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プロローグ
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私の声は誰も聞いていない。必要とされていない。両親にも、兄弟にも。
愛されていないのかといえば、愛されているのだろう。それも、過保護なくらいに。それでも私の話は聞いてくれない。
それは私の容姿に関係がある。父であるローズ伯爵と五つ年上の兄は金髪翠眼、母と二つ年上の姉は金髪碧眼。そして私、フィーアのみが白髪の赤目だった。
周囲の者は、あるきっかけで私を悪魔の子と罵ることもあったが、家族だけは私を愛してくれていた。だけど……
「フィー、周りが何と言おうとも私たちが味方ですからね」
「ああ、例えどんな容姿であったとしても、フィーは私たちの最愛の娘に変わりはないのだからな」
「そうよ。見た目を気にしていてはいけないわ」
「きっと、いつかはフィーを見てくれる人が現れるから、気にするな」
上から順にお母様、お父様、お姉様、お兄様の言葉です。みんなに愛されていることはわかります。けど、その言葉は本当に私を気にしているのですか?
「ありがとうございます。けど、私は全然気にしていませんわ」
私はこの容姿のことを本当に気にしていない。確かに家族のようにキラキラな金色の髪は綺麗で、羨ましいと思う。お父様やお兄様の翠眼はエメラルドのようで、お母様やお姉さまの碧眼はサファイアのように綺麗だとは思う。けれど、私の赤目もルビーのように綺麗だと思うし、白髪だって別なんとも思っていない。私は白が好きなのだから。だから、家族が言うほど私は気にしていないのに…
お母様とお姉様は私に抱きついて、少し涙を流していた。
「ごめんね。普通に産んであげれなくて」
「大丈夫よ。フィー。私たち家族はあなたの味方だからね」
みんな私の話を聞いてくれない。みんなの可哀想なフィーアを私に押し付けてくる。だから、もう私はいらないのだろう。
私は抱きついていた二人から離れ、自分の部屋に走る。みんなに呼び止められたが、振り返らない。そして、部屋に戻り、鍵を閉め、泣き叫ぶ。
どうして、誰も私の声を聞いてくれないの!
どうして、私の気持ちを勝手に決めつけるの!
私は、みんなが、家族が、いてくれたらそれだけでいいのに!
第三者に何を言われたって、何も気にならないのに!
私の声は誰にも届かない。それなら声なんてでなければいい。声を出そうとするから、傷つくんだ。なら、声だけでも私を消し去りたい。
だから、もう私の声が誰にも聞こえませんように、私は神様に願った。願ってしまった。この世界には神様がいることを知っていたのに。
愛されていないのかといえば、愛されているのだろう。それも、過保護なくらいに。それでも私の話は聞いてくれない。
それは私の容姿に関係がある。父であるローズ伯爵と五つ年上の兄は金髪翠眼、母と二つ年上の姉は金髪碧眼。そして私、フィーアのみが白髪の赤目だった。
周囲の者は、あるきっかけで私を悪魔の子と罵ることもあったが、家族だけは私を愛してくれていた。だけど……
「フィー、周りが何と言おうとも私たちが味方ですからね」
「ああ、例えどんな容姿であったとしても、フィーは私たちの最愛の娘に変わりはないのだからな」
「そうよ。見た目を気にしていてはいけないわ」
「きっと、いつかはフィーを見てくれる人が現れるから、気にするな」
上から順にお母様、お父様、お姉様、お兄様の言葉です。みんなに愛されていることはわかります。けど、その言葉は本当に私を気にしているのですか?
「ありがとうございます。けど、私は全然気にしていませんわ」
私はこの容姿のことを本当に気にしていない。確かに家族のようにキラキラな金色の髪は綺麗で、羨ましいと思う。お父様やお兄様の翠眼はエメラルドのようで、お母様やお姉さまの碧眼はサファイアのように綺麗だとは思う。けれど、私の赤目もルビーのように綺麗だと思うし、白髪だって別なんとも思っていない。私は白が好きなのだから。だから、家族が言うほど私は気にしていないのに…
お母様とお姉様は私に抱きついて、少し涙を流していた。
「ごめんね。普通に産んであげれなくて」
「大丈夫よ。フィー。私たち家族はあなたの味方だからね」
みんな私の話を聞いてくれない。みんなの可哀想なフィーアを私に押し付けてくる。だから、もう私はいらないのだろう。
私は抱きついていた二人から離れ、自分の部屋に走る。みんなに呼び止められたが、振り返らない。そして、部屋に戻り、鍵を閉め、泣き叫ぶ。
どうして、誰も私の声を聞いてくれないの!
どうして、私の気持ちを勝手に決めつけるの!
私は、みんなが、家族が、いてくれたらそれだけでいいのに!
第三者に何を言われたって、何も気にならないのに!
私の声は誰にも届かない。それなら声なんてでなければいい。声を出そうとするから、傷つくんだ。なら、声だけでも私を消し去りたい。
だから、もう私の声が誰にも聞こえませんように、私は神様に願った。願ってしまった。この世界には神様がいることを知っていたのに。
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