こどものゆめ

夢糖 四季

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第0話

━プロローグ━

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全く今日は、夏なのか冬なのかよく分からない温度調節の面倒くさい気温である。
本当であれば即刻家に帰りたいところであるが、私がこうして友達と駄弁りながら下駄箱前で壁にもたれかかっているのには事情がある。

_雪のような白さとでも言えばいいだろうか。真っ白な肌に長いまつ毛……幼少期にモデルをやっていたという彼女は、その整った顔立ちに良く似合う長い三つ編みをしている。
そんな彼女を我々は今待っている訳だが、呼び出されている理由すら知らされていないのである。

暫くすると、彼女が下駄箱から出てくる様子が見えた。私たちが手を振ると、嬉しそうにこちらへ走ってくる。
だがしかし、口角の上がったその顔はすぐに真剣そのものになった。普段仲の良い男子を払ってまで、何を話したいというのだろう。
そして何故、それを私達に話そうと思ったのか。全く分からないことだらけだが、まあ聞かないことには始まらないだろう。
私達は、緊張の面持ちで彼女の話を聞き始めた。

彼女の話の内容は主に幼少期のことであったが、ここで1つ引っかかる言葉を耳にする。



一体どういうことだろうか。正直私の頭では到底理解し難い。性同一性障害ということなんだろうか。私が質問をするより先に、横にいた友達が彼女に語り掛ける。

「それはつまり、性同一性障害ってこと?」

彼女は口を開く素振りは見せずとも、静かに首を縦に振った。
気付かなかった。あの女子が羨む顔や体型、全て彼女が女であるからこそのものだと思っていた。だがそれは、大幅に外れていたようだ。

「信じてくれる?」

彼女のその問いに少し戸惑いの表情を見せる面々であったが、少しして

永遠とわちゃんの言うことなら、信じるよ」

少し驚いた顔をしたあと、直ぐにふにゃっとした彼女の笑みを横目に。
その日は全員解散した。
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