刺朗

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分析

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署に戻った二人はさっそくノートを確認することにした。
ノートの表紙には「治癒ノート」というタイトルらしきものがマジックで書かれていた。
「平井君、読んでもらえるかな?」
後藤の依頼に応じて、平井がノートを読み上げ始めた。
ノートは告白めいた前置きで始まり、それに続いて新聞記事のスクラップがあり、この後にセルフカウンセリングのような記述が続いていた。
告白めいた前置きはこう書かれていた。

…私「川原ろくろ」の性癖を記す。
子供は人間の原形だ。オギャーと生まれてからしばらくは、親の愛、特に母親の母性愛の中にいるから、遠慮も配慮も要らず甘え、わがままをする。
目の前にあるものをみんな欲しがり、その大半は無条件に与えてもらえる。与えてもらえないのは、生命に関わる危険だけだ。どこまでも愛に包まれている。
そんな愛の中にいた私の目の前を、ある日蟻が歩いていた。私はこの小さな生き物を可愛いと思った。だから踏み潰した。蟻は潰れて動かなくなっていた。
人間の原形は無知なものだ。そして残酷だ。無知だから優しくたしなめられる。
「そんなことをしたら蟻さんが可愛そうでしょ?」
母が優しく言った。
私はこの時、初めて「可愛そう」という言葉を知った。
「つぶれたありさんかわいそう」
母の言葉に私はこう返していたのを覚えている。
その後、かわいがっていたカエルをさんざん石で叩いて死なせては
「ぐちゃぐちゃのかえるさんかわいそう」
とか
愛用の車のおもちゃを2階から投げ捨ててバラバラにしては
「たいやがなくなったくるまさんかわいそう」
とか言っては、その後「ごめんなさい、ごめんなさい」と泣きじゃくっていた。
死んだもの、潰れたもの、壊れたものを心の中で抱きしめては愛撫していた。
それは私が成長するにつれ、可愛いものをいたぶらなければ「可愛そう。ごめんなさい」って愛せない性格に変化して行った。
私は幼稚園、小学校、中学校、そして高校、大学、社会人と、ごくありきたりのコースを歩む中で、そこでの評価は「おとなしい」「優しい」「協調性がある」「慈しみの心がある」「平和主義者」と、おおよそ蟻を潰すことからはかけ離れたものだった。
なぜなら私は、友人、教師、上司、同僚それに部下とかいわれる人間など、愛していなかったからだ。
両親と兄弟を、後に述べる不幸な事件で失った私はその後、父の兄である叔父夫婦に引き取られた。夫婦には子供がなかったので、まだ私の両親が健在だった頃から私たち兄妹を大変可愛がってくれた。そのうち私たち兄妹から1人養子をもらえないかという話も持ち上がっていた。そんな中での事件だった。
運良く命拾いした私は、図らずも叔父夫婦の養子として生きることになった。
しかし私は、叔父夫婦にも愛情が湧かなかった。だからここでも私は、虫一匹殺せない平和主義者だった。
そう、私は愛するものはいたぶりたいのだ。
私が愛せるものは、両親と、弟と妹しかいなかったのだ。あれだけいたぶって愛した家族は、もう誰一人いない。
…寂しさと共に、家族一人一人をいたぶった場面が蘇る。

「うーむ…疲れたな、平井君、コーヒーを入れてくれないか」
「はい」
後藤は目頭を押さえて何やら考え込んだ。
平井がコーヒーを持って来た。
「これは川原の告白なのかなぁ」
コーヒーを飲みながら後藤が言った。
「でしょうね」
平井はその先をパラパラめくっている。
「あんまり聞きたくない先行きの話だ」
「残酷ですよ、この先。というかかわいそうだ」
平井は開いたノートを膝に載せて手のひらで押さえた。
と、後藤は何かを思い出したように言った。
「司法解剖、えらく長いような気がするなぁ」
「あの死体の状況ですからね」
「そうだな、さ、先を読んでくれ」
「はい」

お父さん、お母さん、弟と妹…
それぞれに私は、愛するが故のいたぶりを重ねてしまった。
その中でそれぞれにしてしまった一番大きないたぶりを列挙しながら、失ったそれぞれにさらなる愛情を注ぎたい。

…あれは弟の5歳の誕生日だった。
弟は初めて両親から誕生ケーキを買ってもらった。
昼頃に母親とケーキ屋に行って、自分のケーキを大事そうに抱えて帰って来た。
僕は小さい妹を抱いて出迎えた。
「おかえり」
「兄ちゃん、僕のケーキだよ」
弟は満面の笑みで言った。
「よかったな」
僕は応えた。
「兄ちゃん、これみんなで分けるんだ。お父さん、お母さん、兄ちゃんと僕とまい、みんなで分けるんだ」
「ありがとう。楽しみだなぁ」
「冷蔵庫、入れるよ」
弟はで台所に走って行った。
その後、居間で弟とテレビを観ていた。
妹は母がおぶっていた。
母は夕食の支度をしていた。
弟の誕生日のごちそうを作っていた。
私は隣でテレビを観る弟を見ていた。
いがぐり頭がかわいかった…
父が帰宅しての夕食の後、弟は初めての自分のケーキを冷蔵庫がおずおずと出して、落とさないように気をつけながら、おぼつかない足取りで居間に入って来た。
ケーキを待つちゃぶ台を前にあぐらをかいてそれを見ていた私は(頃合いを見計らい)不意に立ち上がり、よろけて弟にぶつかった。
弟のケーキは居間の畳の上に落ち、ケーキの載っていた皿が虚しく弟の両手にあった。
「アッ!ごめん!」
私は(とりあえず)慌てて床のケーキをすくっては弟の持つ皿の上に置いていった。
弟は何も言わず、私がケーキのを載せやすい高さまでしゃがんで、皿に増えていく残骸をぼんやりと見ていた。
そのうちに弟の目の周りは真っ赤になってきた。
泣きながら兄を罵るのかと思ったが違った。
「兄ちゃん…ごめんなさい…。ケーキ、落としちゃった。せっかく…みんなで食べられたのに…」
と、言葉を詰まらせ泣いた。
崩れたケーキは(一応の)私の詫びの言葉を口火にして、家族みんなで弟を励ましながら食べた。
弟はただ「ごめんなさい」を呟くばかりだった。
味のしないケーキを口に含みながら…

…妹は母親に抱かれて壁に掛けた鏡を見ていた。
「アーンしてごらん?」
母親が妹に言う。妹は口を開ける。すっかり生え切った前歯が映る。母がほほ笑む。妹が笑う。
「かわいいものだなぁ」と思いながらそれを眺めていた何日目か。
私はふたりの後ろを通りざまに(わざわざ)よろけて母の背中に当たった。
母は前につんのめったようになった。妹の顔は口を開けたまま鏡にぶつかった。
火が付いたような妹の泣き声がした。妹の顔は上唇から鼻にかけて真っ赤になっていた。
血が、出ていた。
(一応)慌てて謝った。妹をあやした。口許を見た。
せっかく生えた上の前歯の一本が折れていた。
母に責められると思った。でも母は、妹を支え切れなかった自分を責めた。
母と私、それぞれの自責の言葉が舞う中で、妹は泣き続けていた。
歯医者に行って処置を受けたが、妹の歯はつながらなかった。
「乳歯でよかった」
帰宅して事態を聞いた父の言葉だった。
妹はおもちゃで遊んでいた。

…母は毎日、朝の5時に起きていた。
父の昼弁当を作るためだ。
これは数少ない、母の生き甲斐だった。
父は外食をしなかった。
母の手弁当を愛していたからだ。新婚からずっと、父は母の弁当を食べていた。その父の楽しみに私は、ある日下剤の粉を振った。市販の下剤をすり潰したやつだ。味が変わるかなと不安だった。
出来上がった弁当の粗熱を取るために、母はしばらく弁当箱の蓋を開けていた。私はそれを知っていた。母の隙を狙って、そっと振りかけた。
下剤のふりかけ弁当を持って行った日、帰宅した父は「ただいま」の後、ごく普通の口調で
「昼メシの後から下痢気味でね。だからお粥を作ってもらえないかな?」
と母に言った。
父は疑いもせずに弁当を食べたようだった。
母は、空の弁当箱を洗いながら、お弁当が悪かったのかしらと気にした。
その週と次の週、私は計4回弁当に下剤を振った。父はそのたびに母におかゆを頼んだ。
父は決して弁当を疑う素振りは見せず、もちろん母を責めることもしなかった。体調はさぞ崩れていたろうに。
4回も同じ目に遭ったら、味の異変に確実に気が付いていただろうに。
しかし責められないことがかえって母の不安と心配を増幅させた。
母は毎日何かに気を取られるようになった。
…結局、母は父の4回目の下痢以降、父に弁当を作ることはなかった。父がいくら「お弁当食べたいな」と言ってもだ。
私は母の生き甲斐を断った。
ただ私はここで、父をいたぶってはいない。男親というものは、大抵が好まれない。
私もあまり父を好きではなかった。だからいたぶってはいない。
いたぶったのは、愛する母の方だ。

あとは軽いいたぶりを与えて私は母と弟と妹への愛情を繋いだ。
それは物を隠したり捨てたり、たまに脅かしたりという、子供らしいいたぶりだった。

「なんともなぁ」
後藤は溜息をついた。
「前置きは以上ですね」
平井は事務的に言った。
「これだけ家族をいじめて、そして愛おしいって、歪んでる…川原ろくろの性癖だと?!」
後藤は吐き捨てた。
「でも結局殺された…」
平井が呟く。
「まだ確定はしていないぞ。自殺の線は消えていない。しかし解剖はどうなっているんだ」
後藤は少しいらだっているようだった。不可解な死に様といい、司法解剖の遅さといい、まるでこの家族のように川原にいたぶられているように感じた。
そんな後藤を気遣ってか、平井は少し柔らかい口調で
「さ、次行きましょうか?例の事件の記事です」
と声をかけた。
「ああ、そうだな、この事件も不可解だ。引っ掛かりどころだな」
後藤は笑顔を作った。そして続けて
「帰りの車の中で君がこの記事を読んだ時、これはうちの所轄で起こっていることが分かった。もう30年以上も前の事件で、私もこちらにはいなかったが、資料は何か残っていると思う。ちょっと係に探してもらうよう頼んでくれないか?」
と平井に命じた。
さっそく平井は保管の係に内線した。
2人はしばらくスクラップに目を通していた。そしてお互いに事件の光景を想像し、推理を進めていた。
ことのほか速く、係から内線があった。
平井が取った。
「あったそうです」
後藤の腰が思わず浮いた。
「もらって来てくれるか?」
平井に命じた。

「特異な事件だったので、今後の分析課題になるかと当時の捜査員の誰かが保管を命じていたようですね。事件自体は母親の無理心中だろうということで一応処理されたようです。唯一の生存者、つまり川原の証言を重視したようです」
ひとつの冊子にまとめられた資料を手に戻った平井が言った。
「一応母親が無理心中を図ったと思われるで終わったようだが、未解決要素を残していると考えたんだろうな。ある意味、再捜査を託されたような気がするな」
資料を受け取り後藤は言った。
後藤は資料に目を通し始めた。
「まぁ、新聞の記事とほとんど変わらない内容だな…」
と1ページ1ページめくりながら呟いていたが、あるページに来て
「なんだこれは!新聞のどこにもなかったものがあるぞ!」
と、そのページを指で叩きながら言った。
「え?!なんですかそれは」
平井が側に寄って来て、2人はその記述を読んだ。
「川原ろくろを除く、他の4名の口中には、後から押し込まれたと思われる飯粒の塊が詰まっていた。それは各人共、何度かに分けて押し込まれたと思われる」
「こ、これは川原のケースと同じじゃないですか!」
平井が興奮して言った。
「しかしなぜ、マスコミにこれを公表しなかったんだろう?」
記述から目を離し、後藤は呟いた。
しばらく宙を見て考えていたが、ふと
「そうか、これを公表したら、ひとまず無理心中の線でまとまっていたものが覆る可能性があったからかも知れない」
と言って平井を見た。
平井は
「そういえば、最も重視された川原ろくろの証言には、そのことは含まれていませんでしたね」
と後藤の目を見て言った。
「警察もいろいろな案件を抱えている。もし心中案が覆ったら、捜査はまた複雑になるし、時間も人員もかかる。この事件には外部の人間は関わっていないから、仮に母親が犯人でなくても、ある意味心中であることには違いないだろうと判断したんじゃないか」
そう後藤は答えた。
「母親が犯人でないとしたら…」
平井の呟きに
「やはり引っかかっていたことは本当かも知れない…」
後藤はそう返し
「誰がやったにしても無理心中だ。上の方の人らはそう断言したんだろう。しかし現場は従いながらも納得していなかった。だからこうして資料が残った。そういうことだろう」
と、平井を見た。
「私たちは託されたんですね」
平井が応えた。

「もう一度、川原幸恵に会おう。もしかしたらこの件を川原から聞いているかも知れない」
翌日、後藤はこう言って平井と共に川原宅に向かった。2人の手許には、例のノートと事件資料、そして川原の引出しにあった本を入れた鞄があった。結局資料には、他に秘匿されている記述は無かった。
今回は平井がハンドルを握った。助手席で後藤は鞄の中から一冊の本を取り出して読んでいた。
「引き寄せの法則か…人の願望は、常に強く持つことにより潜在意識化する。すると意識は宇宙に通じて、現実となって降って来る…か」
後藤が言うと平井が受けて
「私も姉の一件以来、そういう本を読み漁りました。たしかに人間は不思議な力を持っています。ほらよく、火事場の馬鹿力って言いますよね?人間は窮地に陥ると、想像以上の力を発揮するものです」
と妙に明るく言った。
「人間だけじゃないだろう。窮鼠猫を噛むとも言うしな」
後藤がはぐらかすと平井は
「ただネズミは言葉を話せません。出るのは文字通り馬鹿力だけです。しかし人間には言葉がある。意思がある。それを現実化する力があると言っているんです」
意地になって返して来た。と、平井は急ブレーキを踏んだ。
後藤の膝から資料やノートが床に落ちた。
「すみません。大丈夫ですか?赤信号に気付くのが遅れました」
平井が謝る。
「熱くなり過ぎか?気を付けろよ」
そう言いながら後藤が床に落ちた物を拾っていたら
「ん?」と言って開いた状態のノートを目の前に持ち上げた。
「これはまだ読んでいない所だ」
開いていたのは末尾から数ページ目辺りだった。そこからノートの末尾まで細かい文字がびっしりとページを埋めていた。
「妻のこと…と頭に書いてある。読んでみるか」
後藤が読み上げ始めた。

妻のこと

私が妻と出会ったのは、大学2年の時…十代最後の年だった。
私はある喫茶店でアルバイトを始めた。
正直、私は賑やかな所が苦手だ。
だからアルバイトも、静かな所でしたかった。
閑静な住宅街にあるその喫茶店は、老夫婦が営んでいて客もほとんどが固定客。
ポツリポツリとやって来ては、老夫婦とひと言ふた言話すか、新聞を読むかして静かにコーヒーを飲む。
猥雑な喧騒とは無縁な、まさに私が好む環境にあった。
そこを偶然見つけてから、しばらくコーヒーを飲みに通ったが、ある日老マスターがアルバイト募集の貼り紙を入口のドアにしているのを見て、反射的に応募した。
さっそく店の中へ入り、カウンターのマスターに貼り紙のことを話すと、簡単な面接が始まった。
ふと、窓際の席に若い女性がポツンと座っているのが目に止まった。
マスターは一旦、何かを取りに奥に引っ込んだ。代わりに奥から、奥さんがカウンターに立った。その間私は、窓際の女性を見ていた。
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