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第一章 1
しおりを挟む 俺は少し緊張しながらもリビングに着き、閉まっているリビングの引き戸を開けると……
『パァ~ン』
『パァ~ン』
俺の方に目がけて、クラッカーが鳴らされる。
「比叡君! ようこそ~~私たちの町へ!」
「比叡さん。今日は沢山楽しんでくださいね!」
鈴音さんと稀子がそれぞれ声を掛けて来る。
クラッカーを引いたのもこの2人だ!
「2人ともありがとう!」
「美少女ゲームの主人公の気分だよ!」
「美少女ゲーム?」
「なにそれ?」
稀子はそう言う。どうやら意味を知らない見たいだ。知らない方が良いけど……
「さぁ、比叡さん。こっちに座って下さい!」
俺は鈴音さんにダイニングに案内されて、テーブル席の奥の方に座る。俗に言う上座の席で有った。
テーブルの上には唐揚げ・フライドポテト・白身のフライ・ピザ・クリームシチュー・野菜サラダ・おにぎり等がテーブル一杯に並んでいた。
(わぁ、色々な料理が有るな!)
(滅茶苦茶、豪華なわけでは無いけど、何だか温かみの有る料理だな…)
俺が色々な料理に目を奪われていると、俺の右横に座って居る山本さんが声を掛けてくる。
「比叡君は飲める方かね?」
「えっ!?」
「ああ、お酒の事ですか?」
「まぁ、多少なら…」
「じゃあ、注いでやろう!」
山本さんはそう言って、瓶ビールを俺の方に差し出す。
俺はコップを持って、コップにビールが注がれる。注がれたので、注ぎ返そうとすると……
「今日は君が主役だから!」
「注いで貰うのは明日からだ!」
山本さんは言うが、別の意味で捉えれば『明日からは注げよ』に成る。
「じゃあ、みんな乾杯しようか!」
山本さんの音頭でみんながコップを持つ。
俺と山本さん以外はソフトドリンクで有る。
「比叡君の未来を願って、乾杯~!」
「乾杯~~」
みんなでコップを鳴らし合って、俺の歓迎会が始まる。
俺はコップに注がれたビールを一気に空ける。
「おぉ~。良い飲みっぷりだね!」
「ほれ、比叡君」
「あっ、すいません…」
空になったコップにビールが新たに注がれる。ビールも良いが何かを摘まみたい。
俺は目に付いた唐揚げを箸で掴み食べる。
「あっ、美味しい!」
思わず口に出してしまう。
そうすると稀子が言って来る。
「美味しい。比叡君?」
「揚げ物は、私が全部揚げたのだよ!」
「鶏肉の唐揚げは、もちろん手作りだよ!!」
「すごく美味しいよ、稀子ちゃん!」
「幾らでも食べられそう!!」
「どんどん、食べてね♪」
「今日の主役は比叡君なんだから♪」
「ありがとう! 稀子ちゃん!!」
「さて、私は白身のフライ食べよ!」
稀子はそう言って、白身のフライを食べている。
みんながみんな、和気あいあいと楽しんでいる。
(何か、子供の時の誕生日会を思い出すな……。あの時も、こんな風に楽しんでいたな)
俺がそう感慨に浸っていると、鈴音さんが声を掛けて来る。
「はい! 比叡さんどうぞ!!」
鈴音さんは、クリームシチューの入った器を手渡してくれる。
「稀子さんは揚げ物担当で、私はクリームシチューの担当!」
「温かいうちにどうぞ!」
そう言われたのなら、早速食べるしか無い!
スプーンでシチューをすくって口に運ぶ。
「わっ。このシチューすごく美味しい!」
「自分で作るよりも遙かにコクが有って、野菜の旨味と鶏肉の相性がバッチリだ!」
「すごく美味しいです。鈴音さん…」
「比叡さんに喜んで貰えて何よりですわ!」
「デザートに、私と稀子さんの共同作業で作ったプリンも有りますからね♪」
「デザートまで用意して貰って、ありがとうございます」
「比叡さん。今はお礼を言うより、沢山食べて楽しんでください!」
「その方が、私や稀子さんも嬉しいですから!」
鈴音さんがそう言うと、山本さんも声を掛けてくる。
「僕の担当はおにぎりだから、沢山食べろよ!」
「余ったら、君の明日の朝食に持ち帰れば良い!」
「後、しっかり飲めよ! ビールが飽きたら日本酒やウィスキーも有るからな」
そう言って、まだ空に成っていないコップにビールが注がれて行く。
「あっ、はい。今日は沢山楽しみます!」
俺はそう言って、ビールの入ったコップをグッと空ける。
「いや~、良い飲みっぷりだね!」
「意外に酒は強いのかね…?」
「地元の日本酒飲んでみるか。辛口で旨いぞ!」
「じゃあ、少し頂こうかな!」
「孝明さん!」
「歓迎会だからと言って、あまり比叡さんに飲ませちゃ駄目ですよ!」
「孝明……。あんたも飲みすぎては駄目だからね…」
「まぁ、母さんに鈴音。今日は良いじゃないか!」
「比叡君の歓迎祝いだ!」
「これから前途多難な人生が待ち受けているのだから、今日位は好きなだけ飲ませてやらないと!」
そう言って、俺のコップにはビールから変わって、日本酒が注がれている。
(前途多難か……。まぁ、その通りだよな…)
(今は目の前の道しか見えてない。でも、突き進むしか無い!)
「さぁ、グィッと行け」
暗い気持ちに成り掛けた所を酒の力で打ち消す!
日本酒だから、そんな一気には行けないが、飲むと俺好みの日本酒の味がした。
「うん……。美味しいです。すっきり系ですね!」
「おっ、流石だね! 当たりだよ。旨いだろ!」
「ほれ、どんどん飲んで、食べて、楽しめよ!」
「僕はそう言った人間が好きだ!!」
何か普段の山本さんとは違うような気がする。山本さん酔い掛けて居るのだろうか?
今日は絶対に飲みすぎに成るのは確定だが、俺のために開いてくれた歓迎会を楽しむ……
稀子を始め、鈴音さんや山本さん家族。みんなこんなに優しくしてくれる。今までの環境とは大違いだ。
俺は酔い潰れないほど飲んで、お腹が一杯に成っても、温かい気持ちのこもった料理を食べ続けた。
……
楽しい歓迎会も終わりを迎えて、俺は少しフラつきながらも、みんなにお礼を言って、お土産のおにぎりと唐揚げ等を貰って、自分のアパートに戻るために玄関に向かおうとすると……
「比叡君!」
「お家帰る前にちょっと、お話しよ!!」
「こっち来て!!」
稀子は俺を引き留める。何か話でも有るのだろうか?
俺は家に戻る前に稀子と話しをする事と成った。
『パァ~ン』
『パァ~ン』
俺の方に目がけて、クラッカーが鳴らされる。
「比叡君! ようこそ~~私たちの町へ!」
「比叡さん。今日は沢山楽しんでくださいね!」
鈴音さんと稀子がそれぞれ声を掛けて来る。
クラッカーを引いたのもこの2人だ!
「2人ともありがとう!」
「美少女ゲームの主人公の気分だよ!」
「美少女ゲーム?」
「なにそれ?」
稀子はそう言う。どうやら意味を知らない見たいだ。知らない方が良いけど……
「さぁ、比叡さん。こっちに座って下さい!」
俺は鈴音さんにダイニングに案内されて、テーブル席の奥の方に座る。俗に言う上座の席で有った。
テーブルの上には唐揚げ・フライドポテト・白身のフライ・ピザ・クリームシチュー・野菜サラダ・おにぎり等がテーブル一杯に並んでいた。
(わぁ、色々な料理が有るな!)
(滅茶苦茶、豪華なわけでは無いけど、何だか温かみの有る料理だな…)
俺が色々な料理に目を奪われていると、俺の右横に座って居る山本さんが声を掛けてくる。
「比叡君は飲める方かね?」
「えっ!?」
「ああ、お酒の事ですか?」
「まぁ、多少なら…」
「じゃあ、注いでやろう!」
山本さんはそう言って、瓶ビールを俺の方に差し出す。
俺はコップを持って、コップにビールが注がれる。注がれたので、注ぎ返そうとすると……
「今日は君が主役だから!」
「注いで貰うのは明日からだ!」
山本さんは言うが、別の意味で捉えれば『明日からは注げよ』に成る。
「じゃあ、みんな乾杯しようか!」
山本さんの音頭でみんながコップを持つ。
俺と山本さん以外はソフトドリンクで有る。
「比叡君の未来を願って、乾杯~!」
「乾杯~~」
みんなでコップを鳴らし合って、俺の歓迎会が始まる。
俺はコップに注がれたビールを一気に空ける。
「おぉ~。良い飲みっぷりだね!」
「ほれ、比叡君」
「あっ、すいません…」
空になったコップにビールが新たに注がれる。ビールも良いが何かを摘まみたい。
俺は目に付いた唐揚げを箸で掴み食べる。
「あっ、美味しい!」
思わず口に出してしまう。
そうすると稀子が言って来る。
「美味しい。比叡君?」
「揚げ物は、私が全部揚げたのだよ!」
「鶏肉の唐揚げは、もちろん手作りだよ!!」
「すごく美味しいよ、稀子ちゃん!」
「幾らでも食べられそう!!」
「どんどん、食べてね♪」
「今日の主役は比叡君なんだから♪」
「ありがとう! 稀子ちゃん!!」
「さて、私は白身のフライ食べよ!」
稀子はそう言って、白身のフライを食べている。
みんながみんな、和気あいあいと楽しんでいる。
(何か、子供の時の誕生日会を思い出すな……。あの時も、こんな風に楽しんでいたな)
俺がそう感慨に浸っていると、鈴音さんが声を掛けて来る。
「はい! 比叡さんどうぞ!!」
鈴音さんは、クリームシチューの入った器を手渡してくれる。
「稀子さんは揚げ物担当で、私はクリームシチューの担当!」
「温かいうちにどうぞ!」
そう言われたのなら、早速食べるしか無い!
スプーンでシチューをすくって口に運ぶ。
「わっ。このシチューすごく美味しい!」
「自分で作るよりも遙かにコクが有って、野菜の旨味と鶏肉の相性がバッチリだ!」
「すごく美味しいです。鈴音さん…」
「比叡さんに喜んで貰えて何よりですわ!」
「デザートに、私と稀子さんの共同作業で作ったプリンも有りますからね♪」
「デザートまで用意して貰って、ありがとうございます」
「比叡さん。今はお礼を言うより、沢山食べて楽しんでください!」
「その方が、私や稀子さんも嬉しいですから!」
鈴音さんがそう言うと、山本さんも声を掛けてくる。
「僕の担当はおにぎりだから、沢山食べろよ!」
「余ったら、君の明日の朝食に持ち帰れば良い!」
「後、しっかり飲めよ! ビールが飽きたら日本酒やウィスキーも有るからな」
そう言って、まだ空に成っていないコップにビールが注がれて行く。
「あっ、はい。今日は沢山楽しみます!」
俺はそう言って、ビールの入ったコップをグッと空ける。
「いや~、良い飲みっぷりだね!」
「意外に酒は強いのかね…?」
「地元の日本酒飲んでみるか。辛口で旨いぞ!」
「じゃあ、少し頂こうかな!」
「孝明さん!」
「歓迎会だからと言って、あまり比叡さんに飲ませちゃ駄目ですよ!」
「孝明……。あんたも飲みすぎては駄目だからね…」
「まぁ、母さんに鈴音。今日は良いじゃないか!」
「比叡君の歓迎祝いだ!」
「これから前途多難な人生が待ち受けているのだから、今日位は好きなだけ飲ませてやらないと!」
そう言って、俺のコップにはビールから変わって、日本酒が注がれている。
(前途多難か……。まぁ、その通りだよな…)
(今は目の前の道しか見えてない。でも、突き進むしか無い!)
「さぁ、グィッと行け」
暗い気持ちに成り掛けた所を酒の力で打ち消す!
日本酒だから、そんな一気には行けないが、飲むと俺好みの日本酒の味がした。
「うん……。美味しいです。すっきり系ですね!」
「おっ、流石だね! 当たりだよ。旨いだろ!」
「ほれ、どんどん飲んで、食べて、楽しめよ!」
「僕はそう言った人間が好きだ!!」
何か普段の山本さんとは違うような気がする。山本さん酔い掛けて居るのだろうか?
今日は絶対に飲みすぎに成るのは確定だが、俺のために開いてくれた歓迎会を楽しむ……
稀子を始め、鈴音さんや山本さん家族。みんなこんなに優しくしてくれる。今までの環境とは大違いだ。
俺は酔い潰れないほど飲んで、お腹が一杯に成っても、温かい気持ちのこもった料理を食べ続けた。
……
楽しい歓迎会も終わりを迎えて、俺は少しフラつきながらも、みんなにお礼を言って、お土産のおにぎりと唐揚げ等を貰って、自分のアパートに戻るために玄関に向かおうとすると……
「比叡君!」
「お家帰る前にちょっと、お話しよ!!」
「こっち来て!!」
稀子は俺を引き留める。何か話でも有るのだろうか?
俺は家に戻る前に稀子と話しをする事と成った。
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