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13-1.妄想1異世界召喚・勇者編
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夜が来た。
今日もラムネを食べて、横になる。
昨日は魔王の妄想だったから、今日は勇者にしようかなー。
目をつむって、想像を膨らませる。
*
いつも通りお風呂に入り、ガラッと浴室の扉を開ける。
洗面所があるはずのそこには、異世界が広がっていた。
「どこ、ここ……」
森に囲まれた、小さな円状の緑の草原。それだけなら異世界とは分からなかっただろう。
目の前には、私を取り囲むように光る魔法陣が描かれ、勇者御一行様といった人達が目の前にいた。
「やぁ、はじめまして。俺は、勇者ライガだ」
赤い髪に、赤いマントをつけた男がそう名乗った。
勇者って自分で言うの、恥ずかしくないのかな……。
そう思いながら、差し出された手を握ろうとして、自分が全裸であることに気づいた。
恥ずかしいのは、私だ!
「どうも。勇者ならまず、裸の女に衣服くらい渡してくれないかな」
握手には応じず、自分の身体を手で隠しながら勇者を睨みつけた。
すると、隣の白いローブを身にまとう男が代わりに答えた。
「持ち合わせていない。そもそも、冒険者の初期装備はなしが普通だ。安心してついてこい。召喚した責任は取ってやる」
うっさいわ、ちび。と言いたいくらいに、小柄な男だ。お陰で、深めにかぶったフードの下の顔が、よく見えない。
「服なしで、安心できるわけがないでしょう。そもそも何で私を召喚なんかしたの。元の世界に帰して」
「今から、魔王を倒しに行く。最上級の回復魔法を使える奴が必要なんだ。異世界からの召喚者はチート級の魔法が使えるらしいからな。賭けたんだ」
「賭けないで! それくらいの人材、もっと前から用意すべきでしょ。今からって何、今からって」
「もちろん確保したさ。魔王にびびって、さっき逃げちまった」
「えぇー……」
びびって逃げたくなるような相手と、私に対峙しろっていうのだろうか。
「普通、まずレベル上げからでしょ」
「そんな時間はない。今から行くってことで戦い前のパレードまでしてきたからな」
「引っ込みつかないからって、全裸のぽっと出の女を連れていくって、頭悪すぎるんじゃ」
そう言うと、ずっと聞き役に徹していた比較的軽装の男がパチパチと手を鳴らした。
「まぁまぁ、細かいことは気にすんな。とりあえずは回復魔法を使えるかだ。ほれ、やってみ」
「や、やってみって言われても」
「ほらほら、俺のただれた足に手でもかざして、ちょっと念じてみてくれよ」
「げっ」
足がちょっとグロいことになっている。
一瞬見ただけで血の気が失せて、へたりこんでしまった。
「な、なんで、そんなことに……」
「魔王にやられたんだ。命からがら逃げてきて、回復魔法を使える奴が、勇者のライガと魔術師のユーイだけ治して、逃げちまったとこだ」
「それにしては、衣服が綺麗じゃない?」
「ボロボロになっちまって、着替えたんだ。だから、あんたに渡す予備がねーんだよ」
「酷い話ね」
「全くだ。逃げちまうなんて、覚悟が足りねーんだよ」
私の服がないことが、酷い話だって言ったんだけど……。
「いいから、早くやってみ」
「つまり、できなかったら役立たずってことで元の世界に帰れるってこと?」
そう聞くと、3人とも渋い顔でこちらを見た。
「いいや。八つ当たりで犯す」
「勇者御一行様じゃないの、あなたたち」
「俺はシーフだからな。汚れ仕事は任せろ」
「仮にも勇者の仲間なのに、何言ってんの」
シーフの男と言い合っていると、ユーイと呼ばれた先ほどの白いフードの男が、深いため息をついた。
「いいから、早く回復魔法を使ってみてくれ」
言いなりになるのはしゃくだけれど、このまま悪態をついていても、何も進展しなさそうだ。
「仕方ないなぁ……」
へたりこんだままの私の横に、シーフの男が足を出した。
グロいよー……。
私はそれを見ないようにしながら、手をかざして治れ治れと祈ってみた。
「変化ないな」
「なさそうね」
「犯すか」
「冗談言わないで」
もしかしたら魔法が使えるかもといったミーハーな気持ちも少しはあったものの、何も変化がない。
「できないものは仕方な……きゃぁぁぁぁ!!!」
突然、足をツルのような何かに捕まれ、宙に浮かんだ。
あっという間に手や腕までが絡みつかれ、木の幹に固定される。
「ちょっと! 何、この植物! ゆ、勇者でしょ、見てないで早く助けて!」
もしかして人を食べる植物とか!?
怖すぎる!
「あー、大丈夫だ、その植物は害はないよ」
勇者ライガが、のんきな声で困ったように笑った。
「はぁ? 縛り付けられてて、害がないわけないでしょ、ちょ、ま、あぁ、はぁっ……んっ」
細かな毛の生えた柔らかいツルが、胸や股を刺激する。まるで、触手だ。
「いやぁ、っは……んぅ。……ぁ、ん! 見てないで、は、早く、んっ……」
的確に気持ちのいい箇所を刺激され、宙でよがってしまう。
「ライガ、お茶くれよ」
「さすがギルだな。俺もゆっくりするか」
「俺にも寄越せ」
「あいよ、ユーイ。召喚で疲れたろ。しばらく休もうぜ」
勇者御一行は、お茶を分け合い、ちびちびと飲みながらのんびりと見上げている。
「な、ななななっ」
怒りで我を忘れそうな私に、勇者達はあぐらをかいて安心させるようにこう言った。
「大丈夫だー、その植物は愛液が好物なだけさー」
「せっかく異世界に来たんだ。気持ちよくなっても損はないだろう」
「楽しんだらいいと思うよ。俺たちも束の間の休憩を楽しむよ」
完全に見物する態勢だ。
「ふ、ふざけないで、あ、ぁあ、ひぁ、あぁん、ぃぁ、あ……!」
そのまま、勇者達にじっと見られながら、何度も何度も達し続けた。
今日もラムネを食べて、横になる。
昨日は魔王の妄想だったから、今日は勇者にしようかなー。
目をつむって、想像を膨らませる。
*
いつも通りお風呂に入り、ガラッと浴室の扉を開ける。
洗面所があるはずのそこには、異世界が広がっていた。
「どこ、ここ……」
森に囲まれた、小さな円状の緑の草原。それだけなら異世界とは分からなかっただろう。
目の前には、私を取り囲むように光る魔法陣が描かれ、勇者御一行様といった人達が目の前にいた。
「やぁ、はじめまして。俺は、勇者ライガだ」
赤い髪に、赤いマントをつけた男がそう名乗った。
勇者って自分で言うの、恥ずかしくないのかな……。
そう思いながら、差し出された手を握ろうとして、自分が全裸であることに気づいた。
恥ずかしいのは、私だ!
「どうも。勇者ならまず、裸の女に衣服くらい渡してくれないかな」
握手には応じず、自分の身体を手で隠しながら勇者を睨みつけた。
すると、隣の白いローブを身にまとう男が代わりに答えた。
「持ち合わせていない。そもそも、冒険者の初期装備はなしが普通だ。安心してついてこい。召喚した責任は取ってやる」
うっさいわ、ちび。と言いたいくらいに、小柄な男だ。お陰で、深めにかぶったフードの下の顔が、よく見えない。
「服なしで、安心できるわけがないでしょう。そもそも何で私を召喚なんかしたの。元の世界に帰して」
「今から、魔王を倒しに行く。最上級の回復魔法を使える奴が必要なんだ。異世界からの召喚者はチート級の魔法が使えるらしいからな。賭けたんだ」
「賭けないで! それくらいの人材、もっと前から用意すべきでしょ。今からって何、今からって」
「もちろん確保したさ。魔王にびびって、さっき逃げちまった」
「えぇー……」
びびって逃げたくなるような相手と、私に対峙しろっていうのだろうか。
「普通、まずレベル上げからでしょ」
「そんな時間はない。今から行くってことで戦い前のパレードまでしてきたからな」
「引っ込みつかないからって、全裸のぽっと出の女を連れていくって、頭悪すぎるんじゃ」
そう言うと、ずっと聞き役に徹していた比較的軽装の男がパチパチと手を鳴らした。
「まぁまぁ、細かいことは気にすんな。とりあえずは回復魔法を使えるかだ。ほれ、やってみ」
「や、やってみって言われても」
「ほらほら、俺のただれた足に手でもかざして、ちょっと念じてみてくれよ」
「げっ」
足がちょっとグロいことになっている。
一瞬見ただけで血の気が失せて、へたりこんでしまった。
「な、なんで、そんなことに……」
「魔王にやられたんだ。命からがら逃げてきて、回復魔法を使える奴が、勇者のライガと魔術師のユーイだけ治して、逃げちまったとこだ」
「それにしては、衣服が綺麗じゃない?」
「ボロボロになっちまって、着替えたんだ。だから、あんたに渡す予備がねーんだよ」
「酷い話ね」
「全くだ。逃げちまうなんて、覚悟が足りねーんだよ」
私の服がないことが、酷い話だって言ったんだけど……。
「いいから、早くやってみ」
「つまり、できなかったら役立たずってことで元の世界に帰れるってこと?」
そう聞くと、3人とも渋い顔でこちらを見た。
「いいや。八つ当たりで犯す」
「勇者御一行様じゃないの、あなたたち」
「俺はシーフだからな。汚れ仕事は任せろ」
「仮にも勇者の仲間なのに、何言ってんの」
シーフの男と言い合っていると、ユーイと呼ばれた先ほどの白いフードの男が、深いため息をついた。
「いいから、早く回復魔法を使ってみてくれ」
言いなりになるのはしゃくだけれど、このまま悪態をついていても、何も進展しなさそうだ。
「仕方ないなぁ……」
へたりこんだままの私の横に、シーフの男が足を出した。
グロいよー……。
私はそれを見ないようにしながら、手をかざして治れ治れと祈ってみた。
「変化ないな」
「なさそうね」
「犯すか」
「冗談言わないで」
もしかしたら魔法が使えるかもといったミーハーな気持ちも少しはあったものの、何も変化がない。
「できないものは仕方な……きゃぁぁぁぁ!!!」
突然、足をツルのような何かに捕まれ、宙に浮かんだ。
あっという間に手や腕までが絡みつかれ、木の幹に固定される。
「ちょっと! 何、この植物! ゆ、勇者でしょ、見てないで早く助けて!」
もしかして人を食べる植物とか!?
怖すぎる!
「あー、大丈夫だ、その植物は害はないよ」
勇者ライガが、のんきな声で困ったように笑った。
「はぁ? 縛り付けられてて、害がないわけないでしょ、ちょ、ま、あぁ、はぁっ……んっ」
細かな毛の生えた柔らかいツルが、胸や股を刺激する。まるで、触手だ。
「いやぁ、っは……んぅ。……ぁ、ん! 見てないで、は、早く、んっ……」
的確に気持ちのいい箇所を刺激され、宙でよがってしまう。
「ライガ、お茶くれよ」
「さすがギルだな。俺もゆっくりするか」
「俺にも寄越せ」
「あいよ、ユーイ。召喚で疲れたろ。しばらく休もうぜ」
勇者御一行は、お茶を分け合い、ちびちびと飲みながらのんびりと見上げている。
「な、ななななっ」
怒りで我を忘れそうな私に、勇者達はあぐらをかいて安心させるようにこう言った。
「大丈夫だー、その植物は愛液が好物なだけさー」
「せっかく異世界に来たんだ。気持ちよくなっても損はないだろう」
「楽しんだらいいと思うよ。俺たちも束の間の休憩を楽しむよ」
完全に見物する態勢だ。
「ふ、ふざけないで、あ、ぁあ、ひぁ、あぁん、ぃぁ、あ……!」
そのまま、勇者達にじっと見られながら、何度も何度も達し続けた。
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