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赤いナミダ

風の流れ#2

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────カル=ニシオ(ヒューマノイド、イサナミ自治区、九尾衆 二尾大隊直属 キヨスミ研究所 所長、学者)


 どうして、30体が、150体になる?


 だめじゃ、ウルさんとセイゲンは、相性が良すぎる。
 すっかり仲良くなってホムンクルス狩りばかりしちょる。
 とにかくあのバカどもを止めないと、保管場所がなくなって、研究所の廊下まで使わんといけなくなる。もういらないからころせっちゅーても、止めやせん。
 
 リシアさんもククリさんもいま留守中らしいから、ミサコにでも頼んどくか。
「あー、ミサコか? いま大丈夫か?」

「おカル? どうかした?」

 私は説明した。

「兄さん、ほんとバカなんだから、ごめんね。わたしから言っておく、いらないならそっちで殺処分しちゃっていいとおもうけど?」

「リシアさんが帰ってこんと判断つかん。とにかくもう、送り付けんように言っといてくれ」

「わかった」

「そういや、カツラは元気になったんか?」

「うん、しっかり教師やってる」

「引きこもったときは、どうしよーかとおもったぞい。ウヅラとミズナに合わせる顔ないで?」

「そうね、でも、カツラ、頑固者の血筋だから厄介なのよ。月影のおば様が動いてくださってほんと感謝してる」

「ムネヨシとウヅラの母さんの血が混ざっとるから、どーにもならんじゃろな」

「うふふ、でも、教師としてはかなり優秀。ほんと導くのがうまいのよねあの子」

「それはウヅラに似たんじゃろな」

「かもね」

「この歳まで二人とも生きられんとは考えもしなかった」

「二人とも不運だったわよね」

「ま、二人の代わりに、子供たちを見守ってやらんとな」

「そうね」

「そういや、ユキナはどうした?、回復したんじゃろ?」

「うん。いまはラフィノス公国の宮殿で暮らしてる」

「なんでまた? 移住か?」

「違うわよ、さらに高度な技能を指南してもらいにいってるの」

「あー、そういやリシアさんとククリさんが話しとったなー」

「数年は戻れないって言われてる。面会や通信はできるから、できるだけ気遣ってあげないとね」

「連絡先しっとるん?」

「うん。あとで転送する」

「ありがとな。ユキナと話したくてうずうずしとった。
 あの子、ミズナにそっくりになったんじゃろ?」

「みたいね、私もまだ会ってないからわからないの」

「連絡しとらんのか?」

「うちの学園の卒業生じゃないし、口実がなくってね……」

「気にせず連絡すりゃええじゃろ。相変わらず、へんなところで奥手じゃな?
 ウチが連絡しとくから、ミサコに連絡よこすようにいっとく」

「ありがと、気を使わせて悪いわね」
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