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バーバリアン

TWiLiGHT OF BARBARiANS#14

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────シンリック=メイリン=ミルファ(人狼ルガルベスティア種、ヘルヘイム宮廷司祭、アースバインダー)


 アストレアにイサナミ自治区の創設を開始したフレドライヒが、初代創設者のルーテシアを頼って相談に来るようになった。

 全ての資料はティフォーニアが持っていたので、理解は済んでいるようで、イサナミとイサナギについてもかなり深くまで理解できているらしい。

 それでも、数百億という人口がネックのようだ。
 たしかに規模が大きすぎる。

 最初は、現状のイサナミ自治区の複製を一つ設立してデータ収集をおこなうことになった。

 政治形態も現行のやり方を踏襲し、人材の選定と育成は、フレドライヒ達が自ら行なっている。
 体制が整うまでは、人材の整備に注力させるようだ。

 フレドライヒ達はこういう仕事に馴れているようで、すぐに良いデータを収集できるようになった。

 鞘当さやあてや、決闘の文化を早期から推奨したおかげで、こぞって修練所に通い始めたようだ。
 多少でもイサナミの心得があるだけでかなりの実力差がつくからだ。

 最初は、悪用するものが多く、混乱した時期もあったようだが、イサナミの習熟度が上がって来ると、民度が上がり、迂闊に悪用できない状況に落ち着いた。

 現状は、各コロニーにイサナミの修練所があり、師範クラスの人材が十分な人数、常駐できるようになった。

 イサナミが根付いた社会の仕組みが整ったので、とりあえずの目標は達したと言ってよいだろう。


 頻繁に現地を視察しているティフォーニアもかなり満足しているようだ。 
 ルーテシアの評価も上々だ。

 今では、各技能を競う大会も積極的に開催され、優秀な人材は、高待遇でアストレアから誘いがかかるらしい。

 全体的に内政が優秀なコロニーのコロニー長には、元老院の議官として、1議席与えられることになった。

 最大、3議席まで与えられるので、各コロニー長は内政の充実に注力している。

 イサナミ自治区のコロニー長は不動の1位を維持し続けているそうだ。
 イサナミの総本山として、各コロニーに優秀な人材を提供している立場なので、とくに不満はでないようだ。

 状態の悪いコロニーは、底上げのため、イサナミ自治区から積極的な支援が行われている。各コロニーの質の平準化を、イサナミ自治区のコロニー長に義務付けているらしい。しかし、手がかかりすぎる劣悪なコロニーは解体されることになっているので、コロニー長も内政の充実に必死なようだ。


 ヒューマノイドの自治能力が大幅に改善したことで、アストレアの矛先は、アルデバドスや新種族、無色のホムンクルススターゲイザーに向けられつつある。

 また、元老院議官の貢献度が定量化され、公表されるようになってしまったため、アスデバドスのアースバインダー達は地位を守るのに必死なようだ。
 彼らのフォローはヒルデブラントが積極的に行ってくれているらしい。


 最初の頃は昼行灯ひるあんどんとまで揶揄やゆされていたヴォールフデイルが本領を発揮したことで、心配されていたアストレアの内政はかなりのレベルまで回復してきたようだ。

 ヴォールフデイルの働きかけにより4外界との関係もかなり回復してきているので、一安心といったところだろう。
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