出来損ないのなり損ない

月影八雲

文字の大きさ
上 下
4 / 13
1.5章

その3

しおりを挟む
「ごちそうさま。あ~、美味かった。母さん、いつもありがとう」

ご飯がおいしいのは本当だ。
母さんは料理が趣味らしく、たまにお菓子やケーキなども作ってくれる。
──そういえば一昨年の誕生日ケーキも、母の自作だったっけ

「ふふ、それはよかったわ。ね、あなたはどう? 美味かった?」


「ああ。美味かったよ。いつもありがとうな」


この人たちはいつもお気楽だ。


「それはそうと、紘一」


母が俺に何かを聞こうとする。


「何?」


「あなた、将来やりたいことはあるの?」


「え?」


何を言っているんだ、この人は。俺のやりたいことは─。


続いて、父さんが口を開く。


「成績もいいし素行もいいお前の事だ。行こうと思えば大学でも行けるだろうが……、せっかく行くんだ、何か目的意識を持たないとな」

「そうよ、偉い人も言っていたじゃない? ちゃんと目標があれば、勉強にも身が入というものなのよ」
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

白薔薇の紋章

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:4

魔王が生まれ変わったら父が勇者で母が聖女だった

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:19

花と十字架の想い

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

内閣総理大臣喜多川信隆ー乾坤一擲スピンオフー

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:52

全知全能の知的謙遜

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

えっ?木の棒で異世界を冒険するんですか?

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:4

処理中です...