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97:ジャックの父(前国王)へ知らせる時①

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ソフィアはジャックから陛下のご子息の病状を聞き、思い出したことがあった。
そのため、城内の図書館への出入り許可を貰い、ブライトが運動に行っている間は図書館で過ごすようになった。

「んー。中々お目当てのことが書いてあるものを見付けられないわね……」

毎日そう呟きながら……




中庭でソフィアと第二王子夫人が会ってから一週間が過ぎた頃。
ソフィアとブライトは、ジャックに連れられ国王へ会いに行くこととなる。

「第二王子夫妻の最近の行動が気になります。何かを企んでいる可能性もあります。あまり調子に乗らせないためにも、前国王陛下にソフィアとブライトのことを知らせるのはどうでしょうか?」

そう国王へ提案したのは、ジャックだった。
もう既に国王と第二王子には知られているのだから、ジャックとしては父である前国王に隠す必要はない。
それに、未だ影響力のある前国王に知らせることは、国王とジャックにとってメリットは大きいのだ。

「……そうだな。父上は喜ぶだろう。そうすれば城内にも俺たちの味方が増える。密かにジャッカーソンの人気は高いから、ジャッカーソンに子供……それも男児がいることが知れ渡ることもまた、我々にとって良いことだ」

国王は苦笑いでそう言った。

(陛下は自分の子供の病状が思わしくない時に、本当ならこのような報告はしたくないだろうな……)

ジャックは国王の気持ちを分かってはいたが、それでも国のことを考えて何も言わずに即決してくれたことに、心の中で感謝したのだった。





こうして今ソフィアとブライトは、ジャックと国王・王妃との5人で、前国王陛下の元を訪れている。

(王妃殿下までいらっしゃっているわ。どのような会話がなされるのか不安があって、ご自身で確認したいのかもしれないわ……)

緊張しながらも、ソフィアは冷静にそのようなことを考えていた。


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