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デザート・ストーム
シロッコ#2
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────ウル(人狼ロデリク種、ロデリク族・族長、ニダヴェリール宮廷顧問第二席)
「邪魔する。ククリ、土産だ。食ってみろ、うまいぞ」
「いらっしゃい、いつもありがとうございます。干し肉?、なんの肉です?」
「正式な名前はないが、俺たちはサイコルピーネと呼んでる。
王侯が大量殺戮兵器の実験をしていた際に産まれた突然変異種の末裔だ、入念に調査済みだから、食っても問題ない」
「ほんとだ、美味しいですね。お酒に合いそう。これつくるの手間かかったでしょ? ロデリク族は食通が多いですよね。ソルヴァルズの連中も、味へのこだわりが尋常じゃなかった。あの子たち、私の食事つくるのでも、かなりの手間をかけてました」
「ロデリクはどんな状況でも、うまい酒とうまい食事へのこだわりは捨てないからな」
「私は腐った生肉でも気にしませんけどね。多少の毒も解毒すればいいだけだし」
「お前の味覚がどうかしてるだけだ」
「ロデリクの子達、ストレス溜まっていませんか?」
「ああ、大丈夫だ。むしろ疲労で、体動かすのも大変なくらいまでシゴいてる」
「何をさせてるのです?」
「大戦を経験してる年寄り連中にロングシップの指揮官させて、クソガキどもに大地の生物の狩をやらせてる。
今のクソガキどもじゃ、クソの役にもたたん。
ロデリクは大戦時の強力で狡猾なイメージしか持たれていないだろうから、今のままニダヴェリールに行ったら、ルーノたちに失望にされるのがオチだ。
クソガキ連中は、いっぱしの戦士面しているが、奴らの練度じゃ単細胞のアルデバドスくらいにしか通じねえよ。身体能力任せの戦い方しかしらねえから基礎から叩き直してる。
年寄り連中を前線に引っ張りだすわけにはいかねえしな」
「食材の調達にも便利そうですね」
「ああ、いちばんの目的はそれだ。
クソガキ連中も美味いもの食いてえから、必死で頑張ってるよ。
ニダヴェリールには、この大地みたいな化け物はいないのか?」
「いますよ。結界で保護された領域以外は、化け物の巣窟にしてあります。
大地の生態系は世界の健康維持に大切なことですからね」
「サンドワームより厄介なのはいるのか?」
「あそこまで巨大な生物はいませんけど、死の門の影響か、力任せが通じない厄介な生物がうようよいますね。ニダヴェリールの自然の中で育ったルーノ族はそれが当たり前になってますから、サンドワームの方が強敵に感じるかもしれませんけど、慣れていない種族にしてみたら、死を覚悟して飛び込まないとまず生きて帰れないでしょうね」
「面白そうだな。そいつらは食えるのか?」
「はい。ルーノも食通が多いですから、いろんな試みをしてきたみたいです。ルーノも酒と食事にこだわる種族ですからね」
「そりゃ楽しみだ」
「邪魔する。ククリ、土産だ。食ってみろ、うまいぞ」
「いらっしゃい、いつもありがとうございます。干し肉?、なんの肉です?」
「正式な名前はないが、俺たちはサイコルピーネと呼んでる。
王侯が大量殺戮兵器の実験をしていた際に産まれた突然変異種の末裔だ、入念に調査済みだから、食っても問題ない」
「ほんとだ、美味しいですね。お酒に合いそう。これつくるの手間かかったでしょ? ロデリク族は食通が多いですよね。ソルヴァルズの連中も、味へのこだわりが尋常じゃなかった。あの子たち、私の食事つくるのでも、かなりの手間をかけてました」
「ロデリクはどんな状況でも、うまい酒とうまい食事へのこだわりは捨てないからな」
「私は腐った生肉でも気にしませんけどね。多少の毒も解毒すればいいだけだし」
「お前の味覚がどうかしてるだけだ」
「ロデリクの子達、ストレス溜まっていませんか?」
「ああ、大丈夫だ。むしろ疲労で、体動かすのも大変なくらいまでシゴいてる」
「何をさせてるのです?」
「大戦を経験してる年寄り連中にロングシップの指揮官させて、クソガキどもに大地の生物の狩をやらせてる。
今のクソガキどもじゃ、クソの役にもたたん。
ロデリクは大戦時の強力で狡猾なイメージしか持たれていないだろうから、今のままニダヴェリールに行ったら、ルーノたちに失望にされるのがオチだ。
クソガキ連中は、いっぱしの戦士面しているが、奴らの練度じゃ単細胞のアルデバドスくらいにしか通じねえよ。身体能力任せの戦い方しかしらねえから基礎から叩き直してる。
年寄り連中を前線に引っ張りだすわけにはいかねえしな」
「食材の調達にも便利そうですね」
「ああ、いちばんの目的はそれだ。
クソガキ連中も美味いもの食いてえから、必死で頑張ってるよ。
ニダヴェリールには、この大地みたいな化け物はいないのか?」
「いますよ。結界で保護された領域以外は、化け物の巣窟にしてあります。
大地の生態系は世界の健康維持に大切なことですからね」
「サンドワームより厄介なのはいるのか?」
「あそこまで巨大な生物はいませんけど、死の門の影響か、力任せが通じない厄介な生物がうようよいますね。ニダヴェリールの自然の中で育ったルーノ族はそれが当たり前になってますから、サンドワームの方が強敵に感じるかもしれませんけど、慣れていない種族にしてみたら、死を覚悟して飛び込まないとまず生きて帰れないでしょうね」
「面白そうだな。そいつらは食えるのか?」
「はい。ルーノも食通が多いですから、いろんな試みをしてきたみたいです。ルーノも酒と食事にこだわる種族ですからね」
「そりゃ楽しみだ」
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