こどものゆめ

夢糖 四季

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第1話

記憶に無い話

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次の日、早速事件は起こる。
先程まで十笑ちゃんと居たはずの友達が、息を荒らげてこちらへと走ってくる様子が見えた。
呼吸を整えながら、彼女は私達にこう語る。

「さっき少し気になったことがあって、修学旅行のお風呂の時はどうしていたのか十笑ちゃんに聞いてみたの。そしたら十笑ちゃんがね、『何の話?』って言ってきたの」

いや、どういうことだ。意味がわからない。

「『え、昨日性同一性障害の話してくれたでしょ?なら、お風呂の時はどうバレないようにしてたのかなーって……』って言ったら、『え、私性同一性障害なんかじゃないよ?』って……」

でも私達は昨日、確かに彼女の口から聞いたはずだ。嘘だったのか?でも、嘘だとしたら嘘だと言わないその理由がわからない。その場で嘘だといえばいい話なのに、なぜ否定だけで終わるのか。
頭が混乱する。あやとりの意図いとが絡まったように。
だが、私も子供の端くれであった為こういった不思議な話に興味が無い訳では無い。むしろ表にはあまり出さないが、結構ドキドキしている。
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