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メメント

カルペ・ディエム#3

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────ククリ(人狼ルガルガルダーガ種、ニダヴェリール宮廷正室、アースバインダー)


 私は、ソルヴァルズ一味の代表として、〝死神〟レイフさんと対峙している。

 こんなに早くお会いできるのは嬉しい誤算だった。
 捜索の難しい彼をこの場に連れてきてくれたハウカダル連合のおさ達には、感謝するばかりだ。


「始めまして『ククリ』と申します。お会いしたかったです。『死神』さん」

「……ククリ? どっかで聞いた名だな?」

「故郷では『血の獣』ってよばれていました」

「血の……あはははっ!
 これは飛んだ有名人と出くわしたものだ。こいつはおもしろい、お前の噂を聞いてからずーっと殺して見たかった。大崩落後はつまらねー殺しの依頼しかないから、退屈してたところだ。ブリュンヒルデは死なないから相手をしても厄介なだけだしな。楽しませてくれよ?
 期待はずれは勘弁してくれ。
 言っておくが、シルバーリングでも俺には敵わねえぞ?
 お前たしか、あのシルバーリングのクソ爺にとっつかまったんだよな?」

「フラガ=ラ=ハ……私のお師匠様ですね?」

「あの爺いは殺せなかった。老衰死? バカにするな!
 戦場で死ねよ! 決着つけたかったのによ!
 クソジジイ、小馬鹿にしたように逃げ回りやがって」

「では、私がお師匠様の代理で、あなたをねじ伏せて差し上げましょう。
 お師匠様、あなたが不憫で見逃してあげたとおっしゃってましたよ。
 それに気づかずに、未だに殺せるって信じ込んでるなんて、よほど世間知らずだったのですね?
 この大地は、フリギアン=ギアの結界でアルデバドスしか出入りできなかったから、仕方ありませんね……」

「ほぅ、肝の座り方はいっぱしのようだ。ゴロツキを束ねただけはあるな。
 気持ちよく殺してやる。
 今すぐ、クソジジイに合わせてやるよ」

「残念です、倒されるのは、あなたの方ですからね。
 でも、あなたには任せたい仕事がたくさんあるから、殺しはしませんけど」


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