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対決11
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火がついたように凛が泣いた。
【何をする!】
僕は少年から引き剥がそうとした。
少年は僕の声に驚いて体が硬直したようだ。わけの分からないわめき声を上げて凛を掴んだままだ。
頭を掴んでいた少年の左手が滑って、凛の首を絞めるようになった。凛はゲボっと白いものを吐き出した。
僕は少年の左手を思い切り跳ね上げた。
そして凛を奪い取ると立ち上がった。
しかし凛の頭を支えていた少年の右手が残っていた。その手はまた凛の頭を掴み、その状態で少年も立ち上がって来た。僕と少年のあまりの勢いの中で、柔らかい凛の体と頭は異様な感触を伝えて…
潰れてしまったか。
凛の口の周りは白いモロモロが溢れ、ベビー服が酸っぱい匂いで濡れていた。
凛はグニャリとなって動かない。
しかし服から覗いた小さな手は、指をピク・ピクと動かしていた。
【凛!凛!】
僕はまだ頭を掴んでいる少年の右手を引き剥がした。
少年は地面に尻餅をついて倒れた。
凛はまるでラグビーの試合で選手に抱えられているボールのような状態で、僕の脇にあった。
すぐに立て抱きにして名前を呼んだ。
【凛!】
凛が一瞬、まるでお昼寝から目覚めたように眠そうに目を開けた。
(よかった)
その瞬間、僕は両手を離した。
足許の、地面から剥き出しになった、大きな石の上を、赤いものが広がって行った。
少年は全身を震わせていた。
尻餅をついたままの腰は、きっと抜けていたろう。
彼は凛が落ちる一部始終を見せられたのだから。
僕は凛を持ち上げて、着ていた服をみんな剥ぎ取った。
そしてまるで沐浴でもさせるように川辺の水に頭まで浸けた。
しばらく凛の周りの水は赤かったが、そのうち透明に戻り、仰向けの凛の顔を映した。
口と目が半開きになっていた。
一旦、凛を水から上げて、川べりの地面に置くと僕は、リュックから出刃包丁を取り出した。
再び凛を水に浸け、魚のように捌いた。
【何をする!】
僕は少年から引き剥がそうとした。
少年は僕の声に驚いて体が硬直したようだ。わけの分からないわめき声を上げて凛を掴んだままだ。
頭を掴んでいた少年の左手が滑って、凛の首を絞めるようになった。凛はゲボっと白いものを吐き出した。
僕は少年の左手を思い切り跳ね上げた。
そして凛を奪い取ると立ち上がった。
しかし凛の頭を支えていた少年の右手が残っていた。その手はまた凛の頭を掴み、その状態で少年も立ち上がって来た。僕と少年のあまりの勢いの中で、柔らかい凛の体と頭は異様な感触を伝えて…
潰れてしまったか。
凛の口の周りは白いモロモロが溢れ、ベビー服が酸っぱい匂いで濡れていた。
凛はグニャリとなって動かない。
しかし服から覗いた小さな手は、指をピク・ピクと動かしていた。
【凛!凛!】
僕はまだ頭を掴んでいる少年の右手を引き剥がした。
少年は地面に尻餅をついて倒れた。
凛はまるでラグビーの試合で選手に抱えられているボールのような状態で、僕の脇にあった。
すぐに立て抱きにして名前を呼んだ。
【凛!】
凛が一瞬、まるでお昼寝から目覚めたように眠そうに目を開けた。
(よかった)
その瞬間、僕は両手を離した。
足許の、地面から剥き出しになった、大きな石の上を、赤いものが広がって行った。
少年は全身を震わせていた。
尻餅をついたままの腰は、きっと抜けていたろう。
彼は凛が落ちる一部始終を見せられたのだから。
僕は凛を持ち上げて、着ていた服をみんな剥ぎ取った。
そしてまるで沐浴でもさせるように川辺の水に頭まで浸けた。
しばらく凛の周りの水は赤かったが、そのうち透明に戻り、仰向けの凛の顔を映した。
口と目が半開きになっていた。
一旦、凛を水から上げて、川べりの地面に置くと僕は、リュックから出刃包丁を取り出した。
再び凛を水に浸け、魚のように捌いた。
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