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83:新しい生活
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「実は国王陛下の一人息の体調が最近優れないのだ。そこへ、国王陛下の弟である第二王子殿下に男児が産まれ、最近城内がピリピリしている。元々王位継承権争いをしていて仲の悪かった二人だからな。そこへ俺まで男児がいると知られるのは今はまずい。国王陛下夫妻の感情を刺激することとなる。今は報告のタイミングがとても悪いのだ」
苦笑いでそう言うジャックの心労に、ソフィアも心が痛くなる。
先日プロポーズをしてくれた後、二人は今までの空白の期間を埋めるように話した。
以前とは違い、包み隠さずに全てを。
今回はお互いのことを知りたいと、二人共が思っていたのだ。
その時に、なぜジャックが放蕩生活をしていたかの理由も、ソフィアは聞いていた。
(やはり高い地位の人には、私にはわからない問題が色々とあるのね……)
改めてそう思いながらも、ソフィアはもう何の迷いもない。
「私とブライトはジャック様の味方ですからね」
(私はこれからの人生を、ブライトとジャック様に全て捧げるわ)
ソフィアは心の中でそう誓ったのだった。
その一週間後、無事にソフィアとブライトは引っ越した。
ジャックは周囲に知られないように基本的には城で寝泊まりをし、ソフィア達の屋敷へ通える日は毎日通っている。
「ジャック様!」
「ブライト、今日も元気か? 食事の後で昨日の続きをして遊ぼう」
同居は出来ていないが、それでもブライトはとても嬉しそうだ。
勿論ソフィアもで、毎日ブライトと一緒にジャックが来るのを楽しみにしている。
一カ月が経ち三人で過ごす時間が当然となり、三人共幸せを噛みしめていた。
突然の訪問者が来るまでは……
苦笑いでそう言うジャックの心労に、ソフィアも心が痛くなる。
先日プロポーズをしてくれた後、二人は今までの空白の期間を埋めるように話した。
以前とは違い、包み隠さずに全てを。
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その時に、なぜジャックが放蕩生活をしていたかの理由も、ソフィアは聞いていた。
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