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アメリア視点

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 私は先生に連れられて王城に来ている。王城といっとも、よく報告に来ていた第二王子殿下の部屋です。

 先生は次の仕事場と言っていたので、今度は殿下の護衛か、また別の貴族のところに潜入か。どちらにせよ、ソフィア様とはまだ関われないようです。はぁ。

「クリス様、アメリアを連れて来ましたよ」
「ああ、ありがとう、ニア。ん、まて、アメリアとは誰だ」
「ソフィア様に思い出してもらって浮かれすぎているんですか?」
「う、うるさい!今はそのことは関係ないだろ」
「へぇ、ソフィア様に思い出してもらったんですね。ヘタレ王子」
「お前、メアリーだな!部屋にいるんだろう。出てこい!」
「私を配下にしたいのならば、見つけたらどうですか?」

 ソフィア様に好かれているこの王子はやっぱり好きになれない。もう少しソフィア様に忘れられていたらよかったのに…

「その前に一応、名目上は俺の配下なのだから、この部屋で隠れるのはやめろ!」
「アメリア、やめなさい」
「先生はいつからこの方を主人にしたのですか?」
「私の主人がクリス様を想っていると言っていたのです。なら、私が支える理由になるでしょう?」
「まて、フィーア姉様は僕のことを想ってると言っていたのか?」
「…クリス様、今日アメリアを呼んだ理由を早く話してください」
「お前…、まあいい。アメリア、今日までご苦労様だった。それで…だ。明日、僕と一緒にフィーア姉様のところに行ってもらう」

 えっ、ソフィア様に会える。けど、今は第一王子との関係でソフィア様に冤罪をかけているのですが……
 血の気が引くのがわかる。

「心配するな。愚兄のことに関しては僕からちゃんと説明する。アメリアにはこれからはフィーア姉様の護衛として、専属侍女となってもらうつもりだ」
「…いいのですか?私は…」
「アレンを通して、ローズ家当主には許可を取ってある。それに、お前の働きは十分だ。それに、ニアからもお墨付きをもらっているからな。同年代として、フィーア姉様を守って欲しい」
「ありがとうございます。……クリス様」
「とはいえ、僕も久しぶりにフィーア姉様と話すからしっかりとしたフォローできるかどうかは分からないがな」
「……ヘタレ腹黒王子。帰ります」
「お前、何か増えたぞ!その名前をフィーア姉様の前で呼ぶなよ!」

 やっぱりあの王子は好きになれない。どうしてソフィア様は…
 
 そうだ。ソフィア様を泣かせたら私が連れ去ろう。あのヘタレ腹黒王子に絶対に見つからないようにしよう。
 
 だから、ソフィア様を泣かせるようなことはしないでくださいね。クリス様。
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