27 / 43
アメリア視点
しおりを挟む
私は先生に連れられて王城に来ている。王城といっとも、よく報告に来ていた第二王子殿下の部屋です。
先生は次の仕事場と言っていたので、今度は殿下の護衛か、また別の貴族のところに潜入か。どちらにせよ、ソフィア様とはまだ関われないようです。はぁ。
「クリス様、アメリアを連れて来ましたよ」
「ああ、ありがとう、ニア。ん、まて、アメリアとは誰だ」
「ソフィア様に思い出してもらって浮かれすぎているんですか?」
「う、うるさい!今はそのことは関係ないだろ」
「へぇ、ソフィア様に思い出してもらったんですね。ヘタレ王子」
「お前、メアリーだな!部屋にいるんだろう。出てこい!」
「私を配下にしたいのならば、見つけたらどうですか?」
ソフィア様に好かれているこの王子はやっぱり好きになれない。もう少しソフィア様に忘れられていたらよかったのに…
「その前に一応、名目上は俺の配下なのだから、この部屋で隠れるのはやめろ!」
「アメリア、やめなさい」
「先生はいつからこの方を主人にしたのですか?」
「私の主人がクリス様を想っていると言っていたのです。なら、私が支える理由になるでしょう?」
「まて、フィーア姉様は僕のことを想ってると言っていたのか?」
「…クリス様、今日アメリアを呼んだ理由を早く話してください」
「お前…、まあいい。アメリア、今日までご苦労様だった。それで…だ。明日、僕と一緒にフィーア姉様のところに行ってもらう」
えっ、ソフィア様に会える。けど、今は第一王子との関係でソフィア様に冤罪をかけているのですが……
血の気が引くのがわかる。
「心配するな。愚兄のことに関しては僕からちゃんと説明する。アメリアにはこれからはフィーア姉様の護衛として、専属侍女となってもらうつもりだ」
「…いいのですか?私は…」
「アレンを通して、ローズ家当主には許可を取ってある。それに、お前の働きは十分だ。それに、ニアからもお墨付きをもらっているからな。同年代として、フィーア姉様を守って欲しい」
「ありがとうございます。……クリス様」
「とはいえ、僕も久しぶりにフィーア姉様と話すからしっかりとしたフォローできるかどうかは分からないがな」
「……ヘタレ腹黒王子。帰ります」
「お前、何か増えたぞ!その名前をフィーア姉様の前で呼ぶなよ!」
やっぱりあの王子は好きになれない。どうしてソフィア様は…
そうだ。ソフィア様を泣かせたら私が連れ去ろう。あのヘタレ腹黒王子に絶対に見つからないようにしよう。
だから、ソフィア様を泣かせるようなことはしないでくださいね。クリス様。
先生は次の仕事場と言っていたので、今度は殿下の護衛か、また別の貴族のところに潜入か。どちらにせよ、ソフィア様とはまだ関われないようです。はぁ。
「クリス様、アメリアを連れて来ましたよ」
「ああ、ありがとう、ニア。ん、まて、アメリアとは誰だ」
「ソフィア様に思い出してもらって浮かれすぎているんですか?」
「う、うるさい!今はそのことは関係ないだろ」
「へぇ、ソフィア様に思い出してもらったんですね。ヘタレ王子」
「お前、メアリーだな!部屋にいるんだろう。出てこい!」
「私を配下にしたいのならば、見つけたらどうですか?」
ソフィア様に好かれているこの王子はやっぱり好きになれない。もう少しソフィア様に忘れられていたらよかったのに…
「その前に一応、名目上は俺の配下なのだから、この部屋で隠れるのはやめろ!」
「アメリア、やめなさい」
「先生はいつからこの方を主人にしたのですか?」
「私の主人がクリス様を想っていると言っていたのです。なら、私が支える理由になるでしょう?」
「まて、フィーア姉様は僕のことを想ってると言っていたのか?」
「…クリス様、今日アメリアを呼んだ理由を早く話してください」
「お前…、まあいい。アメリア、今日までご苦労様だった。それで…だ。明日、僕と一緒にフィーア姉様のところに行ってもらう」
えっ、ソフィア様に会える。けど、今は第一王子との関係でソフィア様に冤罪をかけているのですが……
血の気が引くのがわかる。
「心配するな。愚兄のことに関しては僕からちゃんと説明する。アメリアにはこれからはフィーア姉様の護衛として、専属侍女となってもらうつもりだ」
「…いいのですか?私は…」
「アレンを通して、ローズ家当主には許可を取ってある。それに、お前の働きは十分だ。それに、ニアからもお墨付きをもらっているからな。同年代として、フィーア姉様を守って欲しい」
「ありがとうございます。……クリス様」
「とはいえ、僕も久しぶりにフィーア姉様と話すからしっかりとしたフォローできるかどうかは分からないがな」
「……ヘタレ腹黒王子。帰ります」
「お前、何か増えたぞ!その名前をフィーア姉様の前で呼ぶなよ!」
やっぱりあの王子は好きになれない。どうしてソフィア様は…
そうだ。ソフィア様を泣かせたら私が連れ去ろう。あのヘタレ腹黒王子に絶対に見つからないようにしよう。
だから、ソフィア様を泣かせるようなことはしないでくださいね。クリス様。
18
お気に入りに追加
284
あなたにおすすめの小説
嘘を囁いた唇にキスをした。それが最後の会話だった。
わたあめ
恋愛
ジェレマイア公爵家のヒルトンとアールマイト伯爵家のキャメルはお互い17の頃に婚約を誓た。しかし、それは3年後にヒルトンの威勢の良い声と共に破棄されることとなる。
「お前が私のお父様を殺したんだろう!」
身に覚えがない罪に問われ、キャメルは何が何だか分からぬまま、隣国のエセルター領へと亡命することとなった。しかし、そこは異様な国で...?
※拙文です。ご容赦ください。
※この物語はフィクションです。
※作者のご都合主義アリ
※三章からは恋愛色強めで書いていきます。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
婚約者の態度が悪いので婚約破棄を申し出たら、えらいことになりました
神村 月子
恋愛
貴族令嬢アリスの婚約者は、毒舌家のラウル。
彼と会うたびに、冷たい言葉を投げつけられるし、自分よりも妹のソフィといるほうが楽しそうな様子を見て、アリスはとうとう心が折れてしまう。
「それならば、自分と妹が婚約者を変わればいいのよ」と思い付いたところから、えらいことになってしまうお話です。
登場人物たちの不可解な言動の裏に何があるのか、謎解き感覚でお付き合いください。
※当作品は、「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載しています
【短編】悪役令嬢と蔑まれた私は史上最高の遺書を書く
とによ
恋愛
婚約破棄され、悪役令嬢と呼ばれ、いじめを受け。
まさに不幸の役満を食らった私――ハンナ・オスカリウスは、自殺することを決意する。
しかし、このままただで死ぬのは嫌だ。なにか私が生きていたという爪痕を残したい。
なら、史上最高に素晴らしい出来の遺書を書いて、自殺してやろう!
そう思った私は全身全霊で遺書を書いて、私の通っている魔法学園へと自殺しに向かった。
しかし、そこで謎の美男子に見つかってしまい、しまいには遺書すら読まれてしまう。
すると彼に
「こんな遺書じゃダメだね」
「こんなものじゃ、誰の記憶にも残らないよ」
と思いっきりダメ出しをされてしまった。
それにショックを受けていると、彼はこう提案してくる。
「君の遺書を最高のものにしてみせる。その代わり、僕の研究を手伝ってほしいんだ」
これは頭のネジが飛んでいる彼について行った結果、彼と共に歴史に名を残してしまう。
そんなお話。
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
【完結】妹が欲しがるならなんでもあげて令嬢生活を満喫します。それが婚約者の王子でもいいですよ。だって…
西東友一
恋愛
私の妹は昔から私の物をなんでも欲しがった。
最初は私もムカつきました。
でも、この頃私は、なんでもあげるんです。
だって・・・ね
【第一章完結】相手を間違えたと言われても困りますわ。返品・交換不可とさせて頂きます
との
恋愛
「結婚おめでとう」 婚約者と義妹に、笑顔で手を振るリディア。
(さて、さっさと逃げ出すわよ)
公爵夫人になりたかったらしい義妹が、代わりに結婚してくれたのはリディアにとっては嬉しい誤算だった。
リディアは自分が立ち上げた商会ごと逃げ出し、新しい商売を立ち上げようと張り切ります。
どこへ行っても何かしらやらかしてしまうリディアのお陰で、秘書のセオ達と侍女のマーサはハラハラしまくり。
結婚を申し込まれても・・
「困った事になったわね。在地剰余の話、しにくくなっちゃった」
「「はあ? そこ?」」
ーーーーーー
設定かなりゆるゆる?
第一章完結
一体だれが悪いのか?それはわたしと言いました
LIN
恋愛
ある日、国民を苦しめて来たという悪女が処刑された。身分を笠に着て、好き勝手にしてきた第一王子の婚約者だった。理不尽に虐げられることもなくなり、ようやく平和が戻ったのだと、人々は喜んだ。
その後、第一王子は自分を支えてくれる優しい聖女と呼ばれる女性と結ばれ、国王になった。二人の優秀な側近に支えられて、三人の子供達にも恵まれ、幸せしか無いはずだった。
しかし、息子である第一王子が嘗ての悪女のように不正に金を使って豪遊していると報告を受けた国王は、王族からの追放を決めた。命を取らない事が温情だった。
追放されて何もかもを失った元第一王子は、王都から離れた。そして、その時の出会いが、彼の人生を大きく変えていくことになる…
※いきなり処刑から始まりますのでご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる