正直なキミともういちど青春する臆病な僕。

ふじのはら

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#15 全部が欲しい※R18

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「はぁっ、、わくら、もうやめ、、」
俺は川原に肩を掴まれて顔をあげた。
「どうした?」
「もういい、俺ひとりでいっちゃうから」
俺を見下ろす川原の上気した表情にゾクリときて、口の中で脈打っていたガチガチのものが俺のせいで果てるところを見たくなる。
「じゃあ、、俺も自分で、、川原と一緒にいく」
膝をついた体勢のまま自分のものを握ると、俺は川原のものに舌を這わせながら手を動かした。
「っっ、」
「和倉、、」
口の中で川原がびくびくと反応している。
川原は長いストロークでの動きに弱い。なるべく深く口に含んでから先端までズッと引き抜く。そうして裏筋に舌先を沿わせてズッと根元まで飲み込むのだ。
「ぅあっ、やば、、」
川原の腰が揺れる。エロい、、
俺は両手で自分のものを扱いた。片手で先の方を刺激してもう片手で強く扱いた。
川原の腰が揺れるのが何ともエロくて、彼につられるようにして込み上げる。
「わくら、も、出そ、、わくら、、」
目だけで川原を見上げると、もう我慢も限界の切ない顔をしている。
口の中でギンギンに張り詰めたものを弾けさせるのに何の苦労もいらないだろう。でも、、、
俺は自分のものを手で追い詰めながら心の中では別の欲望に迫られていた。
川原を、知りたい、、
「っっ、ごめ、、出るっっ!」
口の中で一瞬膨らんだ川原のものはビュッビュッと2、3度震えて熱いものを俺の喉に流し込んだ。川原のものを口内に受け止めると俺は自分の手を止めた。

「っはあ、、ごめん、やっぱりイけなかった?」
「、、あ、いや、、」
「?俺がするよ?」
「、、、」
「和倉、、?どうした、、?なんでそんな顔すんの、、」
膝を付いたまま不安に押しつぶされそうな俺を見て、慌てた川原が腕を引いて俺を立たせる。
「川原、、おまえさ、、俺の事好き?」
「え、何?、、当然。好きだよ。和倉がいないのは考えらんない」
「じゃあ、、このままベッド行ってくれないか」
「え、、、和倉?」
「川原、、最後まで、しよう」
「っ」

川原はベッドの上で最後の確認のように俺をぎゅっと抱きしめて
「俺のためとかならやめなよ。」
そう言って俺を覗き込んだ。
「違うって。俺が川原と最後までしたいんだよ。ずっと思ってた。、、けど川原にそんな自分見せるの怖い気がしてた、、」
「、、、」
「でも最近よく高校の頃のこと思い出したり話したりして、なんか色々くるものがあった、、今はお前の全部が欲しい、、川原の全部を貰えるのは俺だけだって思いたい。」
「こんな俺ならひとつ残らずやるよ。その代わり、多過ぎて持ちきれなくても放り出したり出来ないよ?」
彼の優しい言い草にクスリと笑いがもれた。

誘ったくせに不安な顔をしている俺を、川原はゆっくりと組み敷いた。
理性にしっかり制御された瞳の奥に、雄の色を揺らして俺を見下ろしている。
川原は今までも最後までしたかった筈だ。でも俺が望まない限り、彼は当たり前に自分の望みを捨てるだろう。
今だって俺を心配して同じように不安そうな顔をしている。
「、、さっきコンビニで、ゴム買ったんだ。ローションも持ってきてる」
「わかった。最後までしよう。もしそのあとキツイならそれは俺も一緒に受け止めるから。和倉は1人じゃないから。高校からずっと。」

川原はきちんと勉強していたようで、迷いのない動きでローションを俺の中心に垂らした。
ヌルヌルとゆるく前を扱く。
後ろに垂れて行った液を指で掬い取るようにして小さな孔に塗り付けた。
「っ!、、川原、俺さ、そっちは6年近くも何もしてないんだ、、実はちょっと怖い、、」
「大丈夫だよ。和倉がやめろって言ったらやめるから。」
孔の周りをくるくると指で擦り、そのままタマやサオまでぬるりと滑る。
暫く川原は俺が快感への期待に折れるのを待っていた。彼の思惑通り、孔に触れられただけで次の展開を期待して体がピクっと反応し出した頃だ。
川原の指がつぷっと孔を割った。
「っふ、、つっ、、」
「こんなにキツイのか、、、」
独り言のように呟いて、川原は小さく指を出し入れした。排泄に似た妙な快感に恥ずかしさや背徳感が湧き起こる。
「和倉の中、、熱いんだね、、」
「あっ、、か、かわはら、、」
「痛くない?2本にして良い?」
俺がこくこくと頷くとすぐにグッと孔を押し広げながら2本目が差し入れられた。
「大丈夫?和倉。俺一応勉強したんだけど、うまく出来てなかったら教えて」

2本の指に軽く軽くマッサージされて、懐かしい快感に全身が粟だった。
ほぐれてくるに従って快感は強くなっていき、理性の塊が端からパラパラと崩れていく気がする。俺はもれ出そうになる声をただ噛み殺していた。
その時だ。川原の指が中で確信を持って蠢いた。
「んっっっ」
「あった?ここ?前立腺」
荒い息をする俺を見つめる川原の目は冷静で、俺の反応を確かめるようなその目に顔がカッと熱くなる。
「っや、かわ、、っっ」
「和倉すごい前もビクビクいってる。すっごいエロい、、」
「川原、見んな」

そうだ、、そうだった、、
この快感を先輩に教えられて、前を扱くだけの快感なんて桁違いだと知ったんだ。
この快感は、、自分の理性を飛ばしてしまう。
怖い、、

「和倉、キスしよ」
川原は俺の横へ移動するとキスをした。
後ろの孔は相変わらず2本の指で解されているものの、強い刺激を避けた動きにかわり心地よい快感を与えて来る。
「っは、、ぁ、、」
「和倉、、和倉の姿で俺何もしなくてもイケる気がする」
「っふ、、それ、見たい、、」
ゆるやかな快感と、耳元で言う低い声、その言葉にふっと笑って体の力が抜ける。
その瞬間、スリと摩られた
「っあっっ、、ぅくっ、、まって、、」
「もっと見せて和倉。俺にだけ見せる顔」
「んんっ、っっは、、ぁ、」

一瞬強い刺激を与えた指は、また軽い心地よい刺激に転じて川原の甘い言葉が耳へ流れ込んでくる。

わかってる。川原が何をしているのか、、川原は常に俺が快感を自然に追うようにしているのだ。無理やり前立腺を攻めて俺を馬鹿みたいに喘がせることも出来るのに、彼はそれをしない。今までもそうだった。俺が自然に求める状況を、“求めざるをえない状況”を作っている。

だから、、まただ、、もう少し強い刺激が欲しい、、
長い時間をかけて川原は俺の後ろをトロトロにした。ときおり弱い所を擦って、俺が耐えられなくなるまでじっくりとほぐした。

「川原、も、もう、、おまえが、」
彼の思惑通り俺は懇願した。迷いなんて持てないほど早く彼自身が欲しかった。
俺は川原の顔を見た。

あ、、川原が、、

冷静に、理性的だった川原が、今は耐えている顔をして熱い息をしていた。しかも彼の中心は触っていない筈なのに透明の糸をつっと垂らしてベッドを濡らしている。
「川原、、?」
「和倉、挿れたい、も、我慢限界」
「うん、、俺も」
俺はコンビニで買ったゴムをあけ、川原のものにクルクルと装着してやった。その上からローションをたっぷりとぬる。
「良いよ。川原。お手柔らかに頼む」
「善処します」
2人は小さく笑い合った。
けれどその余裕もすぐに消える。

充分に解れた場所に川原がグッと押し入ってきた。
「ぅあ、、っ、、和倉、きつ、、やば、、」
ズブズブともメリメリとも擬音語がつきそうな、そんな感覚に、川原は上擦った声をあげるけど、こちらはそんなもんじゃない。
「っひ、、、あ、、、」
苦しい、、苦しいけど、、川原と、、
「ちょっと一回抜いて良い?」
川原は腰を急に引き始めた。
「あぁっ!やめ、、ばか、、動くな、」
引き抜く快感は尋常じゃない。ゾクゾクゾクと尻から首元まで快感が一気に昇って来る感じに、俺は仰け反った。
「ご、ごめ、、どうしたら良い?」
「っは、、っぁ、、待って、、ゆっくり、、急に動かないで、、」
「わかった。」

再び川原がゆっくり腰をすすめる。
「っっんっっ!」
俺の体が無意識に跳ねた。
「まって、和倉、、さっきのとこ突いたかも、、あ、、はは、、何コレ、、理性とかぶっ飛びそう」
笑っているのか泣いているのかわからない声が絞り出される。理性を手放さないように耐えていたのは自分だけじゃなかったのか、とじんときた。
「も、いいよ。動きなよ川原。一緒に気持ちよくなろう」
俺の言葉に川原は少しホッとした。

「ぅあっ、かわ、、はらっっ、そこっ、」
「っはぁ、和倉、気持ちい、、飛びそ、、」
初めこそ穏やかに抽送していた川原はだんだんと理性を失った。
彼は快感を追って貪欲に奥を突き、途中の弱い所を的確にぐっと押してきた。
そのたび俺はシーツを握りしめて仰け反った。
「っひっっいっ、、イキそ、、なんか、、へん」
「いいよ、和倉。和倉がイけたら嬉しい」
ずちゅっずちゅっと激しい音をたてて突かれるたび、逃げ場のない強烈な快感が襲ってきた。
「かわはら、、っっああっ、も、と、、強く。」
俺の言葉に答えて川原はギリギリまで抜いてから、思い切り弱い所を目掛けてついた。
俺の体に電気が走る。
「あああっっっ」
「っっく、、わくらっ、、しめんなっ」
「あっはぁっっ、、好きだ、、かわはら」
「俺も、、和倉、、すごい好き」
川原が眉を寄せ、歯を食いしばる。
ズッと腰を引き、ぐりぐりと弱い所を先端で捏ねて奥へ打ちつける。
「っっっも、、いっく、、いく、、」
「俺もっっ、、んんんっっっ」
最後の激しい突きに押されるようにして俺の体が痙攣し、ガチガチの中心は先端からドロリと白いものを吐き出した。
「っっ、うそ、、、」
大きく息をする川原が、ずるりと俺から抜くと、ドサっと横に寝そべった。
「大丈夫、、?和倉」
「あ、、うん、、大丈夫だ、けど、今俺、、チンコ触んないでいった、、、」
「え、そんなことあるの?、、、つーか、、セックスって、、心臓に負荷が、、」
「おい川原!?大丈夫か!?」
ガバッと起きて倒れ込んでいる川原を見る。白い肌に、体温が上がったせいで手術痕がさっきよりも赤く色付いていた。鼓動を確かめるために俺は手のひらを彼の胸へ置く。
はぁはぁと口で息をしている川原が、そんな俺を見て目を細めて笑う。
「最高すぎる。俺人生で今一番幸せ、、」
普段泣かない川原の目尻に涙が浮かんで、瞬きと同時に横へ流れ落ちていった。
「生きてて良かった」

川原の言う通り、ひどく幸せだった。川原が本当に俺を想っていることが、彼の温度や視線や、行為の全てから伝わって来た気がする。

最高に気持ち良かった。意識を手放しても良いとさえ思ったほどだ。

強く想い合う相手との行為は、俺の体だけじゃなく心も温かいもので満たしていた。
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