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16 全部第一王子が悪い
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今日はこれからクリス様が我が家にやってきます。私はどんな顔をして、彼に会えばいいのでしょうか。いいえ、不安に思ってはいけません。お母様も言っていたではありませんか!全て第一王子が悪いのです!
ええ、あの人の話を全く聞かず、何もしないのに自分が偉いと思っており、婚約者がいるにも関わらず、平気で浮気をしながら、冤罪をかけてくる、頭の中身が全くない方が悪いのです!
ふぅ、少し、落ち着きました。さすがお母様ですね。クリス様と会うのは嬉しいことなのです。ですから、不安なことは考えないようにしましょう。
「お嬢様、クリス殿下が参りました」
「ありがとう、サリー。すぐに行くわ」
侍女と共に応接間に行くと、部屋にはお兄様がいて、会っていたのにとても懐かしく感じるクリス様、ニア、それに…
「アメリアさん?確か、孤児院の子で私に会いに来てくれた…」
孤児院の横領を知るきっかけになった女の子。なんとなく、面影を感じるような…えっ、泣いて…
「ごめんなさい。私、何か悪いことを言ったみたいで…」
「…違うんです。私のことを…覚えてくれていたのが…嬉しくて…」
「彼女はあの時、君に助けられてからずっと君のことを思っていてな、君に使えたいと今はニアの直属のもと、影として任務に励んでくれていた」
「そうだったんですか。アメリアさん、ありがとう。私とこの国のために大変なことをさせてしまってごめんなさい…」
確か、彼女は私と同じ歳だったはずだ。それなのに…
「…お気になさらないでください、ソフィア様、これは私が望んだことです」
「望んで?」
「はい。ソフィア様のお役に立てるのであればどんなことでもしたいと。ソフィア様の命を守れるならその方法も教えて欲しいと頼んだのです」
「私のために…ありがとう」
「お礼を言うのは私の方です。あの時、汚かった私の手を握って、孤児院をよくしてくれたことは忘れることができません…なのに、私は…私はソフィア様に…」
「?」
「すまない。私が彼女に頼んでいたんだ。全ての責任は命令した私にある」
「クリス様?いったい何を…」
「私が!私がメアリーなのです。ソフィア様。…私が、ソフィア様を第一王子から引き離したくて、ソフィア様に冤罪を…そのせいで、あの無能からソフィア様が謂れもない罵倒を。全て、全て私のせいなのです!」
彼女がメアリーと名乗って、第一王子に近づいた。その理由が、私を第一王子から引き離すためと。つまり、彼女は私を助けてくれたのですよね。
「あなたは陰で私を助けてくれていたのですね」
「ですが、私のせいで、ソフィア様は悪役令嬢と呼ばれました!私のせいでソフィア様は死のうとして…」
「死のうとしたのは私が悪かったわ。影がついていることは知っていたから大丈夫だと思っていたのよ。今は反省しているし、もうそんなことはしないわ。それと、悪役令嬢のことだけど、誰が言っていたの?」
「えっ、第一王子とその取り巻きの三人が…それと、それと…」
「そうなのよね。私誰からも言われてないのよ。だから、アメリアが気にすることはないわ。私を助けたという事実だけを覚えておいて。それともう一つ、全部第一王子が悪いということだけ覚えておいて」
「「ブフッ」」
私が大事な話をしているのに、お兄様もクリス様もどうして笑っているのでしょうか?失礼ですよ!私が睨んだら、クリス様は少し耐えようとしていますが、横で気にせず笑っているお兄様のせいで、耐えるのは難しいみたいです。あとでお母様に言って、お兄様には罰を受けてもらわないと…
ええ、あの人の話を全く聞かず、何もしないのに自分が偉いと思っており、婚約者がいるにも関わらず、平気で浮気をしながら、冤罪をかけてくる、頭の中身が全くない方が悪いのです!
ふぅ、少し、落ち着きました。さすがお母様ですね。クリス様と会うのは嬉しいことなのです。ですから、不安なことは考えないようにしましょう。
「お嬢様、クリス殿下が参りました」
「ありがとう、サリー。すぐに行くわ」
侍女と共に応接間に行くと、部屋にはお兄様がいて、会っていたのにとても懐かしく感じるクリス様、ニア、それに…
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確か、彼女は私と同じ歳だったはずだ。それなのに…
「…お気になさらないでください、ソフィア様、これは私が望んだことです」
「望んで?」
「はい。ソフィア様のお役に立てるのであればどんなことでもしたいと。ソフィア様の命を守れるならその方法も教えて欲しいと頼んだのです」
「私のために…ありがとう」
「お礼を言うのは私の方です。あの時、汚かった私の手を握って、孤児院をよくしてくれたことは忘れることができません…なのに、私は…私はソフィア様に…」
「?」
「すまない。私が彼女に頼んでいたんだ。全ての責任は命令した私にある」
「クリス様?いったい何を…」
「私が!私がメアリーなのです。ソフィア様。…私が、ソフィア様を第一王子から引き離したくて、ソフィア様に冤罪を…そのせいで、あの無能からソフィア様が謂れもない罵倒を。全て、全て私のせいなのです!」
彼女がメアリーと名乗って、第一王子に近づいた。その理由が、私を第一王子から引き離すためと。つまり、彼女は私を助けてくれたのですよね。
「あなたは陰で私を助けてくれていたのですね」
「ですが、私のせいで、ソフィア様は悪役令嬢と呼ばれました!私のせいでソフィア様は死のうとして…」
「死のうとしたのは私が悪かったわ。影がついていることは知っていたから大丈夫だと思っていたのよ。今は反省しているし、もうそんなことはしないわ。それと、悪役令嬢のことだけど、誰が言っていたの?」
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「そうなのよね。私誰からも言われてないのよ。だから、アメリアが気にすることはないわ。私を助けたという事実だけを覚えておいて。それともう一つ、全部第一王子が悪いということだけ覚えておいて」
「「ブフッ」」
私が大事な話をしているのに、お兄様もクリス様もどうして笑っているのでしょうか?失礼ですよ!私が睨んだら、クリス様は少し耐えようとしていますが、横で気にせず笑っているお兄様のせいで、耐えるのは難しいみたいです。あとでお母様に言って、お兄様には罰を受けてもらわないと…
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