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浅い法華経33(日蓮についての蓮の考察①)
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法華経が佳境に入る前に、蓮は並行して行う作業、つまり日蓮についての再考察を始めた。
「私の名前、いやに日蓮に似てるわね」
蓮は苦笑して作業を始めた。
そもそもあのメモの筆跡が2つということがずっと引っかかっている。
しかも同一のメモの中で筆跡が変わっているという。それならば複数の人間が書いたとは思えない。
極端に言えば、いちいち一文字一文字を交互にふたりで書くだろうか?そしてそれになんの意味がある?そう単純に思ったからだ。
すると同じ人間の中に複数の人間がいたのだろうか?だとしたら考えられることはひとつしかない。
「二重人格」
この病的な呼び名の現象だけだ。
ここで蓮は、宗教の特異性を思った。
そもそも宗教は古代の人間が、自然現象に対して抱いた畏怖の念から始まったと言われる。
「大雨」「台風」「落雷」「日照り」
天変地異とも言えるその現象は、何かとてつもない者の意思が関わっていると考えた人間の中に「神仏」という観念が生まれたのがそもそもの始まりだ。
だから宗教には「不思議」とか「不可思議」とかいう、科学を受け入れない部分がある。
ならばこの「二重メモ」も、科学の介入を拒むものだろうか?
話を日蓮に戻すと、蓮の浮かべたこの言葉通りだとすると日蓮は二重人格者だったということになる。
それは一般的に知られている日蓮と、知られていない日蓮という二重人格なのか、どちらも知られている日蓮の分裂性格なのかは分からないが、蓮は一番目の考えで思考を進めることにした。その方が作業の内容が分かりやすいからだ。
まずはよく知られた日蓮の軌跡についてをざっと記してみる。
「私の名前、いやに日蓮に似てるわね」
蓮は苦笑して作業を始めた。
そもそもあのメモの筆跡が2つということがずっと引っかかっている。
しかも同一のメモの中で筆跡が変わっているという。それならば複数の人間が書いたとは思えない。
極端に言えば、いちいち一文字一文字を交互にふたりで書くだろうか?そしてそれになんの意味がある?そう単純に思ったからだ。
すると同じ人間の中に複数の人間がいたのだろうか?だとしたら考えられることはひとつしかない。
「二重人格」
この病的な呼び名の現象だけだ。
ここで蓮は、宗教の特異性を思った。
そもそも宗教は古代の人間が、自然現象に対して抱いた畏怖の念から始まったと言われる。
「大雨」「台風」「落雷」「日照り」
天変地異とも言えるその現象は、何かとてつもない者の意思が関わっていると考えた人間の中に「神仏」という観念が生まれたのがそもそもの始まりだ。
だから宗教には「不思議」とか「不可思議」とかいう、科学を受け入れない部分がある。
ならばこの「二重メモ」も、科学の介入を拒むものだろうか?
話を日蓮に戻すと、蓮の浮かべたこの言葉通りだとすると日蓮は二重人格者だったということになる。
それは一般的に知られている日蓮と、知られていない日蓮という二重人格なのか、どちらも知られている日蓮の分裂性格なのかは分からないが、蓮は一番目の考えで思考を進めることにした。その方が作業の内容が分かりやすいからだ。
まずはよく知られた日蓮の軌跡についてをざっと記してみる。
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