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混沌の秩序
スターリー スカイ#1
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────ククリ(人狼ガルダーガ種、ルーノ族・長老、ニダヴェリール宮廷特別顧問)
「心が晴れるような綺麗な空ですね」
エリューデイルは窓辺で、はじめてみる真っ青な空を眺めていた。
「だね。ゼディーとルークの話では、これが、本来のユグドラシルの空だっていうのだから、ティフォーニアの心がどれだけ追い詰められていたか、わかる気がするよ」
「そういえば、星? でしたっけ? いまから楽しみでなりません」
「うん、わたしも。でも、今夜は、夜が早く来られると困るよね……」
「ですね、星空を堪能したい気持ちと、彼らの無事を祈る気持ち、まさに、混沌としていますよ」
「混沌か……こんな綺麗な空に抱かれて育つ種族達は、どんな社会を作り出すのかな?」
「私は、とても楽しみにしているのですよ」
「そうなの? すごーく悪い子に育つかもよ?」
「ええ、それでも、暖かく見守るのが私の役目ですから……」
エリューデイルは感慨深げに呟いた
「フリギアン=ギアが君を選んだわけが、なんとなくわかった気がする」
「え!? 本当ですか!? 是非教えてください。一番知りたいことなのですから!」
「……ごめん、なんとなく、だから表現できない」
「そうですか……、言葉にできるようになったら教えてくださいね」
「いあ、それは多分、フリギアン=ギアに叱られると思う」
「なぜです?」
「彼女は、君自身にそれを見つけて欲しいのだと思うよ」
「……そうですね、きっと彼女ならそう言うでしょうね」
「心が晴れるような綺麗な空ですね」
エリューデイルは窓辺で、はじめてみる真っ青な空を眺めていた。
「だね。ゼディーとルークの話では、これが、本来のユグドラシルの空だっていうのだから、ティフォーニアの心がどれだけ追い詰められていたか、わかる気がするよ」
「そういえば、星? でしたっけ? いまから楽しみでなりません」
「うん、わたしも。でも、今夜は、夜が早く来られると困るよね……」
「ですね、星空を堪能したい気持ちと、彼らの無事を祈る気持ち、まさに、混沌としていますよ」
「混沌か……こんな綺麗な空に抱かれて育つ種族達は、どんな社会を作り出すのかな?」
「私は、とても楽しみにしているのですよ」
「そうなの? すごーく悪い子に育つかもよ?」
「ええ、それでも、暖かく見守るのが私の役目ですから……」
エリューデイルは感慨深げに呟いた
「フリギアン=ギアが君を選んだわけが、なんとなくわかった気がする」
「え!? 本当ですか!? 是非教えてください。一番知りたいことなのですから!」
「……ごめん、なんとなく、だから表現できない」
「そうですか……、言葉にできるようになったら教えてくださいね」
「いあ、それは多分、フリギアン=ギアに叱られると思う」
「なぜです?」
「彼女は、君自身にそれを見つけて欲しいのだと思うよ」
「……そうですね、きっと彼女ならそう言うでしょうね」
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