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蚊取り線香

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火をつけてその香りを嗅ぐたびに、煙と一緒に艶めかしい思い出が立ち昇る。
思い出に浸ることを邪魔する者は遠慮なく殺しますよと、煙は蚊を探して蛇のようにくねくねと動いている。
でもその思い出、みんな蚊と一緒にあったはずなのにね。
煙を吸って死んで行った蚊のことなんて、何も覚えていない。
もしかして蚊取り線香は、そんな蚊の供養に供えているのかな?
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