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出産後
21.あれから3年
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あの最後のセックスから、3年が経とうとしている。
当然ながら、その間、一度もしていない。
これからも、しないだろう
それに関して、もう、何も思わない。
フリルのある服が、好きだった。
普通のシンプルな服でありながら、裾や襟元にだけ少しフリルがあるような、服だ。
薄いピンクの色も、好きだった。
でも、なぜか着る気にはならなくなって、捨てた。
夫に、「そーゆーの、好きならずっと着ればいいのに」と言われた時に、ふと思った。
可愛い格好しても、抱きたいとはもう思わないでしょう。
脱がせたい、なんて、もう思うことはないんでしょう。
きっと、それが理由だ。
一番大好きな人に、抱きしめたいと思ってほしくて、買った服だからだ。
だから、もう着たくないんだと思った。
髪も、昔は外出する時くらいは綺麗に束ねていた。
2人目を産んでからは、櫛でとくだけだ。
夫が、「最近、髪、何もしないね」と言う。
やっぱり思ってしまう。
何かしたところで、触りたいとも思わないでしょ、と。
夫に対する言葉のトーンも、少し低くなったかもしれない。
女性らしさを出す必要性を、感じないからだ。
兄弟と話す時のトーンと、たぶん変わらない。
女性としての何かを、急速に失っているのを感じる。
長男が小さかった頃、少し上の男の子と一緒によく公園にくるお父さんがいた。
人とのコミュニケーションが、少し苦手な印象だった。
なぜか、会うたびに自分の子供には目も向けず、息子を追いかける私についてきて、ひたすら研究職の仕事の話をずっとしていた。
「すごいですね」と言われたいのかなと思った。
今は、近所で会っても挨拶すらされない。
目も、あわない。
多分、別人だと思われているんだと思う。
一度挨拶をしたら、けげんな顔をしながら返されたので、もうしない。
眼鏡をかけるようになって。
綺麗にしていた髪は、といただけ。
化粧も、眉しか書いていない。
服も、ただのTシャツになった。
夫から、女性としてみられる必要性を感じなくなると、こうなるのかと、自分でも別人のように見える姿を玄関で鏡を見ながら思う。
世の中の女性は、どうなんだろう。
綺麗なママ、色気のあるママはたくさんいる。
セックス、しているんだろうか。
していなくても、望んでいるんだろうか。
諦めていても、綺麗でいられるんだろうか。
そんなことを考えていると知られたら、ママ友がいなくなってしまうかもしれない。
でも、あの辛かった日々を思い出すと、つい考えてしまうのだ。
当然ながら、その間、一度もしていない。
これからも、しないだろう
それに関して、もう、何も思わない。
フリルのある服が、好きだった。
普通のシンプルな服でありながら、裾や襟元にだけ少しフリルがあるような、服だ。
薄いピンクの色も、好きだった。
でも、なぜか着る気にはならなくなって、捨てた。
夫に、「そーゆーの、好きならずっと着ればいいのに」と言われた時に、ふと思った。
可愛い格好しても、抱きたいとはもう思わないでしょう。
脱がせたい、なんて、もう思うことはないんでしょう。
きっと、それが理由だ。
一番大好きな人に、抱きしめたいと思ってほしくて、買った服だからだ。
だから、もう着たくないんだと思った。
髪も、昔は外出する時くらいは綺麗に束ねていた。
2人目を産んでからは、櫛でとくだけだ。
夫が、「最近、髪、何もしないね」と言う。
やっぱり思ってしまう。
何かしたところで、触りたいとも思わないでしょ、と。
夫に対する言葉のトーンも、少し低くなったかもしれない。
女性らしさを出す必要性を、感じないからだ。
兄弟と話す時のトーンと、たぶん変わらない。
女性としての何かを、急速に失っているのを感じる。
長男が小さかった頃、少し上の男の子と一緒によく公園にくるお父さんがいた。
人とのコミュニケーションが、少し苦手な印象だった。
なぜか、会うたびに自分の子供には目も向けず、息子を追いかける私についてきて、ひたすら研究職の仕事の話をずっとしていた。
「すごいですね」と言われたいのかなと思った。
今は、近所で会っても挨拶すらされない。
目も、あわない。
多分、別人だと思われているんだと思う。
一度挨拶をしたら、けげんな顔をしながら返されたので、もうしない。
眼鏡をかけるようになって。
綺麗にしていた髪は、といただけ。
化粧も、眉しか書いていない。
服も、ただのTシャツになった。
夫から、女性としてみられる必要性を感じなくなると、こうなるのかと、自分でも別人のように見える姿を玄関で鏡を見ながら思う。
世の中の女性は、どうなんだろう。
綺麗なママ、色気のあるママはたくさんいる。
セックス、しているんだろうか。
していなくても、望んでいるんだろうか。
諦めていても、綺麗でいられるんだろうか。
そんなことを考えていると知られたら、ママ友がいなくなってしまうかもしれない。
でも、あの辛かった日々を思い出すと、つい考えてしまうのだ。
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