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憂い嘆くケモノ

3RD LiFE

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────イチジョウ=ユキナ(ヒューマノイド、イサナミ自治区、2代目清鳴シンメイ


 イサナミの書・第3版がまとまった頃、ラフィノス公国に、ククリさんとメイリンさんが来てくれた。
 コンソールで連絡を取り合っていたが、直接会うのは1年ぶりくらいだ。
  
 そして、二人にイサナミ自治区まで送ってもらった。

 イチジョウ家の前には出迎えがたくさんいた。

 そこには成長したユキヒラもいた。
 見上げるほど背が高く、体つきもまるで違っていた。

 ただ、ユキヒラは僕をとても優しい目で見つめてくれた。
 それが嬉しくてたまらなかった。

 ユキヒラはすでに医学校に進み、医師への道を歩み始めているそうだ。

 僕もユキヒラを追って医学校に進むつもりだ。
 ユキヒラからは先輩とよべと言われたけど、知らんぷりするつもりだ。

 僕は彼の笑顔を見てとても安心した。

 何があったのか教えてくれないけど、彼の心はとても自由になったように感じた。
 セイゲンさんは、ユキヒラのことを若と呼ぶようになっていた。

 
 ラフィノスの皆さんも勢ぞろいしていたが、どうやらお別れの時期が来たらしい。

 リシアさんとメイリンさんは、これからも時々視察に訪れるらしいが、他の皆は今生の別れだと思って欲しいと言われた。

 いつかこうなることはわかったいたけど、まさか今日だと思わなかった。

 僕は、ククリさんに抱きつき思いっきり泣いた。


 皆で個別に、お別れの挨拶をしたあと、ラフィノスの皆さんは飛空挺でイサナミを後にした。

 皆、涙を浮かべながら見送った。

 ユキヒラも大泣きしながら見送っていた。


 イサナミ自治区の第3章は、この日から始まったのだ。
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