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デザート・ストーム
ギブリ#2
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────ファ=ルシオーヌ=リア=リオン(ヴェルキエーレ種、特異種)
最近、ククリさんが、寂しいからもっと会いに来いと僕の端末に頻繁に連絡をよこすので、遊びにゆくことにした。
なぜか、グラミアとクラウスソラスとオートクレールまで付いて来た。
「ルシオーヌ、よくきたねー。おいでー。もう立派なヴェルキエーレだね」
ククリさんが抱きしめてくれた。
「一番後ろからみんなを追いかけるのに必死だよ。みんながすごく遠くにいるように感じる」
「頑張り屋のルシオーヌならすぐ追いつけるよ。
3人も忙しいのに来てくれてありがとね。おいでー」
ククリさんは、順番にグラミアたちを抱きしめた。
「あれ? ゼディーとルークの失敗作じゃない。どうしてここにあるの?」
クラウソラスは、観測装置を勝手に操作しながら言った。
「勝手にいじっちゃダメだよ、いまもデータ収集してるのだから」
「なにそれ? どういうこと?」
オートクレールが尋ねた。
「私の部屋はいろんな種族が出入りするから、参考にいろんなデータを収集してるの。詳細は、ニダヴェリールの秘匿事項だから、知りたいならルシオーヌを引き渡すか、君たちの誰かがうちの子になりなさい」
「じゃあ、グラミア置いていくからおしえてよ」
オートクレールは、いつもグラミアの扱いがひどい。
「オートクレール、ダメでしょ。グラミアだって、まだ一応ヴェルキエーレの一員なのだから。ヴェルキエーレがもっと増えてからにしなよ」
クラウソラスもグラミアの扱いがひどい。
グラミアは、それに慣れているので、まるで気にしていないようだ。
「交渉決裂だね。残念。でも、本当に大したことじゃないよ。興味本位でデータ収集しているだけだからね」
「ママ、かなり高度なことやってる? まるで独自の言語体系の研究開発をやってるみたいじゃない」
グラミアが、ククリさんの端末を勝手にいじりながらいった。
ククリさんが、グラミアから端末を奪い返した。
「グラミア、ママの端末いじらないでね。でも、まぁ、そんなところかな」
「リザードマンってそんなに複雑だったの?」
クラウソラスが質問した。
「複雑ではないね。単純だけど、扱いが面倒なだけだよ」
「あの観測できない領域のこと?」
「まぁ、そんなところ。ところで、4人とも、私が知覚を麻痺させてるの気づいてる?」
「うん。なにやってるのかなーって、おもった」
オートクレールが答えた。
「具体的に何されたか、教えて欲しいのだけれど」
僕も含めた4人は、ククリさんに何をされたか、自分の見解を話した。
全員まるで違う答えをいった。
「なるほど、ヴェルキエーレは、そう感じるのか。参考になったよ、ありがとね」
ククリさんは、装置の解析データを見ながら、端末になにかを入力していた。
「母さん、同じことをみんなにしたの?」
クラウソラスが尋ねた。
「違うよ。みんなには違うことを仕掛けたから、全部正解」
「それ、なんの調査?」
グラミアが、質問した。
「見えない領域の調査。
ゼディーたちの研究にも協力してるんだよ。
こちらも同じところでつまづいているからね」
「なにかわかったの?」
「今わかっているのは、ヴェルキエーレも生命の基礎法術が使えるってことくらいかなー」
「ガイセルヘルと戦った時に、多用していたやつだよね?」
「うん」
「完全言語の多次元空間にもバランスよく展開できるの?」
「今までの調査で分かったことだけど、生命の基礎法術は、生命の根源体への直接干渉みたいなものらしいから、応用範囲が広いみたい。もともと独立した言語体系を形成していたからね。法術として取り扱うべきではないのかもしれないね」
「ママはヴェルキエーレに教えられる?」
「誰も教えられないよ。自分で身につけないとだめだね。
お? ティフォーニアの許可がおりた!!!
ルシオーヌ、毎日、1時間程度ここにおいで!
時間は端末に送っておくね」
「うん。でもなんで僕?」
「ルシオーヌに会いたいから」
「他の理由は?」
「ケイが忙しすぎるから」
「特異種だからか」
「羽化済みの特異種は、生命の根源体との繋がりが強いみたい。
ルシオーヌを独占できるついでに、調査もできるのはとても嬉しいよ。
3人は付いてこなくてもいいからね。機材や端末を勝手にいじられると困る。
ちゃんと返すから、安心していいよ。ティフォーニアとの約束だからね」
最近、ククリさんが、寂しいからもっと会いに来いと僕の端末に頻繁に連絡をよこすので、遊びにゆくことにした。
なぜか、グラミアとクラウスソラスとオートクレールまで付いて来た。
「ルシオーヌ、よくきたねー。おいでー。もう立派なヴェルキエーレだね」
ククリさんが抱きしめてくれた。
「一番後ろからみんなを追いかけるのに必死だよ。みんながすごく遠くにいるように感じる」
「頑張り屋のルシオーヌならすぐ追いつけるよ。
3人も忙しいのに来てくれてありがとね。おいでー」
ククリさんは、順番にグラミアたちを抱きしめた。
「あれ? ゼディーとルークの失敗作じゃない。どうしてここにあるの?」
クラウソラスは、観測装置を勝手に操作しながら言った。
「勝手にいじっちゃダメだよ、いまもデータ収集してるのだから」
「なにそれ? どういうこと?」
オートクレールが尋ねた。
「私の部屋はいろんな種族が出入りするから、参考にいろんなデータを収集してるの。詳細は、ニダヴェリールの秘匿事項だから、知りたいならルシオーヌを引き渡すか、君たちの誰かがうちの子になりなさい」
「じゃあ、グラミア置いていくからおしえてよ」
オートクレールは、いつもグラミアの扱いがひどい。
「オートクレール、ダメでしょ。グラミアだって、まだ一応ヴェルキエーレの一員なのだから。ヴェルキエーレがもっと増えてからにしなよ」
クラウソラスもグラミアの扱いがひどい。
グラミアは、それに慣れているので、まるで気にしていないようだ。
「交渉決裂だね。残念。でも、本当に大したことじゃないよ。興味本位でデータ収集しているだけだからね」
「ママ、かなり高度なことやってる? まるで独自の言語体系の研究開発をやってるみたいじゃない」
グラミアが、ククリさんの端末を勝手にいじりながらいった。
ククリさんが、グラミアから端末を奪い返した。
「グラミア、ママの端末いじらないでね。でも、まぁ、そんなところかな」
「リザードマンってそんなに複雑だったの?」
クラウソラスが質問した。
「複雑ではないね。単純だけど、扱いが面倒なだけだよ」
「あの観測できない領域のこと?」
「まぁ、そんなところ。ところで、4人とも、私が知覚を麻痺させてるの気づいてる?」
「うん。なにやってるのかなーって、おもった」
オートクレールが答えた。
「具体的に何されたか、教えて欲しいのだけれど」
僕も含めた4人は、ククリさんに何をされたか、自分の見解を話した。
全員まるで違う答えをいった。
「なるほど、ヴェルキエーレは、そう感じるのか。参考になったよ、ありがとね」
ククリさんは、装置の解析データを見ながら、端末になにかを入力していた。
「母さん、同じことをみんなにしたの?」
クラウソラスが尋ねた。
「違うよ。みんなには違うことを仕掛けたから、全部正解」
「それ、なんの調査?」
グラミアが、質問した。
「見えない領域の調査。
ゼディーたちの研究にも協力してるんだよ。
こちらも同じところでつまづいているからね」
「なにかわかったの?」
「今わかっているのは、ヴェルキエーレも生命の基礎法術が使えるってことくらいかなー」
「ガイセルヘルと戦った時に、多用していたやつだよね?」
「うん」
「完全言語の多次元空間にもバランスよく展開できるの?」
「今までの調査で分かったことだけど、生命の基礎法術は、生命の根源体への直接干渉みたいなものらしいから、応用範囲が広いみたい。もともと独立した言語体系を形成していたからね。法術として取り扱うべきではないのかもしれないね」
「ママはヴェルキエーレに教えられる?」
「誰も教えられないよ。自分で身につけないとだめだね。
お? ティフォーニアの許可がおりた!!!
ルシオーヌ、毎日、1時間程度ここにおいで!
時間は端末に送っておくね」
「うん。でもなんで僕?」
「ルシオーヌに会いたいから」
「他の理由は?」
「ケイが忙しすぎるから」
「特異種だからか」
「羽化済みの特異種は、生命の根源体との繋がりが強いみたい。
ルシオーヌを独占できるついでに、調査もできるのはとても嬉しいよ。
3人は付いてこなくてもいいからね。機材や端末を勝手にいじられると困る。
ちゃんと返すから、安心していいよ。ティフォーニアとの約束だからね」
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