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<現代編>
4.それはまるで夢のように
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……今日は疲れた。かなり疲れた。生きてきた中で1、2を争うんじゃないかってくらい疲れた
やっぱり何かを考えることはオレに向いてないみたいだ
「ただいまーーー……」リビングに続くドアを開ける
ネクタイを緩め制服を脱ぎ、そのまま洗濯機に放り込む──と言っても、ワイシャツだけなのだが
次にタンスから適当な部屋着を抜き取り、それに身を包む
大きなため息をつきながらソファーに座ると、しばらくして頭上から声が聞こえてきた
「お帰り誠司。あら珍しい。アンタにも元気がないことなんてあるのねえ。明日は雨かしら。ふふっ」
──この人、ちょくちょく冗談挟んでくるんだよな
こっちは真面目に考えてるっつーのに
「何言ってんだ。母さんからどう見えてるか分からないけど、オレにだって悩みの一つや二つあるっつーの」
あんな変な話さっさと忘れたほうがいい……とは思っているが、どうも引っかかることがあって仕方ねえ。アレは確か──
「へぇ? そっか」
『何か』を記憶の底から引きずり出そうとしていると、母さんがニヤニヤした顔でこっちを見てきた
オレは一瞬のうちに、現実へと戻された
「な、なんだよ。言いたいことがあるなら言えよ」
「べっつにぃ~?」
──おい、何が『べっつにぃ~?』だ。絶対何か考えてるだろ
「……ただ」
「ただ?」
「何か悩みがあるんなら言いなさいよ? 家族はいつだって、アンタの味方なんだから」
「んーーーーっ! ………はぁ」
部屋に戻るやすぐに、うつ伏せで倒れこんた
「イテッ」──とはいえすぐ下はフローリングの床だ。おかげで思いっきり額を打ってしまった
「ううっ、んん……」
顔を横に向けると、モニターには『17:30』と表示されていた
晩飯までは1時間少しといったところだろうか。特段やることもないし、このまま寝てしまうか
いつもなら漫画を読んでいるところなのだが、それすらやる気になれない
仰向けになって目を閉じると、どこからか声が聞こえてきた
『待ってろレヴィ。俺が必ずお前を───』
「ガハッ───」はっきりとしたその声に、目を覚ましてしまった
今の時間は……モニターに表示されている時刻は、今まさに『18:00』と切り替わらんとしていた
いつの間にかそんなに眠ってしまっていたのか……その割には寝た気がしないけれど
それにしても、今のは一体───
辺りを見回すが、人の姿はない。当たり前だ。生まれてこの方ずっと一人っ子なんだから
となると、勝手にゲームが作動したのか……しかし、ここに入ってから一度もPCの電源はつけていない
「ハハ……やっぱ疲れてんのかなオレ……」
せっかく起きたし、やりかけたまま放置しているゲームの続きでもしようか。
そんなことを考えつつ、棚から一つのパッケージを取り出す。『超大作RPG』と銘打たれた、長年語り継がれる不朽の名作。そのシリーズの最新作だ。もう何周したか分からない
ゲーム機本体とモニターの電源を入れ、起動準備が完了すると同時にカセットを中に入れる。
次に壁にかけている無線コントローラーを用意する。充電は……うん、バッチリ。
よし。準備は整った。ベッドに腰かけ──
「ヴ!?」妙な物音がした。
いや。物音というよりかは、人の声……?
「な、なんだ?」再度辺りを見回すものの、やはりそこには誰もいなかった
幻聴まで……。これは流石に病院に行こう──と思いながら続きをやっていると。
「幻聴とは失礼な。少年。事情を説明したいから……まずはそこをどいてくれないだろうか」
下の方から、さっきより強い声が聞こえてきた
そこを覗いてみると、鋭い光と目が合った
「うおっ!?」驚きのあまり背中から転げてしまった
さっきまでオレが座っていたところに立っているのは「黒いタイツに黒いマント」という、誰がどう見てもセンスを疑うような恰好をした男だった
そして顔には、カラスのような狸のような、こちらもよく分からないデザインの仮面をかけられている
他人のセンスにとやかく口出しをする気は毛頭ないが──どこをどう取っても、とてつもなくダサい。まあボディの方は色の統一感がある分、まだ許せるが
でもこれだったらアイツが選ぶ『機能性を考えるとこの組み合わせが一番』っつって、上下の色合いを考えず着てきた服の方がまだマシだ──あの時は周りの視線が痛くて、隣を歩くのがキツかったなあ
……などと考えていると、仮面男(仮)は、『シュコォ』という、ガスマスクのような音と同時に言葉を発した
「よいしょ……っと。ふぅ。やっと出られた……まったく。人が今からかっこよく登場しようとしてたのに。出口を塞ぐだなんて意地が悪いなあ。……あ。もしかしてキミ、他人が嫌がることをするのがシュミだったりするのかい? いやあダメだ。それはダメだよキミ。そんなんじゃあ我みたいに友だちなくすよ?」
いきなり現れた変質者は、オレを正座させると急に語り始めた。
──いきなり現れてなんなんだコイツは。初めて会った相手に『友達をなくす』とは失礼な。これでもクラスの奴らとはそこそこ仲良くやっている。
というか『我』ってなんだよ。かっこいいと思っているだろうがな、多分それ流行らんぞ。なんか金ぴかの鎧着てそうだな
「それで、あなたは誰なんですか? なんでここにいるんですか? 不審者ですか?」
予め110番を押したスマホを右手に持ちながら聞いた。
「ま、待ってくれ。我はなにも、怪しい者じゃないぞ」
仮面男──3年前やったゲームの雑魚敵の名前だ──は全力で否定する……が、ドラマでこういう奴は大抵クロと相場が決まっている
「そんなヘンテコな格好をして、しかも仮面付けながら言われても説得力無いんですけど!」
今どき、どっかの民族みたいなデザインの仮面を付けて(健全な)男子高校生の部屋に現れるなんて、不審者以外ありえないだろう
まあ自分がイケメンなのは認めるけどさ? 男にモテたいとは微塵も思ったことはない
しかもこんなどこから出てきたかも知れないおっさんなんて以ての外だ
「すまない。これは訳あって外せないんだ」
「本当か? そんなこと言って、この場をやり過ごそうって思ってるんじゃないか?」
オレは仮面男(仮)にじりじりと近づき、手を伸ばす
「ち、違う! 本当に、外せないんだ! だから──」
「もう遅おおい!」オレは仮面の中を覗き──、すぐに戻した
「言っただろう? この仮面は外せない。いや、外してはいけないんだ」
『中身__・__#』を見てしまったオレはなんだか申し訳ない気分になってしまって、再びその場に正座した
「ゴホン」。仮面男(仮)は声のトーンを戻した
「すっかり自己紹介が遅れたな。初めまして。我は『イグノトフスキー』。長いし"ノト"でいいよ。さっきはごめんね。驚かせてしまっただろう?」
「こちらこそごめんなさい。言い訳になってしまうのですが、悪気はなかったというか、その……」
オレは、このシチュエーションを何度も、何度も、繰り返してきた
──ああ、まただ。また、見放される──
「大丈夫だよ。オキモトセイジくん」
俯いていると、ノトと名乗る男は右手を頭に乗せてきた
──あれ? コイツとは初対面だよな
「何でオレの名前知って──」
オレが少し元気を取り戻したのを確認したのだろうか。ノトは両手を広げ、声高らかに叫んだ
「そりゃあ、ここに来る前にキミの事を調べたからさ! 身長・体重・生年月日。好きな食べ物や嫌いな事! ……ああ、『経験人数』なんて項目もあったかなあ?」
ヒッ。一瞬、肝が冷えかけた
同性のプライバシーを調べる男なんて聞いたことが無い。もしかしてオレ、かなりヤバいやつと会話してるんじゃ……
そう思ったとたん、オレの右手は再び携帯に伸びていった
「それで、そこまで調べて何が目的なんですか。お金ですか」
「いや、金品なんざ興味はないさ。自分にとっては、価値の無いものだからね。ただ──キミに、どうしても頼みたいことがあってね。だからこうして、会いに来たって訳さ」
『会いに来た』って……まあいいや
「それで『頼みたいこと』ってなんですか?」
誰もが抱くだろう疑問を口にする
「おっ、聞いてくれるのかい? いやー、助かるよ。最近の若者はこっちの事情すら考えずに警察に電話しちゃうからね。おかげでほら、ここ一帯のおまわりさんとは仲良しなんだ」
「いやまあ。オレだって牢屋にぶち込んでやりたいとこなんスけど」
──実際、何度も通報しかけたからな
「でも、さっきあんなことしちゃって。さすがに悪いなと感じてしまって……」
「ああ、そういうこと! もう気にしなくていいよ。よし、じゃあ頼みごとの中身についてなんだけどね」
この人に罪悪感があるのでさっきはあんなことを言ってしまったが、一体どんなことを頼まれるのだろうか。
まさか、人を殺めるなんてこと──
「でもその前に伝えておきたいんだけど。最近カイブツ騒動が起きているだろう?
あれ────実話だよ」
やっぱり何かを考えることはオレに向いてないみたいだ
「ただいまーーー……」リビングに続くドアを開ける
ネクタイを緩め制服を脱ぎ、そのまま洗濯機に放り込む──と言っても、ワイシャツだけなのだが
次にタンスから適当な部屋着を抜き取り、それに身を包む
大きなため息をつきながらソファーに座ると、しばらくして頭上から声が聞こえてきた
「お帰り誠司。あら珍しい。アンタにも元気がないことなんてあるのねえ。明日は雨かしら。ふふっ」
──この人、ちょくちょく冗談挟んでくるんだよな
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「へぇ? そっか」
『何か』を記憶の底から引きずり出そうとしていると、母さんがニヤニヤした顔でこっちを見てきた
オレは一瞬のうちに、現実へと戻された
「な、なんだよ。言いたいことがあるなら言えよ」
「べっつにぃ~?」
──おい、何が『べっつにぃ~?』だ。絶対何か考えてるだろ
「……ただ」
「ただ?」
「何か悩みがあるんなら言いなさいよ? 家族はいつだって、アンタの味方なんだから」
「んーーーーっ! ………はぁ」
部屋に戻るやすぐに、うつ伏せで倒れこんた
「イテッ」──とはいえすぐ下はフローリングの床だ。おかげで思いっきり額を打ってしまった
「ううっ、んん……」
顔を横に向けると、モニターには『17:30』と表示されていた
晩飯までは1時間少しといったところだろうか。特段やることもないし、このまま寝てしまうか
いつもなら漫画を読んでいるところなのだが、それすらやる気になれない
仰向けになって目を閉じると、どこからか声が聞こえてきた
『待ってろレヴィ。俺が必ずお前を───』
「ガハッ───」はっきりとしたその声に、目を覚ましてしまった
今の時間は……モニターに表示されている時刻は、今まさに『18:00』と切り替わらんとしていた
いつの間にかそんなに眠ってしまっていたのか……その割には寝た気がしないけれど
それにしても、今のは一体───
辺りを見回すが、人の姿はない。当たり前だ。生まれてこの方ずっと一人っ子なんだから
となると、勝手にゲームが作動したのか……しかし、ここに入ってから一度もPCの電源はつけていない
「ハハ……やっぱ疲れてんのかなオレ……」
せっかく起きたし、やりかけたまま放置しているゲームの続きでもしようか。
そんなことを考えつつ、棚から一つのパッケージを取り出す。『超大作RPG』と銘打たれた、長年語り継がれる不朽の名作。そのシリーズの最新作だ。もう何周したか分からない
ゲーム機本体とモニターの電源を入れ、起動準備が完了すると同時にカセットを中に入れる。
次に壁にかけている無線コントローラーを用意する。充電は……うん、バッチリ。
よし。準備は整った。ベッドに腰かけ──
「ヴ!?」妙な物音がした。
いや。物音というよりかは、人の声……?
「な、なんだ?」再度辺りを見回すものの、やはりそこには誰もいなかった
幻聴まで……。これは流石に病院に行こう──と思いながら続きをやっていると。
「幻聴とは失礼な。少年。事情を説明したいから……まずはそこをどいてくれないだろうか」
下の方から、さっきより強い声が聞こえてきた
そこを覗いてみると、鋭い光と目が合った
「うおっ!?」驚きのあまり背中から転げてしまった
さっきまでオレが座っていたところに立っているのは「黒いタイツに黒いマント」という、誰がどう見てもセンスを疑うような恰好をした男だった
そして顔には、カラスのような狸のような、こちらもよく分からないデザインの仮面をかけられている
他人のセンスにとやかく口出しをする気は毛頭ないが──どこをどう取っても、とてつもなくダサい。まあボディの方は色の統一感がある分、まだ許せるが
でもこれだったらアイツが選ぶ『機能性を考えるとこの組み合わせが一番』っつって、上下の色合いを考えず着てきた服の方がまだマシだ──あの時は周りの視線が痛くて、隣を歩くのがキツかったなあ
……などと考えていると、仮面男(仮)は、『シュコォ』という、ガスマスクのような音と同時に言葉を発した
「よいしょ……っと。ふぅ。やっと出られた……まったく。人が今からかっこよく登場しようとしてたのに。出口を塞ぐだなんて意地が悪いなあ。……あ。もしかしてキミ、他人が嫌がることをするのがシュミだったりするのかい? いやあダメだ。それはダメだよキミ。そんなんじゃあ我みたいに友だちなくすよ?」
いきなり現れた変質者は、オレを正座させると急に語り始めた。
──いきなり現れてなんなんだコイツは。初めて会った相手に『友達をなくす』とは失礼な。これでもクラスの奴らとはそこそこ仲良くやっている。
というか『我』ってなんだよ。かっこいいと思っているだろうがな、多分それ流行らんぞ。なんか金ぴかの鎧着てそうだな
「それで、あなたは誰なんですか? なんでここにいるんですか? 不審者ですか?」
予め110番を押したスマホを右手に持ちながら聞いた。
「ま、待ってくれ。我はなにも、怪しい者じゃないぞ」
仮面男──3年前やったゲームの雑魚敵の名前だ──は全力で否定する……が、ドラマでこういう奴は大抵クロと相場が決まっている
「そんなヘンテコな格好をして、しかも仮面付けながら言われても説得力無いんですけど!」
今どき、どっかの民族みたいなデザインの仮面を付けて(健全な)男子高校生の部屋に現れるなんて、不審者以外ありえないだろう
まあ自分がイケメンなのは認めるけどさ? 男にモテたいとは微塵も思ったことはない
しかもこんなどこから出てきたかも知れないおっさんなんて以ての外だ
「すまない。これは訳あって外せないんだ」
「本当か? そんなこと言って、この場をやり過ごそうって思ってるんじゃないか?」
オレは仮面男(仮)にじりじりと近づき、手を伸ばす
「ち、違う! 本当に、外せないんだ! だから──」
「もう遅おおい!」オレは仮面の中を覗き──、すぐに戻した
「言っただろう? この仮面は外せない。いや、外してはいけないんだ」
『中身__・__#』を見てしまったオレはなんだか申し訳ない気分になってしまって、再びその場に正座した
「ゴホン」。仮面男(仮)は声のトーンを戻した
「すっかり自己紹介が遅れたな。初めまして。我は『イグノトフスキー』。長いし"ノト"でいいよ。さっきはごめんね。驚かせてしまっただろう?」
「こちらこそごめんなさい。言い訳になってしまうのですが、悪気はなかったというか、その……」
オレは、このシチュエーションを何度も、何度も、繰り返してきた
──ああ、まただ。また、見放される──
「大丈夫だよ。オキモトセイジくん」
俯いていると、ノトと名乗る男は右手を頭に乗せてきた
──あれ? コイツとは初対面だよな
「何でオレの名前知って──」
オレが少し元気を取り戻したのを確認したのだろうか。ノトは両手を広げ、声高らかに叫んだ
「そりゃあ、ここに来る前にキミの事を調べたからさ! 身長・体重・生年月日。好きな食べ物や嫌いな事! ……ああ、『経験人数』なんて項目もあったかなあ?」
ヒッ。一瞬、肝が冷えかけた
同性のプライバシーを調べる男なんて聞いたことが無い。もしかしてオレ、かなりヤバいやつと会話してるんじゃ……
そう思ったとたん、オレの右手は再び携帯に伸びていった
「それで、そこまで調べて何が目的なんですか。お金ですか」
「いや、金品なんざ興味はないさ。自分にとっては、価値の無いものだからね。ただ──キミに、どうしても頼みたいことがあってね。だからこうして、会いに来たって訳さ」
『会いに来た』って……まあいいや
「それで『頼みたいこと』ってなんですか?」
誰もが抱くだろう疑問を口にする
「おっ、聞いてくれるのかい? いやー、助かるよ。最近の若者はこっちの事情すら考えずに警察に電話しちゃうからね。おかげでほら、ここ一帯のおまわりさんとは仲良しなんだ」
「いやまあ。オレだって牢屋にぶち込んでやりたいとこなんスけど」
──実際、何度も通報しかけたからな
「でも、さっきあんなことしちゃって。さすがに悪いなと感じてしまって……」
「ああ、そういうこと! もう気にしなくていいよ。よし、じゃあ頼みごとの中身についてなんだけどね」
この人に罪悪感があるのでさっきはあんなことを言ってしまったが、一体どんなことを頼まれるのだろうか。
まさか、人を殺めるなんてこと──
「でもその前に伝えておきたいんだけど。最近カイブツ騒動が起きているだろう?
あれ────実話だよ」
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