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怪談
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駅の人混みを、揉まれながら歩く。
前の人に続いて階段を昇る。
と、途中で止まった。
すると階段が浮き上がり、見たらマッチョが何人もで階段を担ぎ上げている。
マッチョは自分らの足もとの階段を、私らを乗せた階段を担ぎながら上がって行く。
「え?」
私は何が起こったのか理解出来ない。
上に着いて、マッチョは私らが乗っている階段を下す。
私らは昇っていたはずの階段を降りることになるのだが、私を除く誰もがこの現象を疑わずに、普通に階段を降りてまた歩み始めた。
空になった階段をマッチョはまた担いで、さっき昇った階段を降り止まる。
そして階段を担いだまま座ると、風景は元通りになった。
またマッチョが階段を担ぎ上げるのかなと思ってしばらく眺めていたが、もうマッチョは現れなかった。
下からは次々と人並みが昇って来て、ドンドンと私に当たる。
「いったいあれはなんだったんだ?」
私は首をひねりながら歩き直した。そしてまた階段を上がったのだが、そこでも同じ現象が起こった。しかもまた私を除く誰もが当然のように階段を降り、歩みを進めた。
「私だけがおかしいのか?」
次に階段を昇った時も同じ。その次も同じで、しまいに私はそれが当たり前なんだと思うようになっていた。
そんな状況が何百回も続いたある日、私は階段を昇るのだが前を行く誰も止まらない。
「あれあれ?」
もう階段はあと数段で終わってしまうのにマッチョは出て来ない。おかしい、止まらなきゃと思った時には、私は階段を昇り終えたところだった。
慌てて止まった。
振り向くと…
階段を担ぎ迫るマッチョたちがいた。
マッチョの上の階段には何百人もの人間がいたはずだが、その正確な数は分からない。
ただ思い出したのは、私が昇った階段の段数が、そういえばどれもこれも13だったことだが、その数を思い出した私の脳は…
「執行終了!」
前の人に続いて階段を昇る。
と、途中で止まった。
すると階段が浮き上がり、見たらマッチョが何人もで階段を担ぎ上げている。
マッチョは自分らの足もとの階段を、私らを乗せた階段を担ぎながら上がって行く。
「え?」
私は何が起こったのか理解出来ない。
上に着いて、マッチョは私らが乗っている階段を下す。
私らは昇っていたはずの階段を降りることになるのだが、私を除く誰もがこの現象を疑わずに、普通に階段を降りてまた歩み始めた。
空になった階段をマッチョはまた担いで、さっき昇った階段を降り止まる。
そして階段を担いだまま座ると、風景は元通りになった。
またマッチョが階段を担ぎ上げるのかなと思ってしばらく眺めていたが、もうマッチョは現れなかった。
下からは次々と人並みが昇って来て、ドンドンと私に当たる。
「いったいあれはなんだったんだ?」
私は首をひねりながら歩き直した。そしてまた階段を上がったのだが、そこでも同じ現象が起こった。しかもまた私を除く誰もが当然のように階段を降り、歩みを進めた。
「私だけがおかしいのか?」
次に階段を昇った時も同じ。その次も同じで、しまいに私はそれが当たり前なんだと思うようになっていた。
そんな状況が何百回も続いたある日、私は階段を昇るのだが前を行く誰も止まらない。
「あれあれ?」
もう階段はあと数段で終わってしまうのにマッチョは出て来ない。おかしい、止まらなきゃと思った時には、私は階段を昇り終えたところだった。
慌てて止まった。
振り向くと…
階段を担ぎ迫るマッチョたちがいた。
マッチョの上の階段には何百人もの人間がいたはずだが、その正確な数は分からない。
ただ思い出したのは、私が昇った階段の段数が、そういえばどれもこれも13だったことだが、その数を思い出した私の脳は…
「執行終了!」
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