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イサナミ自治区
雪のカケラ#6
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────キサ=カザマ(ヒューマノイド、イサナミ自治区、流水・家元)
待ち合わせ場所に到着したら、近くのアパートメントから、ユキヒラの気配がした。
見上げたら、ベランダから手を振っていた。
下に降りる合図をして、アパートメントのエントランスから出てきた。
「おまたせ、着替え持ってきてくれた?」
「なにやってたの? 誰も殺してないよね?」
「まだ」
「まだって、どういうことよ?」
「とりあえず、あそこに車を隠して、一緒にきてくれる?」
ユキヒラに案内されて、アパートメントに入って行った。
ユキヒラが手を振っていた部屋に入ると、若い男性が倒れていた。
ユキヒラに体の動きを封じられてしまったようだ。
「キサ=カザマ? え? 君たちイサナミ?」
男がしゃべった。
こいつ私をしってるのか。
まあ、しかたないか。
「姉さん、これみてよ」
ユキヒラは、コンソールを指差した。
生物兵器か。この街の学者の本業ってところね。
「で、どうするの?」
「エージェントと明日会うらしいよ、エージェントをお土産にしたい」
「叔父様よろこびそうね。で、ここに泊まるの?」
「ヤニ臭いのどうにかならないかな?」
「これだけひどいと無理でしょ?」
「じゃ、下の部屋でも見て来る」
私は、ユキヒラの腕を掴んだ。
「なに?」
「なにって、下の部屋で何するつもり?」
「ヤニ臭くないか確認に」
「あきらかに誰か住んでるわよね?」
「うん。でなければ泊まれないじゃん」
「住人をどうする気?」
「その人次第かなー」
「イサナミ以外の人を人間扱いしないのはやめなさい!」
「ちゃんと区別してるさ。クソ野郎は殺すけど、善良な人は放置する。気流を見ればいっぱつさ。本当に確認行くだけだよ。気配を消して確認するからばれないよ」
「だめ」
私は、倒れている男に話しかけた。
「あんた、学者なんでしょ? ヤニ臭いの簡単に除去できないの?」
「え? あー、できます、すぐやります、なので命だけは助けてください」
待ち合わせ場所に到着したら、近くのアパートメントから、ユキヒラの気配がした。
見上げたら、ベランダから手を振っていた。
下に降りる合図をして、アパートメントのエントランスから出てきた。
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「なにやってたの? 誰も殺してないよね?」
「まだ」
「まだって、どういうことよ?」
「とりあえず、あそこに車を隠して、一緒にきてくれる?」
ユキヒラに案内されて、アパートメントに入って行った。
ユキヒラが手を振っていた部屋に入ると、若い男性が倒れていた。
ユキヒラに体の動きを封じられてしまったようだ。
「キサ=カザマ? え? 君たちイサナミ?」
男がしゃべった。
こいつ私をしってるのか。
まあ、しかたないか。
「姉さん、これみてよ」
ユキヒラは、コンソールを指差した。
生物兵器か。この街の学者の本業ってところね。
「で、どうするの?」
「エージェントと明日会うらしいよ、エージェントをお土産にしたい」
「叔父様よろこびそうね。で、ここに泊まるの?」
「ヤニ臭いのどうにかならないかな?」
「これだけひどいと無理でしょ?」
「じゃ、下の部屋でも見て来る」
私は、ユキヒラの腕を掴んだ。
「なに?」
「なにって、下の部屋で何するつもり?」
「ヤニ臭くないか確認に」
「あきらかに誰か住んでるわよね?」
「うん。でなければ泊まれないじゃん」
「住人をどうする気?」
「その人次第かなー」
「イサナミ以外の人を人間扱いしないのはやめなさい!」
「ちゃんと区別してるさ。クソ野郎は殺すけど、善良な人は放置する。気流を見ればいっぱつさ。本当に確認行くだけだよ。気配を消して確認するからばれないよ」
「だめ」
私は、倒れている男に話しかけた。
「あんた、学者なんでしょ? ヤニ臭いの簡単に除去できないの?」
「え? あー、できます、すぐやります、なので命だけは助けてください」
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