くしてくれることは、年老いた病人の私には嬉しいことだ」
前国王のその言葉で、酒の準備が進められる。
毒味の済んだ酒の入ったグラスが2つ、盆に乗せられて運ばれて来た。
第二王子夫人は、ソフィアへ1つのグラスを手渡すと言った。
「あなたから王妃殿下へお渡しして」
「あ、はい……」
「次は国王陛下に」
ソフィアは言われるがままにグラスを手渡した。
(国王陛下が先ではないのね……)
ソフィアはふと思ったが、深く気にはしなかった。
……気にする余裕はなかった。
「乾杯」
そして国王夫妻は2人で軽くグラスを合わせると、同時に酒を口に含む。
「不思議な味のする酒だな。これは何の味だ? しかし、うまいな」
そう言って国王は、残りを一気に飲み干してしまう。
国王の酒好きは有名だ。
(私は全く関与していないけれど、喜んでいただけたようで良かったわ)
ソフィアは国王夫妻を見ていた。
王妃は一気飲みした国王をチラッと見たが、表情を変えない。
「本当に美味しいわ。わざわざありがとう」
「喜んでいただけて、私もソフィア様も嬉しいです」
王妃は礼を言った時に一瞬だけ表情を和らげたが、またすぐに無表情に戻った。
満面の笑みの第二王子夫人を横目に、ソフィアは愛想笑いを浮かべておく。
(王妃殿下と第二王子夫人は、やはりあまり仲が良さそうではないわね……)
ソフィアが客観的にその場を見ていた、その時……
「うっ……」
「陛下?」
様子のおかしい国王に、王妃が声を掛ける。
次の瞬間、国王はテーブルに上体を突っ伏した。
テーブルの上にあった皿やフォークなどが、床に落ちて大きな音を立てる。
”ガシャーーーンッッッ!!!”
「くっ……頭が痛い……」
「陛下!? 医者をすぐに呼んでちょうだい!」
顔を真っ赤にして苦痛に顔を歪める国王に、ソフィアは思わず手を伸ばそうとする。
「陛下、大丈夫ですか!?」
その瞬間……
”バシッ”
王妃にソフィアのその手は振り払われた。
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